ヒーロー共闘
第16話「帰って来た男」
7月……暑さが増して来た初夏のこの日、勇一はいよいよ金光コーポレーションへの初出勤の日だ。
朝から準備をし、きちんと身だしなみを整えた勇一は会社へ向かう。
家の前で香織に会う勇一。
「おはよ!あ~今日初出勤かぁ~なかなかさまになってるじゃん」
「おう!ようやく決まった仕事だからな。頑張ってくるぜ!」
勇一と香織は駅へ向かい歩いて行く。
その頃……。
-羽田空港国際線ターミナル-
1人の男が日本に到着した。
「やっと帰って来たな……。さてと……」
その男は駅の方に向かって行った。
そして、金光コーポレーション本社に到着した勇一は……。
オフィスに案内される。
勇一が配属されるのは営業部。
しかし、一口に営業部と言っても様々な物を取り扱っている金光コーポレーションは扱う製品毎に部署も違い営業部がいくつもある。
会社の中も当然広く迷ってしまいそうだ。
勇一は機械製品を扱う部署の営業部に案内された。
勇一の直属の上司になる営業部二課の課長佐武(さたけ)課長。
そして、佐武課長に紹介され、勇一は営業二課の一員となった。
一通り挨拶を済ませ、勇一に仕事を教えてくれる教育係の木嶋と行動を共にする事になった。
早速、木嶋に付いて仕事を教わる勇一。
その頃、藤波博士の家にある人物が訪れていた。
チャイムを鳴らし、藤波博士が出てきた。
「おお、着いたか!」
藤波博士の家にやって来たのは桐崎守(きりさき まもる)(23歳)
3年前、人類に牙を剥いたゲシェードと戦い抜いた超戦士グレイザーだ。
「博士、コレお土産です。使ってみて下さい」
そう言って藤波博士にある装置を渡した。
「ん?これは?」
「きっと役に立つと思いますよ」
そんな事を言いながら守は中に入った。
「博士、ちょっとまだ時差ボケでしんどいんで、仮眠取らせて貰っていいですか?」
「ああ、別に構わんが……」
そう言って守は奥の部屋で仮眠を取らせて貰う事に。
その間、藤波博士は守から渡された装置を分析してみる。
「こっ……これは……。守君……これを1人で作ったと言うのか……」
博士は装置を調べて驚愕した。
守はゲシェードとの最終決戦後、アメリカに留学したが、大学卒業後に再びアメリカに渡っていた。
アメリカでの研究成果は守を大きく成長させているようだった。
その頃、勇一は木嶋に連れられ外回りをしていた。
いくつかの取引先を回り色々と教えて貰っていた。
その頃、前回の傷が回復したルシフェルが再び動き出していた。
「行くのか、ルシフェル……」
アスモデウスが声を掛ける。
「ああ……そろそろ暴れたいし、あのお巡りと戦うのも楽しくなって来てな……」
ルシフェルは答える。
「私の邪神獣を人間達に向けて放った。こちらの邪魔はするなよ」
とアスモデウスは忠告。
「ああ、わかったよ……」
ルシフェルも出ていく。
そして、アスモデウスが放った邪神獣、象の姿をしたエレファントクリーチャーが街に現れていた。
エレファントクリーチャーはその強力なパワーで人間に体当たり。
それを喰らったら人間はひとたまりもない。
次々に被害者が出る。
勇一はクリーチャーの気配を感じた。
「先輩、すみません、俺ちょっと……」
勇一は現場に向かった。
「あっ!おい、神上君!?」
仕事中先輩を置いて行く勇一、これはまずいのでは……?
