第8話「最後の宝玉」
川島と香織は誘拐事件の2日後には仕事に復帰出来た。
そして、タートルクリーチャーは何処へ行ったのか……。
火村は捜索を続けていた。
その頃、勇一は今日も就活の為、ハローワークに来ていた。
気になる仕事を見つけた為、面接のアポを取って来た。
その日の夕方勇一が家に帰ると……。
正信が出て来て勇一に話し掛けた。
「勇一、お前この前の戦いで敵に攻撃が通用しなかったんだろ?」
勇一は答えた。
「ああ……」
「敵の硬い甲羅を破るには土の宝玉が必要だ。土の宝玉を管理している一族の元へ行きなさい」
「え?あ、ああ……」
そう言って正信は勇一に『土の宝玉』を持つ一族の情報が書いたメモを渡した。
勇一がそのメモを見ると、山の方で暮らす森谷家と言う一族が管理しているらしい。
だが、明日は行けない。
明日は面接のアポを取っていた。
この日の夜は香織が母親が作った肉じゃがをお裾分けに来た。
夕食を3人で食べる事になり、勇一、正信、香織で食卓を囲む。
ちなみに香織の母親は仕事で家を空けていた。
「ふーん……勇一、次の面接先決まったんだ」
と、香織が言うと。
「ああ、まぁ、給料もいいし、資格は特にいらないし、いいかなって思って」
勇一が面接を受けるのは金光コーポレーション。
一流企業だが、様々な部署がある為、資格の無い勇一でも面接をして貰える事になった。
その頃、タートルクリーチャーがまた一人を狙っていた。
勇一は気配に気付き家を飛び出した。
「勇一!?……どうしたの?」
いきなり飛び出して行った勇一に香織は驚いた。
(そうか……香織ちゃんはまだ知らないんだったな)
正信は何とか誤魔化す言い訳を考えた。
「ちょっと勇一、何処行くの?」
香織が勇一を追い掛けようとする。
「ああ、香織ちゃん、大丈夫。今日買い物を頼んでたんだけど、アイツ忘れたんだ。それを今思い出したんだと思うよ」
「は、はぁ……」
香織はどうも腑に落ちなかった。
勇一が現場に着くと既にタートルクリーチャーによって一人殺害されていた。
「クソッ……」
勇一は辺りを警戒。
すると、背後から突然タートルクリーチャーが襲って来た。
勇一は必死に振り払う。
そして、勇一は『火の宝玉』を掲げた。
『変身』。
龍神ドライガー『ファイヤードラゴン』で登場。
ドライガーはタートルクリーチャーと戦う。
そこに通報を受けた火村が到着。
「あっ!ドライガー」
火村はパトカーから降りて『変身』。
GTN-1登場。
GTN-1も戦いに参加。
しかし、2人掛かりでもタートルクリーチャーの硬い甲羅に苦戦。
決定的なダメージを与えられなかった。
タートルクリーチャーは2人を払い退け再び逃走。
GTN-1は変身を解除。
火村が後を追う。
ドライガーは変身を解除。
勇一が帰ろうとすると、スマホにLINEで正信からメッセージが届いた。
「香織ちゃんへの言い訳の為に何か買ってこい」と書いてあったが……。
「何かってなんだよ……」
勇一はざっくりとした注文に頭を悩ませた。
勇一は結局洗濯洗剤を買って帰った。
香織が奥の部屋から出て来た。
「あっ、やっと帰って来た。何買いに行ってたのよ」
「ああ……洗剤」
「はぁ?それぐらい家にあるの分けてあげるわよ。どこまで買いに行ってたの?」
「ああ……いや……スーパーだよスーパー。近くの所だと品切れだったからちょっと足伸ばしてさ……」
勇一も必死に言い訳をしたが、このままではいつか香織にバレると思っていた。
−翌日−
勇一は朝から面接の準備をしていた。
「勇一、今日面接何時からだ?」
正信が話し掛けてきた。
「10時からだけど……」
と勇一が答えると……。
「そうか、なら終わったら宝玉を探しに行くか?」
「う〜ん……そうだな……午後はちょっと行ってみるか」
勇一はタートルクリーチャーが次に出たら戦えるように『土の宝玉』を午後から探しに行く事にした。
そして、勇一は面接に出掛けた。
−警視庁·特殊犯罪対策室−
「火村、この映像を見てくれ」
小田がそう言って火村に見せた映像には以前逃したコウモリ怪人、コウモリクリーチャーの姿が映っていた。
「コレは!?以前逃した……」
「そうだ。これは昨夜都内の監視カメラで撮られた映像だ。また奴が動き出したようだ」
