後註

あとがき

 ぼくの場合にならば、なかなか苦心して書きつづったのがこの文章であるが、しかしここまでぼくは、言いたい事をほとんど既存の語だけで説明できた。

 それは、先人がすでに同じ境地に到達しており、かつそれを表現するための語をとっくに用意していた、という事だ。

 やはりほとんどの概念については、一番乗りするのは至難であるらしい。


 ところで、こういったぶんせきを朝飯前にこなしてしまう、けた奴らが「けんじゃ」とよばれる者どもである。

 そうだね、孫子やフェルマーならこの程度、だいたい2秒くらいだ。

 しゃなら間違いなく1秒を切るね。

 したがって、〝単なる魔法使い〟が「けんじゃ」をっているのを見ると、「ぼくがガッカリする」という非常に重大な問題が発生するため、自作の物語に賢者を登場させる場合には、細心の注意を要するのである。


 ん、なんだい?

 何か言いたそうな顔をしているね。




 じゃあ、話を聞こうか。



゠了゠

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哲学魔王の【国語の時間】 たてごと♪ @TategotoYumiya

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