第15話「復活の時」

勇一の様態は急変した。

毒が全身に巡り危険な状態に陥っていた。


スコーピオンクリーチャーを倒した寺本が毒針を持って病院へ急ぐ。


しかし、寺本の車の前にルシフェルが現れる。

ルシフェルは寺本の足止めに来た様だ。


「クソッ……こっちは急いでるってのに……」

寺本は車を降りルシフェルの前に立つ。

寺本は『Vコマンダー』で『装着』。

Vソルジャー登場。


Vソルジャーは『V-リボルバー』でルシフェルに攻撃。

しかし、ルシフェルは構わず突進してくる。

Vソルジャーはその突進をまともに受けダメージを受ける。

だが……。

「お前に……ここで負ける訳には……行かないんだよ!!」

Vソルジャーがルシフェルを掴みそのまま投げ飛ばす。

ルシフェルは近くに止めてあった車に激突。

その衝撃で車からオイルが漏れる。

「トドメだ!!」

『V-ガトリンガー』でルシフェルを撃つ。

オイルに引火し大爆発。

ルシフェルは爆発に巻き込まれた。


Vソルジャーは装着を解除。

寺本が車に戻る。

寺本が車を走らせその場を去る。

しかし、寺本もルシフェルの突進でかなりのダメージを受けていた。


その後ルシフェルは炎の中から脱出。

「クソッ……覚えて居ろよ……」


病院では勇一は苦しみながらも毒と戦っていた。

「勇一……」

正信が心配そうに勇一の様子を見ている。

するとそこに日菜乃が戻って来た。

「おじさん……今寺本さんから電話があって、クリーチャーの毒針を手に入れたって。だから……きっと大丈夫」

そう正信に伝え勇気付けた。


それからすぐに寺本は到着。

毒針が届けられ早速成分を分析し血清作りが始められる。


寺本は病院の待合室のソファーに座る。

「寺本さん……ありがとう」

日菜乃が寺本にお礼を言う。

「ああ……クリーチャーによる悲しみを生まない為には彼が必要だろうからな……。さすがに疲れた……俺は少し休む」

そう言って寺本は眠りについた。

日菜乃も寺本をそっとしておこうとその場を離れた。


数時間後、血清が完成し、早速勇一に打たれた。

勇一の容態も安定しようやく一安心。


その頃すっかり眠ってしまった寺本も目を覚まし起き上がる。

すると、胸に激痛が走った。

おそらく肋骨が折れているのだろう。

寺本はそう思った。

しかし、寺本はそのまま帰ってしまった。


翌朝、勇一が目を覚ました。

すると、そこには香織が居た。

「香織……何でここに?」

「何でっておじさんから電話貰って心配だったから来たんでしょ!まぁ、私が仕事終わって来た頃には容態は安定してたみたいだし、面会時間の過ぎてたから昨日はそのまま帰ったけど……」