小田と火村が会話していると、川島が入って来た。
「何見てるんですか?」
「川島か。前に逃げたコウモリのクリーチャーが再び現れてるようなんだ。お前の方はどうだった?聴聞会に行って来たんだろ?」
そう、小田が聞くと……。
「ええ……何度も同じ事を聞かれました……。事件の事を詳しく。山田はクリーチャーに襲われたのは間違いないそうです」
「そうか……」
警察ではタートルクリーチャーとコウモリクリーチャーの2体が動いている事に警戒していた。
更に連行中の山田がクリーチャーに殺害された時の状況からタートルクリーチャーに殺害されたと警察は思っていた。
山田は司法解剖される事が正式に決まった。
しかし、遺体を解剖する前に保管しておく遺体安置室で事件は起こった。
何者かが、誰にも気づかれる事なく遺体安置室に侵入したのだ。
それは謎の男。
そして、安置されている山田の遺体に向かって手をかざす。
「お前にもう一度命を与えよう。人間の負の感情を集める為に……」
謎の男は不思議な力で山田を生き返らせた。
「お前は以前のお前では無い。古き名は捨て、新しい名を授けよう。お前の名は……ルシフェル」
勇一は面接を終え、森谷家を目指す。
森谷家が住んでいるのは山……。
都心からは随分離れている。
勇一は長い道のりを走り山に入った。
段々自然が増え店や民家が少なくなって来た。
夕方近くなり、途中の山道にあった小さな商店に立ち寄る勇一。
そこで飲み物を買い、店主に尋ねる。
「おじさん、この辺に森谷って家ないですか?」
店主は答える。
「え?森谷さん?だったらこの道を真っ直ぐ行ってしばらくしたら小さな集落があるよ。そこに森谷さんって家があって、家も何軒かしかないからすぐわかると思うよ」
「ありがとうございます」
勇一は言われた通りもう少し山道を進む。
すると、小さな集落が見えた。
「ここか……?」
勇一はバイクを降り各家の表札を見る。
そして、【森谷】の名を発見。
勇一はチャイムを鳴らす。
中からおじいさんが出て来た。
「何かご用意ですか?」
勇一は『龍の宝玉』を見せた。
「ここに土の宝玉ありますよね?」
おじいさんはすぐに理解し、中に入れてくれた。
おばあさんがお茶を出してくれる。
「すみません……突然押しかけて」
そう言うとおじいさんはニッコリと笑って話し出した。
「いいや……そろそろ来る頃だとは思っていたよ。私は森谷明重(もりや あきしげ)。あなたもご存知の通り土の宝玉の管理をしている。東京では邪神の下僕が現れているらしいな」
「ええ……それで土の宝玉を譲って頂きたくて」
勇一がそう言うと……。
「コレは元々龍神様の物だ。今はあんたが龍神様の力を持っているのなら……これはあんたの物だ」
勇一は『土の宝玉』を受け取った。
さらに明重は話し続ける。
「私が生きてる内に渡せて良かった。こんな田舎では息子は後を継いでくれそうになかったからな……」
勇一は思った。
やはりこの一族も代々宝玉を守る使命を負わされ命懸けで守っていたのだと。
「ありがとうございました」
勇一は森谷家を後にし東京へ戻る事に。
バイクを走らせ東京へ急ぐ。
すっかり日が暮れ辺りは真っ暗になった。
山道では街頭も少なく暗い夜道を走る勇一。
その頃、東京ではタートルクリーチャーが次のターゲットを襲っていた。
クリーチャーの気配に気付き勇一は現場に急ぐ。
火村達、対策班のメンバーも、クリーチャー出現の連絡を受け出動。
タートルクリーチャーは一人を殺害した。
そこに火村達が到着。
小田がパトカーから降りた。
「遅かったか……、火村頼むぞ」
「はい!」
火村は『変身』。
GTN-1登場。
タートルクリーチャーと戦う。
しかし、やはり硬い甲羅に攻撃を阻まれ苦戦する。
そこへ、勇一が到着。
勇一も『変身』。
龍神ドライガーがファイヤードラゴンで登場。
参戦し、GTN-1からタートルクリーチャーを引き剥がす。
「ドライガー!」
そして……。
ドライガーは『土の宝玉』を掲げた。
『グランドドラゴン』に姿を変えた。
続く……。
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