最終決戦
第27話「クリーチャー撃滅作戦」
ドライガーの新たな力を得て勇一は生き返った。
正信が勇一に駆け寄る。
「勇一!!」
「父さん……」
そして、正信は勇一を強く抱き締める。
「ちょっ!?やめろって!?恥ずかしいし、暑苦しいし……それに痛いって!?」
周りに居た、日菜乃と篤史、そして火村はそれを見て笑っている。
そして、火村が真顔になり話始めた。
「勇一さん、改めて力を貸して下さい」
勇一は正信のハグを振り払い火村に答えた。
「イナゴクリーチャーを倒すんですね」
「はい。私は一度本庁に戻ります。恐らくいよいよ始まるはずですから……クリーチャー撃滅作戦が」
「だったら……俺も連れて行って下さい」
「勇一さん……わかりました。一緒に行きましょう」
そこに日菜乃が割って入った。
「ちょっと待って!それなら私の霊力で龍神の反動を抑えてからの方が良くない?」
「ああ……そうか……そうだね……」
「では、準備が出来ましたら警視庁に来て下さい私の名前を言えば通してくれる様にしておきますから」
「わかりました」
こうして、火村は一度警視庁に戻り勇一達は龍宝神社に帰る事にした。
その頃、ゴルゴディウスは……。
「おのれ……龍神め……雷の力を得たか……」
ゴルゴディウスは龍神への憎しみを露にしていた。
龍宝神社では龍神の力の反動を抑える術を掛ける為のまじないの準備が進められていた。
正信と篤史が、部屋の一室を儀式用に改造していた。
日菜乃は巫女装束に着替え黒髪のカツラを被った。
儀式部屋には外からの邪魔が入らない様にお札が貼られた。
これが結界となり例え邪神やその手下が攻めて来てもはね除けられると伝わる由緒正しきお札だ。
準備が整い日菜乃と勇一が部屋に入る。
部屋の中央に勇一が座る。
「それじゃあ、始めるよ勇一」
日菜乃が声を掛ける。
「ああ……頼む!」
日菜乃が儀式の印を組みいよいよ始まった。
正信と篤史は外で待つ。
外で待っている2人の父親にも緊張が走る。
日菜乃の霊力が勇一に入り込み龍神の強すぎる力を抑える。
数分後、儀式は終わり日菜乃は倒れた。
強い霊力を必要とするこの儀式は日菜乃の体力を著しく消耗させた。
「日菜乃……サンキュー」
勇一は部屋から出る。
「終わったのか?」
正信が勇一に駆け寄って聞く。
「ああ。日菜乃は疲れて倒れちゃったけど……大丈夫なのかな?」
「心配無い。霊力を使い過ぎただけだ」
篤史は落ち着いていた。
「じゃあ、俺……行って来ます」
「ああ、気を付けてな」
勇一は早速、警視庁に向かった。
その頃、警視庁ではクリーチャー撃滅作戦の準備が最終段階に入っていた。
葛城が作戦の概要を説明している。
奥戸も警視庁に来ていて準備を手伝う。
火村も装備の準備を進める。
そこへ、勇一がやって来る。
受付の女性警察官に案内され会議室に入ってくる。
「失礼します。火村さんにお客様です」
「勇一さん!来てくれましたか」
「勿論です」
「神上君!?」
「え?」
声を掛けて来たのは奥戸だった。
「あっ、奥戸!何でここに?」
「ちょっと手伝いでね」
火村が間に入る。
「お二人は知り合いなんですか?」
「ええ……小学校の頃のクラスメイトです」
勇一が説明する。
「そうだったんですか。奥戸さんはクリーチャー出現を感知するシステムCSSの開発者で警察や自衛隊に協力してくれているんです」
と火村は説明する。
「へぇ~、そうだったんだ……」
「神上君はどうしてここに?」
「あっ……それは……」
勇一は返答に困った。
「それでは全員揃ったので改めて作戦を説明しまーす」
葛城が助け船を出した。
勇一、火村、奥戸、葛城、牧田、そして多くの警察官や自衛隊員が集まる。
そして、葛城が作戦を説明する。
その作戦はこうだ……。
まず、CSSを頼りにイナゴクリーチャーの居場所を特定。
現場に向かった警察官や自衛隊員がイナゴクリーチャーに奇襲を仕掛けイナゴクリーチャーが反撃して来た所を戦闘の被害が少ないと想定される若州海浜公園に誘導。
そこにイナゴクリーチャー達を一気に集め総攻撃を仕掛けると言う物だ。
勇一と、火村は海浜公園で待機し到着したイナゴクリーチャーを最前線で迎え撃つ。
まずは、警察の警ら隊がイナゴクリーチャーの捜索に出る。
