第12話「龍の巫女」

勇一達の同窓会中バットクリーチャーが現れ勇一はクラスメイト達の前で変身出来ずピンチに陥った。

そこに現れたVソルジャーの援護のお陰でピンチを脱した勇一はドライガーに変身し、バットクリーチャーと戦う。


一方通報を受けて現場に向かう火村達の前にはルシフェルが怪人体で現れGTN-1と戦闘になる。

しかし、ルシフェルはやはり手強い。

GTN-1の今の力では太刀打ち出来ない。

ルシフェルの攻撃でダメージを受けるGTN-1。

壁に叩き付けられるGTN-1。

「クソッ……このままじゃ……やられる……」

GTN-1は『Gスティック』でルシフェルを殴打。

ルシフェルから離れて体勢を立て直す。

そして『Gランチャー』を構えルシフェルを狙う。

しかし、ルシフェルは姿を消していた。

「何処に言った……」

辺りを警戒するが、潜んでる気配はない。


一方、ドライガーとVソルジャーはバットクリーチャーを追い詰めていた。

「トドメだ!」

『ドラゴニックボンバー』

必殺技を繰り出すが、バットクリーチャーは逃亡。

「何っ!?」

「チッ……」

Vソルジャーは舌打ちをして去っていく。

「あっ、ありがとう。助かったよ」

「あ?お前を助けた覚えはない」

そう言ってVソルジャーは『装着解除』

寺本は去っていく。

「あっ、そうか……ドライガーの姿しかアイツは見てないんだな……」

ドライガーも変身を解除し、勇一が避難した友人達に連絡を取る。


しかし、あんな事があった為、本日はお開きと言う事になってしまった。

勇一も帰宅する。


その頃、奥戸は誰かに電話をしていた。

「はい、そうです。クリーチャーの襲撃を受けてしまいました。例のシステムの完成を急いだ方がいいですね。ご協力よろしくお願いいたします。はい、では失礼します」

電話を切る。

奥戸の言う例のシステムとは何か……。


-翌日-


勇一は仕事に就く前に必要な物を買い揃える為、朝から買い物に行く準備をしていた。

そこに正信が話し掛ける。

「勇一、今日はあまり遅くなるなよ?夜お客さんが来るんだからな」

「お客さん?」

「ああ、龍の巫女様だ」

「え?龍の巫女?」

とうとう龍の巫女が現れる。

どんな人なのか、気になる所だが、勇一は買い物に出掛けて行った。


-警視庁-


火村はルシフェルの強さに悩んでいた。

今の自分では太刀打ち出来ないと……。

そこへ、葛城がやって来た。

葛城は考え込んでいる火村に声をかけた。

「火村君、どうした?」

「あっ、葛城警視、お疲れ様です。いや、ちょっと……」

火村は葛城に気付き悩みを打ち明けた。

「僕は、GTN-1の力を引き出せて無いのかなって思って……」

火村はGTN-1に変身しながらもクリーチャーを倒す事が出来ない自分が不甲斐なく思えていた。

葛城も以前藤波博士にGTN-1のパワーアップを相談した事があったが、これ以上のパワーアップは望めなかった。

「それは、火村君のせいじゃないさ……君は良くやってくれてるよ」

葛城はそう声を掛けるしかなかった。


その日の夕方、買い物を終えた勇一が帰って来ると、途中で香織と会った。

勇一が声を掛けると……。

「あっ、勇一!どうしたの?あっ、もしかしてまた戦いに?」

香織は少し心配そうに言ったが……。

「違う違う。ただの買い物だよ。あっ、香織に言って無かったか、俺金光コーポレーションで仕事が決まったんだよ!」

「本当に!凄いじゃない!あっ、じゃあ勇一の就職祝いしなきゃね!今日とか空いてる?」

香織はそう言ってくれたが……。

「あー……ごめん。今日はうちにお客さん来るみたいなんだ」

「お客さん?」

「うん、何か昔龍神に協力して戦ってた一族の人らしい」

「ふ~ん、じゃあしょうがないまた今度ね」

そんな会話をしながら到着した。

2人は別れ家に帰っていった。


勇一が帰ると正信はお迎えの準備をしていた。

「うわっ!?なんだよこれ……なんでこんなに気合い入れて飯作ってんだ?」

正信は凄いご馳走を作っていた為勇一はビックリ。

「ああ、お帰り。いや~龍の巫女様となればそれなりのお迎えをしないとな」

正信の気合いの入れように勇一は困惑していた。


そして、夜。

勇一も少し緊張しながら待って居ると遂に龍の巫女とその家族がやって来た。

龍の巫女と呼ばれる女性は長い黒髪に白い着物、赤い袴とまさに巫女と言う出で立ちをした美女だった。


お互いに自己紹介をする勇一達と、龍の巫女一族。

龍の巫女は本名を九条日菜乃(くじょう ひなの)(18歳)

