第22話「東京隔離作戦」

東京の街にイナゴクリーチャーが大量発生した。

それぞれ戦うドライガー、GTN-1、Vソルジャーだったが……。

GTN-1は『Gブラスター』の弾丸が切れ一時戦線を離脱する。


ドライガーも別の場所で必死に戦うが、ずっと戦っている為、疲れが見え始め動きが鈍くなってくる。


そして、Vソルジャーは友也と雅紀の悲鳴が聞こえそこへ向かうと……。

「何っ!?」

友也と雅紀はイナゴクリーチャーの犠牲になっていた。

「そんな……そんな……アイツら……最後のサッカーの大会……あんなに楽しみにしてたのに……あんなに練習してたのに……」

Vソルジャーは怒りで拳を握り締める。

「ふざけるなー!!!」

Vソルジャーはイナゴクリーチャー達に怒りに身を任せて襲い掛かる。

『V-ギャリバー』で次々に斬り倒して行く。


ドライガーは『フォースドラゴン』にチェンジし、『ドラゴニックドライブ』でイナゴクリーチャー達を一掃する。

周囲のイナゴクリーチャーは全滅。


ドライガーは変身を、解除。

「ハァ……ハァ……やっ……たぜ……」

勇一はその場に倒れる。


Vソルジャーも周りに居たイナゴクリーチャーは全て倒した。

「ハァ……ハァ……クッソ……」

装着を解除し寺本の姿に戻る。


寺本は友也と雅紀に近付く。

「ごめん……ごめんな……守ってやれなくて……まただ……俺は……また守れ無かった……」

寺本は泣き崩れる。


イナゴクリーチャーの出現は一時収まっていた。

しかし、東京の街には多大な被害が出てしまった。

一体どれだけの犠牲者が出てしまったのか……。

勇一が気が付くと、辺りはすっかり暗くなっていた。

「やべっ!?会社は……?」

勇一が会社に急いで戻ると……。

「あっ、神上ー!どこ行ってたんだ!」

木嶋が声を掛けて来た。

「すみませんでした……」

「まぁいいや。でも、お前良く無事だったな」

そう言うのも木嶋の話では金光コーポレーション本社の前でもイナゴクリーチャーが暴れ回り多くの人が襲われ地獄のようだったと言う。

金光コーポレーションの本社ビルは以前にもゲシェードが現れた事で特殊な強化ガラスをドアや窓に使っていた為、イナゴクリーチャーでも破壊出来ず侵入を防げたと言う。

だが、電車やバスなどの交通機関が動かなくなり、皆家に帰れなくなっていた。

いわゆる帰宅難民状態だった。

だが、社員全員が会社に泊まる訳にもいかない。

そこで、方向が同じ者同士がグループになり集団で帰宅する事になった。

小学生の集団下校のようだ。


勇一は香織が心配になり電話を掛けた。

幸い香織は無事だったが、やはり香織も帰宅出来なくなっていた。

勇一は一度帰ってバイクで香織を迎えに行く約束をする。

そして、順番に帰宅が開始されて行く。


その頃、警視庁ではイナゴクリーチャーが再び現れた時の対策が検討されていた。

当然GTN-1だけでは手が回らない。

そこで、特殊部隊が編成され、イナゴクリーチャーを1ヵ所に集めそこでGTN-1が一掃する作戦が立案された。


だが、その頃政府は内閣総理大臣を中心に東京を封鎖し、イナゴクリーチャーを他の県に広げさせない様にする東京隔離作戦が検討されていた。

東京隔離作戦が決定すれば自衛隊も警察も政府の指示に従うしかない。


勇一も方向が同じメンバーで徒歩で帰宅する。

しかし、無事家まで帰り着けたがまだ油断は出来ない。

勇一は急いで着替えバイクで香織を迎えに行く。

しかし、その途中でまたイナゴクリーチャーに遭遇する。

勇一は『火の宝玉』で『変身』。

龍神ドライガーが『ファイヤードラゴン』の姿で登場。

ドライガーはイナゴクリーチャーと戦う。


ドライガーがイナゴクリーチャーと戦っていると、そこに数台の警察車両が現れドライガーとイナゴクリーチャーを取り囲んだ。


ドライガーが突然の事に驚いていると、その警察車両からぞろぞろと武装した警官隊が現れた。

「なっ……何だ!?」


「撃てっ!!」

一人の指示で一斉に警官隊が発砲する。


イナゴクリーチャーを倒せはしないがダメージを与える事は出来ている。

ドライガーの『ドラゴニックボンバー』でイナゴクリーチャーを倒す。


「驚かしてすまなかったな」

そう言って出て来たのは牧田だった。

「あなたは……確か牧田さん……」

そして、牧田は他の警官隊を撤退させ、ドライガーに話し掛けた。

「ドライガー……いや、勇一君だったかな?君に話があるんだ」

ドライガーは変身を解除し、勇一の姿に戻った。

そして、牧田は勇一に話始めた。

政府はイナゴクリーチャーが大量に出現している東京を隔離し、他の県にイナゴクリーチャーが移動するのを防ぐ為に警官と自衛隊を総動員し、バリケードを作る計画を進めていると言う。

そして、東京のイナゴクリーチャーを全て倒す為にドライガーの力を借りたいと言う。


もちろん、東京隔離作戦が始まるまでに一般市民は他の県に避難する事も可能だが、もうあまり時間は無い。


話が終わり勇一は香織を迎えに行く。

その道中勇一は考えていた、香織には他の県に避難して貰おうと……。


勇一は無事香織と合流し、家までバイクに乗せて帰る。


香織の家の前にバイクを止める。

「ありがとう。助かった」

香織は勇一に礼を言って家に入ろうとする。

「香織……」

勇一が声を掛け香織が振り返る。

「何?」

「東京に居たら危ない。急いで避難の準備を、するんだ」

「え……?何言ってんの?冗談でしょ?」

「いや……本気だ。いつ東京がどうなるかわからないからな」

「わかった……」

香織は納得してない感じだったが、勇一の言う事を信じる事にしたようだ。


そして翌日、国会では内閣総理大臣の会見が開かれその様子は全国に中継された。


総理大臣の橋本文夫(はしもと ふみお)氏が一礼をし、いよいよ会見が始まる。

「え~……国民の皆様も既にご存知と思いますが、現在東京を中心にクリーチャーと呼ばれる謎の生物が多くの人の命を奪っています。そして今回新たに大量のクリーチャーが東京に同時多発的に出現し、多くの被害が出ております」


総理の会見を家のテレビで見ているの者、電車やバスの車内でスマホで見ている者、会社で皆とテレビで見ている者、全く興味を持たず見ていない者。

しかし、次の総理の発言により、事態は大きく変わる。


「他の県に被害を広げない為、東京隔離作戦を実行します。警察、自衛隊と共に東京から他県に移動するルートを順次封鎖していきます。できる限り多くの方が避難出来る様に最善を尽くしますので、避難の準備をお願いします」


総理の宣言した東京隔離作戦。

それを聞いた人々は急いで東京を脱出しようと動き出した。


バスや電車から降り家に向かう者が続出。

仕事を放り出し我先にと帰宅する者まで現れ、町は大パニック。


東京隔離作戦に発令により警察も自衛隊も準備に追われる。

警察や自衛隊の家族は優先的に都外への避難を許可され、避難用の車両まで用意される。


警察が慌ただしく動く。

火村が特殊犯罪対策室に戻ってくる。

「小田さん!」

「火村、何かあったのか?」

「もう町中大パニックですよ。まったく……東京隔離作戦なんて宣言するから……」

「文句を言ってても仕方ないさ。政府の決めた事だ。それぞれの交通課が避難指示をするだろ。それより俺達対策班にはやることがあるだろ」

「はい……」

火村はイナゴクリーチャーが現れた時の為に準備をしておく。


勇一は外の様子を見にバイクで出掛ける。

そこへ、正信が走って来た。

「勇一!危険だぞ!」

「父さん……俺は大丈夫。それより父さんは早く避難の準備を……」

「わかった……。気を付けろよ」

正信が勇一を見送る。


勇一はバイクを走らせ町の様子を見に行く。


東京隔離作戦により東京の交通機関は完全に麻痺した。


当然と言えば当然だ。

こんな非常事態に電車やバスの運転手だって仕事などしていられないだろう。


しかし、この大パニックに乗じてイナゴクリーチャーが大量に現れる。


続く……。

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