葛城と奥戸は警視庁で現場全体に指示を出す。
勇一と火村は一緒にパトカーで若州海浜公園まで向かう。
「すみません勇一さん……我々の戦いに巻き込んでしまって……」
「いえいえ、そんな……俺は俺で戦うって決めてますから」
「ありがとうございます……あなたが居なかったら私は今頃生きては居なかったでしょう」
「そんな事……」
「ドライガーには……いえあなたには何度も助けられました。だから……最後まで一緒に戦って下さい」
「はい……」
そんな会話をしながら2人は決戦の舞台に向かう。
その時、無線に連絡が入る。
「こちら警ら08(マルハチ)クリーチャーの反応を感知、現場に向かいます!」
「いよいよ来たか……」
勇一が呟く。
「急ぎましょう!」
火村と勇一は若州海浜公園に急ぐ。
また、別の警ら隊からも続々と連絡が入りイナゴクリーチャーの誘導が始まった。
火村と勇一が到着すると、そこには警察の特殊部隊と自衛隊が戦闘態勢を整え構えていた。
そしていよいよ、イナゴクリーチャーを誘導して来た第1群が到着。
「勇一さん、来ましたよ!」
「行きましょう!」
火村と勇一がパトカーを降りる。
火村が『変身』
GTN-1登場。
勇一が『変身』
龍神ドライガーが『ファイヤードラゴン』で登場。
そして、警察と自衛隊もライフルを構える。
「撃て!」
牧田の指示で一斉に射撃。
ドライガーとGTN-1がイナゴクリーチャー達と戦う。
GTN-1の『Gランチャー』でイナゴクリーチャーを攻撃。
ドライガーは『ドラゴニックボンバー』を連発。
イナゴクリーチャーを全て倒す。
続いて直ぐに第2群がやって来る。
「もう来たか……」
GTN-1が呟く。
「だったら今度は……」
ドライガーは『風の宝玉』で『ストームドラゴン』にチェンジ。
『ドラゴニックヴァレット』でイナゴクリーチャー達を攻撃。
GTN-1は『Gスティック』を手に接近戦に持ち込む。
続いて第3郡が到着。
「まずい……もう次が来たか……」
GTN-1がイナゴクリーチャーと戦いながら呟く。
「そうだ!俺、一掃します!」
「え?」
そう言うとドライガーは『フォースドラゴン』にチェンジ。
『ドラゴニックドライブ』
イナゴクリーチャーを一掃する。
「凄い……本当に反動が抑えられてる……」
勇一は日菜乃の霊力に確かな手応えを感じていた。
そして、第4郡が到着。
GTN-1が『ハイパーフォーム』にチェンジ。
『Gバルカン』で攻撃。
警察と自衛隊もイナゴクリーチャーへの攻撃を続けている。
ドライガーは『フォースドラゴン』のまま『ドラゴニックランス』と『ドラゴニックアックス』を両手で持ちイナゴクリーチャー達を次々に倒して行く。
GTN-1の必殺技『Gバースト』が炸裂。
イナゴクリーチャー達を倒す。
「よし!」
続いて第5郡が到着。
「恐らくそれがラストです!他に反応ありません!」
警視庁から葛城の通信が入る。
「了解!……ドライガー次がラストのようです」
「わかりました。じゃあ、最後は……」
ドライガーは『ライトニングドラゴン』にチェンジ。
「その姿は!」
GTN-1が驚いていると、ドライガーは更に前に出てイナゴクリーチャー達を迎え撃つ。
『ライトニングソード』を手に持ち振りかぶる。
『ライトニングブレイク』
ドライガーの必殺技が発動し、イナゴクリーチャー達を倒して行く。
そして遂にイナゴクリーチャーは全滅した。
歓喜に湧く警察や自衛隊。
ドライガーとGTN-1もお互いにグータッチをする。
警視庁の指令本部では葛城と奥戸も作戦の完了を受け一息つく。
「ふぅ……やりましたね……」
と奥戸が言うと……。
「そうですね……」
そう言って葛城は立ち上がりコーヒーを淹れる。
「どうぞ」
「あっ……すみません」
葛城が奥戸にコーヒーを手渡す。
だが、その頃ルシフェルが現れる。
CSSが反応し奥戸が確認する。
「ん?まだ、生き残りが?」
「どうしました?」
葛城も近付いて確認すると……。
「クリーチャーがまた現れました……場所は……ここです」
驚愕する葛城。
「何ですって!?」
ルシフェルは暴れ出し警察官を次々に殺害して行く。
葛城は対応に急ぐ!!
続く……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます