第17話「ハイパーフォーム」

日本に帰ってきた超戦士グレイザーこと、桐崎守。


彼はルシフェルの猛攻に苦戦するGTN-1とドライガーの前に現れ協力し、ルシフェルを撃退した。


戦いの後、勇一は帰って行き、守は火村に藤波博士の研究室に来る様に言って帰って行った。


火村は一度警視庁に戻りグレイザーに助けられた事を報告した。

「グレイザーが!?」

小田はそれを聞いて驚いていた。

そしてその頃、山田の捜査の方にも進展があったようだ。

新たな目撃情報が出て牧田達捜査一課が捜査を進めているらしい。


その頃、木嶋と一緒に会社に戻った勇一は佐武課長から叱られていた。

当然と言えば当然だ。

事情を知らない課長や木嶋達にとっては仕事を放ってどこかへ行ってしまったのだから。


そして、火村は小田、葛城と共に藤波博士の研究室に向かう。

研究室には守も居た。

「やぁ、守君、久しぶり!」

「あっ!葛城さん!お久しぶりです!」

久々の再会を喜ぶ守と葛城。


そして、小田、火村も改めて挨拶。

早速藤波博士は守から預かっていた装置を火村に渡す。

「これは?」

火村が尋ねると、守が答えた。

「それはグレイザーをパワーアップさせる為に作ったアイテムです。本来は僕が自分で使う予定でしたが、日本がまた大変な事になってると知って、グレイザーの後継機であるGTN-1に使って貰った方がいいと思って」


守はいつのまにか、グレイザーを自分でパワーアップさせられるまでに成っていた。

更に自分が使うつもりだったこのアイテムはGTN-1用に改良も加えられていた。


だが、藤波博士は口を開く。

「守君、わざわざそれを渡す為に日本に帰ってきた訳じゃないだろ?警察の人達も居るんだ。そろそろ話してくれないか?」

「ええ……そうですね……」

守が日本に帰ってきた本当の理由とは……?


夕方、勇一は肩を落として帰っていた。

駅から家に向かってる途中で香織と会った。

香織はいつもの調子で後ろから勇一の背中を叩いた。

「痛っ!?なにすんだよー……」

「何か元気ないじゃんどうしたの?」


勇一は香織にクリーチャーが現れて戦いに行ったが、仕事を放って来たので、上司に怒られた事を話した。

その事は香織も心配していた。

いつ現れるかわからないクリーチャーとの戦いをしながら仕事をするのは厳しいのではないかと思っていたようだ。

しかし、そこを頑張るのも勇一の良いところだと、香織はわかっていた。

香織は勇一を元気付けた。

家に到着し、別れる勇一と香織。

「じゃあ、元気出しなよ」

「ああ、ありがとう」

そう言ってそれぞれ家に帰って行く。


その頃、火村と小田も警視庁に戻っていた。

そして、川島も交え話し合いをしていた。

GTN-1の強化について。

川島もGTN-1のシステム担当として強化には賛成だった。

そして、守が帰ってきた理由、それは川島にも話した。

-翌日-


今日も勇一は仕事に出掛ける。


会社に着くと、木嶋が今朝の新聞を持って話し掛けて来た。

「おはよ。今朝の新聞見たか?」

「おはようございます。いえ、見てませんけど……」

木嶋は勇一の今朝の新聞のある記事を見せた。

新聞の見出しには大きく「グレイザー帰還」と書いてあり、昨日のルシフェルと戦っているグレイザーとドライガーの写真が載っていた。

「これは?」

「グレイザーだよ、グレイザー!!久しぶりにコイツが現れたんだよ!」

木嶋は興奮気味にそう言った。

「はぁ……それはわかりますけど……何でそんなにテンション高いんですか?」

すると、木嶋は……。

「だってグレイザーだぜ!世界を救ったヒーローだぜ?ソイツがまた現れたんだ。これでクリーチャーとか言う怪物も大人しくなるだろう」


どうやらグレイザーの帰還は人々に希望を与えていたようだ。

かつて世界を救ったヒーロー。

その肩書きは伊達じゃないと勇一は思った。

勇一自身も昨日グレイザーに助けられグレイザーの強さを目の当たりにしたから余計にそう思ったのかも知れない。


さらにグレイザーはかつてこの金光コーポレーションの本社ビルの屋上で戦った事がある。

それを知っている社員達が盛り上がるのにも納得が行く。


勇一は今日も木嶋に付いて色々と仕事を教わる。

そんな、金光コーポレーションの機械製品を製造する開発課の松永専務の元にある人物が訪れていた。

それは黒いスーツに身を包んだ大柄の怪しげな男。


「専務さんよ……我々に協力するならあんたの安全も家族の安全も保証するつってんだ。さっさと、協力を承諾しな」

松永専務を脅迫するこの男の目的は何か?


そしてその頃、火村もまた山田の捜索をしていた。

火村は今日は山田が以前住んでいたアパートを張っていた。

そこへ、牧田がやって来て火村のパトカーの窓をノックした。

火村はドアを開け牧田が乗ってくる。

「どうだ?何か動きはあったか?」

牧田が尋ねる。

「いえ……特に何も……牧田さんの方はどうですか?」

火村が聞き返す。

「街中の防犯カメラを調べてるが、今の所どこにも映ってないな」

牧田の方も特に新たな情報はなかった。

更に牧田は続ける。

「しかし信じられんよ。あの状況で山田だけ生き残ってたなんてな」

「ええ……僕もです。他の警察官3名は殺害されたのに山田だけが生き残り今も逃走しているなんて……」

その時、無線でクリーチャー出現の連絡が入った。

「またか……火村、頑張って来いよ」

そう言って牧田は車を降りる。

火村は現場に向かう。


勇一も気配を感じた。

しかし仕事中……また抜け出すしかなかった。

「木嶋さんすみません、俺ちょっと……」

勇一は現場に向かう。


現れたのはハチの姿をしたキラービークリーチャー。

大きな公園でジョギングをする中年の男性を狙っていた。

男性に向かって毒針を発射。

毒針を打ち込まれた男性はすぐに倒れ苦しみ出す。

男性は死亡。

それを目撃した公園で遊ぶ親子は慌てて逃げる。

しかし、キラービークリーチャーはその親子にも狙いを定める。

毒針を発射し、まずは母親を殺害。

男の子が倒れた母親に声を掛ける。

キラービークリーチャーはその男の子に迫る。


現場の場所まで遠い勇一は『風の宝玉』で『変身』。

龍神ドライガーが『ストームドラゴン』で登場。

風の力で空を飛び現場に急ぐ。


男の子は恐怖で大泣きしている。

そんな男の子にもキラービークリーチャーは毒針を向ける。

到着したドライガーが空から『ドラゴニックヴァレル』で攻撃。

キラービークリーチャーを男の子から離した。

ドライガーは着地し、男の子に逃げる様に促す。

しかし、男の子は大泣きしたままだ。

ドライガーはこの時思った。

自分が居るだけで人々が安心出来るヒーローになりたいと。


そこに火村も到着。

ドライガーは火村に声を掛けた。

「その子を、お願いします!」

火村はドライガーの声を聞き、男の子を安全な場所に連れて行く。

火村は男の子をパトカーの後部座席に乗せる。

「ここで待っててね」

そう言うと火村は戻って行った。


ドライガーがキラービークリーチャーと戦っていた。

ドライガーは『ドラゴニックヴァレル』で距離を取って戦う。

火村も『変身』。

GTN-1登場。

『Gブラスター』でキラービークリーチャーを攻撃。

しかし、キラービークリーチャーは中々手強い。

2人で戦っていても遠距離からの毒針攻撃に苦戦していた。


そこへ守がバイクでやって来た。

火村が気づく。

「あっ、守さん!」

勇一も気付く。

「あの人は……」


守は『グレイアクセラー』で『変身』。

超戦士グレイザー登場。

「火村さん、藤波博士から渡されたアイテム使ってみて下さい。僕の自信作です」

守は火村にアドバイス。

「わかりました!」

火村は守が作ったアイテム『ハイパーチェンジャー』を『Gアクセラー』に取り付けスイッチを押す。

すると、GTN-1の頭上にいくつかに別れたパーツが出現し、それがGTN-1の体に装着される。

胸、肘、膝、頭部に黒いプロテクターが装備され更に専用武器『Gバルカン』が出現した。

GTN-1のパワーアップ形態『ハイパーフォーム』となった。

GTN-1が『Gバルカン』をキラービークリーチャーに向けて構える。


続く……。

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