第10話「3人目の男」

ドライガーとGTN-1はルシフェルとの戦いで共に戦闘不能に陥った。

2人を倒したルシフェルは去って行った。


騒ぎを聞きつけた香織が来ていた。

「勇一!?」

香織が勇一に駆け寄る。

ドライガーの変身は解除され勇一の姿に戻っていた。

香織は急いで救急車を呼び勇一は病院に搬送された。

小田と川島も現場に来て火村を救出。

「火村!火村!」

小田が必死に呼び掛ける。

川島が『グレイアクセラーG』のボタンを押し変身を解除した。

「川島先輩……」

香織が川島に気付き近付いて来た。

「香織……何でここに?」

「あっ……えっと……。勇一がここで倒れてて……」

「え?神上が?で、神上は?」

「今、病院に……」

「そう……香織も早く帰った方がいいわ」

そう言って川島と小田は火村を連れて帰って行く。


ルシフェルは人間の姿に戻りアスモデウスと合流。

「何故トドメを刺さなかった?龍神はまだ生きてるぞ……」

アスモデウスが問い詰めると……。

「簡単に殺したらつまらないだろ……じっくり苦しめていたぶってそして最後に……殺すんだ……」

ルシフェルはまだまだ戦いを楽しむつもりのようだ。


家に戻った香織は勇一の事が気掛かりだった。

病院には正信が向かった。


正信が病院に着くと、勇一がもう出て来た。

「勇一……」

正信が勇一に歩み寄ると……。

「父さん」

「お前、もう大丈夫なのか?」

「ん?ああ、うん。もう大丈夫。やっぱ龍神の力なんだね。回復が早いよ」

「お前……のんきだなぁ……」

勇一の元気そうな様子を見て一安心した正信。

2人で帰宅する。

その途中、勇一はドライガーである事を香織に知られたと報告。

正信はいつかはバレるだろうと思っていた様子だった。


その頃、火村は未だ病室で眠っていた。


「まさか……これ程のダメージを受けるとはな……川島、すまないが、火村を頼む。俺は上に報告をしてくるよ」

「わかりました」

そう言って小田は一度警視庁に戻る。

川島は病室で火村の看病を続ける。


そうして、夜が明けていく。


−翌日−


小田の報告により、葛城は朝から藤波博士の研究室に相談に行った。


葛城はGTN-1のパワーアップについて相談してみる。

「う〜んパワーアップと簡単に言われてもなぁ……そもそもGTN-1はグレイザーの後継システムとして、ゲシェードに対応出来る位の強さは持っていたんだ。つまり、グレイザーで言う所のブレイブフォーム位の強さはな……。それをクリーチャー用にパワーアップさせただろう……これ以上は厳しいぞ……」