その頃、警察でもエレファントクリーチャーの反応を察知し、火村が出動していた。
エレファントクリーチャーが人々を襲っているのはオフィス街、勇一の居場所に近かった。
勇一はエレファントクリーチャーの前に立ちはだかる。
エレファントクリーチャーは今度は勇一にターゲットを絞り突進してくる。
勇一はエレファントクリーチャーの突進を喰らいダメージを受ける。
勇一は変身しようとするが、エレファントクリーチャーは更に突進してくる。
勇一は変身を邪魔され中々変身が出来ない。
このままではまずいと、勇一はエレファントクリーチャーに蹴りを入れる。
一瞬の隙を作り『火の宝玉』を取り出す勇一。
勇一は『変身』。
龍神ドライガーが『ファイヤードラゴン』の姿で登場。
エレファントクリーチャーは更に突進。
パワーでドライガーを攻め続ける。
ドライガーはエレファントクリーチャーのパワー攻撃に大苦戦。
そこで、ドライガーは『土の宝玉』で『グランドドラゴン』にチェンジ。
ドライガーもパワーで対抗する。
その頃、現場に向かう火村の前にルシフェルが現れる。
「また、お前か……しつこい奴だ……」
だが、火村は躊躇していた。
今戦っても勝てない事がわかっているからだ……。
だが、1人の警察官として市民を脅かす存在を見逃す事は出来なかった。
火村は『変身』。
GTN-1登場。
ルシフェルが襲い掛かる。
ルシフェルの猛攻に苦戦するGTN-1。
その頃、ドライガーも戦い続けていた。
エレファントクリーチャーが再び突進してくる。
ドライガーは『ドラゴニックウォール』。
両腕を地面に叩き付ける事で地面から岩の壁を出現させる。
エレファントクリーチャーはそのまま壁に向かって突進。
壁に激突し、エレファントクリーチャーはダメージを受けてフラフラする。
ドライガーは『ドラゴニックアックス』で必殺技『ドラゴニックブレイク』を炸裂させる。
エレファントクリーチャーは倒された。
しかし、また別の場所でクリーチャーの気配を察知。
ドライガーはその方に向かう。
その頃、GTN-1はルシフェルによって追い詰められていた。
「ぐっ……やっぱり……勝てない……のか……?」
ルシフェルがGTN-1にトドメを刺そうと迫る。
「フッフッフッフッ……死ねぇ……」
そこへ、ドライガーが到着。
「アイツは……」
ドライガーは『火の宝玉』で『ファイヤードラゴン』にチェンジ。
ルシフェルに攻撃を仕掛ける。
「ハァ……ハァ……ドライガー……」
GTN-1は息を切らせながら呟く。
ドライガーがルシフェルと戦うが、エレファントクリーチャーとの戦いのダメージもあり、ルシフェルに苦戦する。
次第にドライガーも追い詰められる。
「このままじゃまずい……」
ドライガーがそう呟く。
するとそこに一台のバイクが到着。
「誰だ……?」
ドライガーがバイクの方を見ると……。
ヘルメットを外して守が登場。
守はゲシェードとの戦いの後、本当にバイクの免許を取得していた。
そして、守がバイクから降りる。
「何だお前は!?」
ルシフェルが尋ねると……。
「ヒーローさ」
守は答える。
そして守は、『グレイアクセラー』で『変身』。
超戦士グレイザー登場。
「何っ!?」
ドライガーは驚いた。
「グレイザー……」
GTN-1も驚いていた。
それもそのはずだ。
今、自分達の前にかつて世界を救ったヒーローが居るのだから。
グレイザーはルシフェルに攻撃を仕掛ける。
ルシフェルも応戦する。
グレイザーはルシフェルを圧倒していた。
「ぐっ……バカな!?俺が押されてる……だと!?」
ルシフェルも驚くグレイザーの強さ。
「立つんだ!今コイツらと戦ってるヒーローはあなた達だろ?あなた達が諦めたらそれで全てが終わるんだぞ!」
グレイザーはヒーローの先輩としての声援をドライガーとGTN-1に送った。
その言葉にドライガーとGTN-1は己を奮い立たせる。
「うおぉぉぉぉ!!」
ドライガーは気合いを入れ直し必殺技『ドラゴニックボンバー』をルシフェルに叩き込む。
ルシフェルにダメージを与えた。
続いてGTN-1は『Gランチャー』をルシフェルを撃つ。
ルシフェルは更にダメージを受けた。
「ぐぁっ!?ぐっ……ふざけるなよ……こんな、ところで……負けてたまるか……」
ルシフェルは姿を消した。
ルシフェルを追い払うとドライガーは去っていった。
変身を解除し、勇一の姿に戻る。
しかし、かなりダメージを受けている。
勇一は木嶋と合流しようと帰っていく。
「あなたが……グレイザー」
GTN-1が声を掛けた。
「ええ、間に合って良かったです。あっ、警視庁の火村さんですよね?」
そう守に聞かれGTN-1は変身を解除して答える。
「ええ、そうですが……」
すると守は更に……。
「後で藤波博士の研究室に来てください。お土産があるんで」
そう言って守は帰って行った。
続く……。
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