「そっか……ごめんな……。ん?父さんは?」

正信は帰っていた。

疲れてしまうだろうと香織が気を利かせて勇一の様子を見るのを交代していた。


香織は正信から預かって来た勇一の着替えを渡した。

「勇一、私仕事だからそろそろ行くけど、何かあったら連絡して、出来る事があれば手伝うから」

「ありがとう。助かるよ」

香織は病室を出ていった。


勇一は考えていた。

夢の中で龍達に言われた事を。

そして、勇一は病室を出て家に電話を掛ける。


しかし、正信は寝ているのか電話に出ない。

日菜乃にも電話しようと思ったが、既に学校が始まっている時間で電話を掛けるのは止めた。


その頃、火村は少しでもクリーチャーとまともに戦える様にとトレーニングをしていた。

トレーニング中の火村の元に小田がやって来た。

「火村、ここに居たか」

「あっ、小田さん。どうしました?」

「ああ、お前にちょっと見て欲しい物があってな」

そう言って小田は火村にパソコンである映像を見せた。


それは監視カメラに映った山田らしき人物の映像。

「これは……」

「ああ……山田が生きてる可能性が出てきた」

「この事、川島は?」

「いや、まだ言ってない。どう切り出すべきか迷っててな」


山田、つまりルシフェルの正体は連行中にクリーチャーに襲われ殺害されたと警察は思っている。

だが、ルシフェルとしては遭遇していても山田の生死を確認出来ていなかった警察にとっては大きな手掛かりとなるだろう。

「小田さん、自分に調べさせて貰えませんか?」

「ああ、それは構わないが……よし、捜査一課の牧田さんに相談しておく。ただ、川島には悟られない様にな」

「はい」


火村は山田の事を調べる事に。


その日の夕方、勇一は日菜乃の学校が終わった頃を見計らって日菜乃に連絡。

『フォースドラゴン』の姿で反動を抑えられるかを相談した。

日菜乃もその話は父から聞いているが、相当な霊力が必要な為、出来るかどうかはわからないと言う。

とりあえず、勇一と日菜乃は会って試してみることにした。


待ち合わせた勇一と日菜乃は人目につかない場所へ移動し、勇一は『変身』。

フォースドラゴンの姿でドライガーになる。


そして、日菜乃が自分の霊力を引き出しドライガーに与える。

しかし、やはり日菜乃の霊力では力を抑える事は出来なかった。

勇一は変身を解除。

フォースドラゴンの反動は病み上がりの勇一には以前よりキツかった。


その頃、火村は牧田と一緒に山田が監視カメラに映ったエリアで聞き込みをしていた。


しかし、有力な手掛かりは得られなかった。

すると、近くで女性が何者かに襲われた。

悲鳴を聞き向かうとそこにはピラニアの姿をしたピラニアクリーチャーが居た。

「コイツ!?」

火村はピラニアクリーチャーに挑み掛かり女性から遠ざけた。


牧田が女性を避難させる。


火村は『変身』。

GTN-1登場。

ピラニアクリーチャーと戦う。


その頃、勇一と日菜乃も気配を感じ現場に向かっていた。


GTN-1が『Gブラスター』でピラニアクリーチャーを攻撃。

ピラニアクリーチャーは素早く攻撃をかわし、反撃。

GTN-1はダメージを受ける。

接近戦に持ち込まれピラニアクリーチャーが噛み付こうとする。

「お前達に……人の命を……奪わせはしない!!」

GTN-1は気合いの一撃でピラニアクリーチャーをはね除ける。

そこに勇一と日菜乃も到着。

勇一は『火の宝玉』を掲げ『変身』。

龍神ドライガーが『ファイヤードラゴン』で登場。

ドライガーが戦いに加わる。

しかし、さっきのフォースドラゴンの反動で受けたダメージが残っており、いつもより攻撃力が下がっている。

ピラニアクリーチャーがドライガーに噛み付く。

「痛ってててっ、!?止めろってコノヤロ!!」

GTN-1がピラニアクリーチャーを攻撃し、ドライガーから引き剥がす。

GTN-1が『Gブラスター』でピラニアクリーチャーを撃つ。

ドライガーの必殺技『ドラゴニックボンバー』が炸裂。

更にGTN-1の『Gランチャー』も炸裂。

2人の必殺技を喰らいピラニアクリーチャーは倒された。

協力しクリーチャーを倒したドライガーとGTN-1がお互いに顔を見合わせる。

ドライガーはGTN-1に向けて親指を立てサムズアップのポーズ。

GTN-1はそれに敬礼で返した。


その次の日……。

日菜乃は竜の巫女として霊力を上げる為、しばらく修行に入ると言う。

学校に休学届けまでだし、どうやら本気の様だ。

「じゃあ、勇一。修行を重ねて霊力を高めてくるから少しの間待っててね」

「ああ、よろしくな。それまで俺も奴らに負けない」

日菜乃は父親と一緒に帰って修行を始めるらしい。

そして、勇一は『フォースドラゴン』の力に耐える精神力を身に付ける為、こちらも努力が必要だ。

日菜乃と父親の篤史は帰って行く。

日菜乃にとってここからが本当の竜の巫女の修行だ。

姉の美咲に意思を継ぎ竜の巫女として成長する為に日菜乃は今まで以上の厳しい修行をする事になる。

寺本も修行に向かう日菜乃を見守っていた。


そして、いよいよ勇一も仕事に就く日が近付いていた。


続く……。

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