邪神の復活

第21話「戦慄の午後」

7月も下旬に差し掛かったある暑い日の事……。

この日、勇一は会社で木嶋から資料作りを教わっていた。

パソコンに向かって真剣な表情で資料を作る勇一。


「そうそう、ここをこうして……」

木嶋も教え方が丁寧だ。


この日、寺本は仕事が休みで外出していた。


寺本の私服は無地の白いTシャツに迷彩柄の薄手のベストを羽織り下はダメージジーンズ。

普段の寺本からは想像がつかないラフな格好だが、ここでも迷彩柄なんだ……。


ところで寺本は何処に行くのか。

今、寺本がいるのは海の見える大きな公園の近く。

途中のカフェに立ち寄りコーヒーをテイクアウトした寺本は公園に向かった。

「あ~……あちぃな……」

そう呟いてコーヒーを一口飲む。


この海の見える大きな公園……カップル達のデートスポットで、寺本も美咲と良く来ていた。

当時はまだ大学生でデートにお金を掛けられなかった寺本と美咲は良くこの公園を散歩していた。


「美咲……。お前もこの景色を見てるか?」

寺本も美咲の事を思い出していた。

すると、寺本の足元にサッカーボールが転がって来た。


「すみませーん!」

小学生の男の子が走ってきた。

一瞬なんで小学生が居るのかと思ったが、夏休みだと気付いた。

「行くぞ」

寺本はそのサッカーボールを足ですくいあげ少しリフティングをしてから小学生に蹴り返した。

「すっげぇ~!!」

小学生は寺本の足技に感心していた。

寺本は高校までサッカー部で活躍していた。

3年の時の怪我でサッカーは辞めてしまったが、この位は朝飯前だった。


ボールを受け取った小学生は友達の方に走って行く。

「うわっー!?」

小学生の叫び声が聞こえ寺本が走って行く。

「どうした!?」

寺本が見るとそこには小学生達に迫るバッタクリーチャーが居た。


「早く逃げろ!!」

寺本が小学生達を避難させる。


寺本は『装着』。

Vソルジャー登場。


Vソルジャーがバッタクリーチャーと戦う。


その頃、勇一もクリーチャーの気配を感じ仕事を抜け出して現場に向かっていた。


Vソルジャーが戦うが、バッタクリーチャーはジャンプ力が高くジャンプからの飛び蹴りに苦戦する。


「クソッ……」

Vソルジャーは『V-リボルバー』で攻撃。

しかし、バッタクリーチャーは再び高くジャンプし、攻撃をかわす。

「チッ……」


そこへ、勇一が到着。

勇一は『風の宝玉』で『変身』。

龍神ドライガーが『ストームドラゴン』で登場。

ドライガーは空へ飛んでバッタクリーチャーに攻撃。

バッタクリーチャーを叩き落とした。

「よし!」

Vソルジャーは『V-ガトリンガー』でバッタクリーチャーを攻撃。

バッタクリーチャーは倒された。

ドライガーは変身解除、Vソルジャーも装着を解除した。

「やりましたね」

「ああ……」

「あっ、そういえば、俺がサソリの奴にやられた時助けてくれたのにまだちゃんとお礼言って無かったですね」

「ああ、気にするな」

「あっ!すみません、俺仕事残ってるんで……じゃあ!」

そう言って勇一は走って帰って行った。


寺本は勇一を少し笑いながら見送った。


その頃、ルシフェルとアスモデウスは……。

「おい、アスモデウス!あっと言う間にやられたぞ……あの程度の雑魚じゃ龍神達の相手にならないだろ!」

「いいえ……まだまだこれからです……」

アスモデウスはまだ何か企んでいるようだ。


正午を回った頃、寺本は公園の近くのファーストフード店に立ち寄った。

ハンバーガーとポテト、そしてアイスコーヒーを注文し、席まで持っていくと……。

「あっ!さっきのお兄ちゃん!」

声のした方を見ると、さっきのサッカーをしていた男の子がこちらを指差していた。

「ああ、さっきの……。大丈夫だったか?」

「うん、さっきは怖かったけど、助けてくれてありがとう!」

さっきクリーチャーに襲われたばかりなのに、子ども達は心にも傷を受けていないようで寺本は安心した。

すると、もう一人の男の子が寺本に話し掛けた。

「ねぇ、お兄ちゃん。サッカー上手いね」

「ん?ああ……昔やってたからな」

