第6話「風の導き」

ドライガーとGTU-1がクロウクリーチャーと戦った日の夜……。


この日、非番だった川島は高校時代の後輩の香織と会っていた。


駅で待ち合わせた2人は居酒屋へ向う。

そんな2人の後を付ける怪しい人影……。


川島と香織は居酒屋へ入り楽しそうに喋りながらお酒を飲んでいた。


「ねぇ、香織〜最近アイツとはどうなの?」

川島が酔っ払って絡んできた。

「アイツって?」

香織は聞き返すが……。

「ほーら、高校一緒だったあんたの幼馴染みよ!え〜っと……神上よ神上!」

「ああ……別に変わんないですよ。今も仲良くやってますよ」

「まだ、付き合ってないの〜?」

「そんなんじゃないですから!」

そんな会話をしながら飲んでいる2人。


「ハークション!……風邪引いたかな?」

勇一がくしゃみをした。


すっかり酔っ払った2人は上機嫌で居酒屋を出た。

「よーし!もう1軒行こうもう1軒!」

川島は上機嫌に2軒目に誘う。

「先輩飲みすぎですって……もう終電近いんですから、帰りましょうよ」


そしてまた2人の後を付ける怪しい人影が……。

時刻は終電間際、人通りもすくなくなっている頃……。

徐々に2人に近づき後ろから襲い掛かる。

ハンカチで2人の口を塞ぎ薬を嗅がせて気を失わせる。


−翌日−

勇一が朝起きて来た。

昨日の怪我はすっかり治っていた。

「うぉっ……龍神の力、マジですげぇな……」

勇一自身も驚いていた。

部屋を出て一階に下りると、玄関先では正信と香織の母親が話していた。

「ウチの子が朝になっても帰って来ないなんて〜」

母親は香織が帰ってない事を心配して泣いていた。

「まぁまぁ、お母さん。香織ちゃんももう大人何ですし……それに先輩と飲んでたんでしょ?先輩の家に泊まったんじゃないですか?」

正信がなだめるが……。

「それならそうとあの子なら連絡します!きっと何かあったのよ!」

「い……いやぁ……、すみません……」

そこへ勇一が来た。

「あの……香織どうかしたんですか?」

香織の母親は勇一にも香織が帰って来てない事を説明した。

「香織……どこ行ったんだ?」


−警視庁·特殊犯罪対策室−

「え?川島が出勤してない?」

「ああ、アイツが無断欠勤なんて初めてだ。何かあったのかも知れん」

火村達も出勤して来ない川島を心配していた。

「火村、お前川島の実家に後で行ってみてくれないか?」

「実家にですか?」

「ああ、昨日はお父さんの命日だから母親とお墓参りに行ったはずだからな」

「そういえば、川島のお父さんって刑事だったんですよね?どんな人だったんですか?」

「ああ……俺は会ったこと無くてな……あの人なら知ってるだろう」

「あの人?」


そう言って対策室に呼ばれたのは牧田だった。

そう、牧田は昔、川島の父と一緒に事件を捜査していた。

牧田は川島の父について話し出す。

今から17年前……。

当時、牧田(38歳)、川島の父、川島明徳(かわしま あきのり)(38歳)2人は同い年で同期だった為仲が良かった。

お互いが刑事になってもバディを組み、これまでいくつもの事件を捜査してきた。

そんな2人が当時追っていたのが、連続殺人事件の容疑者の有力候補だった山田敏行(やまだ としゆき)と言う男だった。

2人は山田の自宅アパートで張り込みをしていた。

その夜は激しい雨の日だった。

覆面パトカーの中で張り込みをしていた2人は話していた。

「クソッ……山田の奴……まだ尻尾を見せねぇな……」

そう苛立っていたのは牧田。

「まぁ、言ってても仕方ねぇよ。犯人だって刑事が張り込んでそうな所にそう易々と来ねぇだろ……それより許せねぇのは小学生を5人も殺しといてのうのうと生きてる事だ……俺にも小学生の娘がいるから親御さんの気持ちが痛いほどわかるよ……」