藤波博士もこれ以上のパワーアップには頭を悩ませていた。


葛城は諦めて警視庁に戻る事にした。


その頃、火村はようやく目を覚ました。

川島がそれに気付きコップに水を入れ差し出す。

火村はコップを受け取ろうとするが……。

腕に痛みが走り受け取る事が出来なかった。

川島は慌てて医者を呼んだ。


医者の見解では戦いによるダメージがまだ残っていて、GTN-1があったからこの程度で済んだ位だと言う。

しばらくは痛み止めの薬を飲んで耐えるしか無かった。


勇一は完全に回復し、日常生活に戻っていた。

しかし、このままではクリーチャーに勝てない。

そう思っていた勇一は正信に相談。


正信も同じ事を考えていた。

今の龍神ドライガーを更に強くさせる方法。

確かにあるにはある。

正信は勇一に話し始めた。

龍神が4つの『龍の宝玉』を集めて初めてなれる強化形態があると。

しかしそれには『神器·龍神の鉤爪』が必要だと。

『龍神の鉤爪』は遥か昔より龍神と共に戦ってきた龍の巫女が持っていると。

しかし、その力を得たとしてもその力には代償があり、体にダメージを受けると言う。

正信はそんな危険な事を勇一にさせるのは流石にためらっていた。


しかし、勇一は……。

「父さん……俺、やるよ!ドライガーはもっと強くなれるんだろ?だったらやるよ!」

勇一はいつの間にかドライガーとして戦う決意を固めていた。


正信も勇一の覚悟を認め、龍の巫女に連絡を取る事に。


その頃、警視庁では……。

葛城は岩永本部長に呼び出されていた。

コンコン……

葛城がノックをして会議室に入る。

「失礼します」

中には岩永本部長の他に迷彩服を着た男が二人いた。

自衛隊の様だ。

一人は自衛隊の陸戦部隊隊長の蔵田壮介(くらた そうすけ)(36歳)ともう一人は同じく陸戦部隊蔵田隊に所属する若手隊員の寺本 陵(てらもと りょう)(24歳)。

実は自衛隊も独自に対クリーチャー用の装備を開発していたようで、この度それが完成した為、今後警察と協力体制をとりクリーチャーと戦っていくと言う。

自衛隊はいかなる装備を開発したと言うのか……。

そこへ、クリーチャー出現の通信が入る。

しかし、火村はまだ動ける状態ではなかった。

「丁度いい。我々の新装備の力をお見せしましょう」

そう蔵田隊長は言って寺本と共に現場に赴く。


勇一も気配を感じ現場に向かっていた。

現場では蛾の姿をしたモスクリーチャーが空から毒の鱗粉を撒いて人々を苦しめていた。

勇一が到着。

「うわっ……今度は蛾か……。気持ちわりぃ……」と言いつつ『変身』。

龍神ドライガーが『ストームドラゴン』の姿で登場。

『ドラゴニックヴァレット』でモスクリーチャーを攻撃。

モスクリーチャーは打ち落とされた。

地上に落下したモスクリーチャーは立ち上がった。

ドライガーは『ファイヤードラゴン』にチェンジして接近戦に持ち込む。

ドライガーは連続でパンチを叩き込みダメージを与えて行く。

しかし、モスクリーチャーは羽を羽ばたかせ毒の鱗粉をドライガーに喰らわせる。

「うわっ!?」

ドライガーが怯んだ好きにモスクリーチャーが反撃をし形勢が逆転。

ドライガーは一気にピンチに……。


そこに、蔵田と寺本が到着。

「寺本、頼むぞ」

「了解!」

そう言うと寺本はアタッシュケースを開け中から変身アイテム『V-コマンダー』を取り出し左腕に装着。

寺本は『装着』。

この場合の『装着』は『変身』と同等の意味を持つ。

寺本は超戦士Vソルジャーとなった。


「あっ……あいつは……」

ドライガーは新たな戦士に驚いた。

Vソルジャーはゆっくりとモスクリーチャーに近付いて行く。

そして、専用銃『V-リボルバー』で攻撃。

モスクリーチャーに確実にダメージを与えて行く。

Vソルジャーは更に武器を『V-ギャリバー』と言う剣に持ち替え接近戦に持ち込む。


「気を付けろ!奴は毒を……」

ドライガーがアドバイスを送るが……。

Vソルジャーは『V-ギャリバー』でモスクリーチャーの羽を切り裂く。

多少毒の鱗粉は撒き散ったが、モスクリーチャーはこれ以上毒の鱗粉を撒けない。

そして、Vソルジャーはモスクリーチャーを蹴り飛ばし『V-ガトリンガー』と言う必殺武器を構えた。

「終わりだ」

Vソルジャーは『V-ガトリンガー』の引き金を引きモスクリーチャーを撃つ。

モスクリーチャーは倒された。

「ミッションコンプリート」

Vソルジャーは敬礼をして去って行く。


「何なんだ……アイツは……」


-病院-

小田から連絡を受けた川島が火村にクリーチャーの事を報告した。

そして、自衛隊の新装備がクリーチャーを撃破した事も……。

「自衛隊がクリーチャーを倒した!?」

「ええ、自衛隊にもクリーチャーに対抗する新装備が出来たみたいで、これからは警察と自衛隊が全面的に協力して行くみたい」

火村は焦りを感じた。

今まで自分が倒したクリーチャーの数はあまりにも少ない。

自衛隊の新装備があればGTN-1は必要無くなってしまうのではないかと。


その頃、自衛隊の蔵田隊長と寺本は……。

「寺本、体何ともないか?」

「ええ、何ともありませんよ」

「そうか……これからお前には最前線で戦って貰う事になる。危険な任務だ。気を抜くなよ」

「はい、わかっております」

自衛隊が開発したVソルジャー。

それはまだまだ謎の多い戦士だ。

これからドライガーやGTN-1とどのように関わって行くのか……。


続く……。

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