「じゃあ、僕達にサッカー教えてよ!」

「え?」

聞くと、この少年達は地元の少年サッカークラブに入っており、6年生なので、夏の最後の大会が近いと言う。

レギュラーを勝ち取る為に2人で練習をしていたらしい。

寺本はこれも何かの縁と思い少年達にサッカーを教える事に。


ハンバーガーを食べ終え再びさっきの公園に戻った寺本と子ども達。

2人の少年、友也と雅紀にサッカーを教え始める寺本。

寺本自身も久しぶりにサッカーに触れ楽しんでいた。


その頃、火村は小田、川島と共に守から得た謎の組織の情報を共有していた。

「う~ん……そんな奴らがいるとは信じられんな……。世界征服を企む悪の秘密結社ってか……」

「まだ、目的はわからないそうですが、現に重要参考人になるはずだった男も殺されてますし……」

「もしかしたら……我々の知らない所でとんでもない事が起きてるのかも知れないな……」

そう、火村と小田が話して居ると。

「出来た!」

川島が急に声を上げた。

「川島?どうした?」

小田が近づくと……。

「あっ、ハイパーチェンジャーのデータをパソコンに入力してたんですよ。共有出来た方がいいと思って」

そう言って川島は『ハイパーチェンジャー』を火村に返す。

次の瞬間、CSSが作動。

クリーチャーの出現を感知した。

「クリーチャーか……。火村出動だ」

「了解」

「待って下さい!1ヵ所じゃありません!」

それは衝撃的な報告だった。

今まで、クリーチャーの出現の際に現場に向かう途中でルシフェルに邪魔をされた事を含めれば2ヵ所でクリーチャーが出現したことはあったが、今回はそれどころでは無かった。

何ヵ所にも同時多発的にクリーチャーが出現した。

「こんな事……今までありませんでしたよね……。どうします?」

「3人で手分けしてもこの数は相当ですね……。とにかく一番近い所から行きます」

火村が出動する。


勇一も気配をあちこちで感じている。

「なんだ……なんでこんなに……」

外の様子に会社でも騒ぎになっている。

勇一はまた、会社を抜け出す。


寺本も友也と雅紀を避難させる。

「よし……」

そして、寺本も戦いに向かう。


火村が最初の現場に到着。

そこにはまたしてもバッタ……いや、イナゴクリーチャーが人々を襲っていた。

火村は『変身』。

GTN-1登場。


GTN-1は『Gブラスター』でイナゴクリーチャーを攻撃。

一体は大して強くなく直ぐに倒せた。

しかし、また直ぐに別のイナゴクリーチャーが現れる。


勇一も現場に到着。

勇一は『火の宝玉』で『変身』。

龍神ドライガー『ファイヤードラゴン』で登場。

ドライガーがイナゴクリーチャーに攻撃する。

しかし、次から次に現れる。

「クソッ……どんだけ居るんだ……」


公園の方では寺本が『装着』し、Vソルジャーがイナゴクリーチャーと戦う。


GTN-1の『Gランチャー』でイナゴクリーチャーを倒す。

しかし、また直ぐに別の個体が現れる。

「くっ……これじゃあキリがない……」


ドライガーの『ドラゴニックボンバー』でイナゴクリーチャーを一体倒す。


だが、また直ぐに次のイナゴクリーチャーが現れる。

「あーもう!しつこい!!」


Vソルジャーも『V-ガトリンガー』でイナゴクリーチャーを一体倒す。

しかし、更に2体のイナゴクリーチャーが現れる。

「コイツら……どんだけいるんだ……」


更に3人の手の届かない範囲では人々がどんどん襲われて行く。

警察と自衛隊もそれぞれ戦うが、犠牲者は増える一方だった。


GTN-1は『Gブラスター』の弾丸が切れてしまった。

「火村、このままじゃまずい、一旦体制を立て直すぞ!戻って来い」

小田が火村に指示を出す。

「くっ……了解……」


Vソルジャーも『V-ガトリンガー』の弾丸が切れてしまった。

「くっ……一度引くか……」


しかし、その時、友也と雅紀の悲鳴が聞こえた。

「まさか!」

Vソルジャーは声のした方に急ぐ。


そこでVソルジャーが見た物とは……?


続く……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る