そう話すのは川島。

「そうか……光ちゃんもう小学生になったか。それならたまには帰ってやらねぇとすぐ反抗期来ちまうぞ」

「嫌な事言うなよ……。!待て……」

そこに人影が……。

2人は顔を確認。

「山田だ……」

「よーし……」

牧田が勢い良く飛び出した。

「山田ー!警察だ!!」

「待てっ!」

川島は止めたが……。

山田は発砲してきた。

川島は牧田を庇って被弾。

それが致命傷となって川島は倒れた。

牧田も山田を発砲した。

山田は右肩に被弾したがそのまま逃走。

その後、川島刑事は殉職。


そして現在。

「川島は良い刑事であり良い父親だったよ……。それを……俺が殺したんだ……」

牧田は今でも当時の事を悔やんでいた。

ちなみにその後山田は逃走を続け今も捕まっていない。

警察としても苦い思い出のある未解決事件となった。


その頃、勇一は香織を心配し、バイクで探していた。

しかし、途中でクリーチャーの気配を感じた。

「くっ……こんな時に……」

勇一は気配のした方に向かった。


その頃、火村も通報を受けて出動した。


現場では既に多くの人が倒れていた。

火村が現場に着くと。

クロウクリーチャーが飛び回っていた。

火村は『変身』。

GTN-1登場。

『Gブラスター』で攻撃するが、飛び回るクロウクリーチャーに狙いが定まらない。

「クソッ……」

勇一も到着し、『変身』。

ウォータードラゴンの姿で登場。

『ドラゴニックランス』を投げるがかわされる。

クロウクリーチャーが空から羽根を投げる。

2人はまた爆発する羽根を喰らった。


その頃、正信は勇一を助ける為に『風の宝玉』を管理する一族の元に向かっていた。


そして同じ頃、川島と香織は目を覚ました。

2人共酷い頭痛を感じた。

もはや二日酔いなのか薬のせいなのかわからない。

2人はどこかの小さな小屋に居た。

「ここ……どこなの……?」

すると、小屋の戸を開けて一人の男が入って来た。

「ようやくお目覚めか」

その男は40代後半位の白髪交じりの髪をした痩せた男。

どうやらコイツが犯人らしい。

この男の目的は何か……。


クロウクリーチャーの攻撃に苦戦するGTN-1とドライガー。

2人が弱った所でクロウクリーチャーは逃走。

「待て……逃がす訳には……行かない……」

GTN-1は一度変身を解除。

火村がパトカーでクロウクリーチャーを追う。


そして、ドライガーの元に正信が到着。

「ゆう……いやドライガー!」

ドライガーも気付く。

(父さん!?)

「コレを受け取れ!」

正信はドライガーに『風の宝玉』を投げる。

ドライガーはキャッチ。

「これは……新しい宝玉か!」

するとまた精神世界に入る。

ドライガーの目の前に風龍が現れる。

「お前が今度の龍神か。お前に問う。お前は私の力で何を望む?」

風龍が問い掛ける。

「またか……。俺は、邪神から人々を救いたい!その為にあんたの力が必要なんだ!」

そうドライガーは答える。

「良かろう。お前に私の力を授ける」

そうして風龍はドライガーの中に……。

ドライガーの周りに竜巻が発生し、その中からドライガーの新たな姿。

風龍の力を宿した緑のドライガーが登場。

「おお!緑になった!そうだなぁ……風だから……ストームドラゴンだ!」

命名『ストームドラゴン』


ストームドラゴンとなったドライガーは風の力で空を飛ぶ事が出来た。


空からクロウクリーチャーを追う。

逃走したクロウクリーチャーにも直ぐに追いついた。

ドライガーは専用銃『ドラゴニックヴァレル』でクロウクリーチャーを撃つ。


クロウクリーチャーもその攻撃をかわして反撃。

2人は激しい空中戦を繰り広げた。


その頃、ようやく火村が到着。

しかし、2人の戦いが空高い場所で繰り広げられている為、手出しが出来ない。


「これでトドメだー!!」

ドライガーは『ドラゴニックヴァレル』にエネルギーを集め強力な一撃を放った。

『ストームブラスト』

これはクロウクリーチャーもかわす事が出来ず見事命中。

クロウクリーチャーは真っ逆さまに落ちて行く。

その途中でクロウクリーチャーは爆発し倒された。

ドライガーは地上に降り立つ。

「緑の……ドライガー……」

火村はまた呆気に取られる。

ドライガーは去って行く。


そして、勇一は火村の所に走ってくる。

「火村さーん」

「!あっ、あなたは神社の……」

「勇一デス……神上勇一……。あの……お願いがあるんですけど……俺の……幼馴染みを探して下さい!」

「えっ!?」

火村も突然の頼みに驚いた。


続く……。

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