そして日菜乃は勇一にある神器を渡す。

それは『龍の鉤爪』と呼ばれる腕に装着するアイテム。

勇一は例によって……。

「じゃあ……ドラゴニッククロー!」

相変わらずの横文字命名。

すると……。

「いいねそれ!ちょーネーミングセンスあんじゃん!」

え?

勇一と、正信はそう思ったが……。


日菜乃の父、九条篤史(くじょう あつし)は呆れていた。

すると、日菜乃は黒髪を取った。

カツラでした。

日菜乃の本来の髪はまさかの金髪。

そして、着物と袴を脱ぎ始め、ダサめの絵柄のTシャツにダメージジーンズの短パン姿になった。

勇一も正信のこれには唖然とした。

日菜乃はめっちゃ現代風のギャルだった。

「ねぇ、パパもう、用事済んだんだからいいしょ?」

「あ……ああ……」

「んじゃ勇一、折角だから写メ撮らしてよ。それ持ってたらめっちゃ映えそうじゃん」

そう言って『ドラゴニッククロー』を持ったままの勇一をスマホで撮りだした。

勇一も何がなんだかわからずされるがままだった。

日菜乃は今撮った写真をSNSにアップする。

「コレ絶対バズるっしょ」

いや、それはダメだ!!

大人が全員で止める。

その時、勇一がクリーチャーの気配を感じた。

どうやら日菜乃も気づいているらしい。

日菜乃もこんな風貌だが、龍の巫女としての霊力は、高く邪神や、その手下の気配を感じ取る能力を持っていた。


勇一は現場に急ぐ。

「パパ、ウチも行ってくる!!」

日菜乃も勇一を追いかける。


勇一が現場に着くとそこにはシマウマの姿をしたゼブラクリーチャーが居た。

ゼブラクリーチャーは町の若者達を襲っていた。

勇一は『変身』。

龍神ドライガーが『ファイヤードラゴン』の姿で登場。

ドライガーがゼブラクリーチャーと戦う。

そこへ日菜乃が追い付く。

「勇一!龍の鉤爪使って見て!」

と日菜乃が叫ぶ。

「なっ!?本名で呼ぶな!!」

ドライガーはゼブラクリーチャーを蹴り飛ばし距離を取る。

ドライガーは『ドラゴニッククロー』を両腕に装着し、右腕の方に『火』と『土』の宝玉、左腕の方に『水』と『風』の宝玉をセット。


すると四つの宝玉が輝きだし、ドライガーは新たな姿となった。

ドライガーに4体のドラゴンの力が宿った強化形態『フォースドラゴン』となった。

右肩に赤、左肩に青、右膝に黄、左膝に緑の龍の顔を型どったプロテクターが付いている。

さらに両腕の『ドラゴニッククロー』はそのまま武器として使える。


ドライガーがゼブラクリーチャーに攻撃。

一撃で大ダメージを与える。

更に攻撃を加えゼブラクリーチャーを圧倒するドライガー。

「トドメだ!!」

ドライガーの背中に龍の翼が出現し、空を飛ぶ。

全身にエネルギーを集めゼブラクリーチャーに向けて急降下。

必殺技『ドラゴニックドライブ』が炸裂。

ドライガーがゼブラクリーチャーに体当たりをし、ゼブラクリーチャーは倒された。

ドライガーは変身を解除。

しかし、ダメージが大きく勇一は倒れる。


「勇一!?」

日菜乃は勇一に駆け寄る。

後を追ってきた正信と篤史が合流し、勇一を家に運ぶ。


アスモデウスとルシフェルがその様子を見ていた。

「龍神は新たな力を手に入れたか……そろそろ本気で奴を殺さなくてはならない……」

そうアスモデウスは呟いた。


続く……。

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