第4話「水の宝玉」

シャーククリーチャー(2体目)との戦いで重傷を負った火村は病院へと搬送された。


その頃、勇一は家に帰っていた。

そして、父正信に相談する。

「父さん……他の宝玉って探せないかな?」

「宝玉?ああ、龍の宝玉か。うちにあるのは火の宝玉だけだし……後の宝玉は何処に行ったのかもわからないからなぁ……あっ、ちょっと待て、書物をもう一度調べてみよう」

そう言って正信は書物を取りに行く。

再び書物を読み調べてみると……。

数千年前の邪神との戦いで、バラバラになった『龍の宝玉』は水、風、土の3つがそれぞれ別々の一族によって保管された。

そして、今もその一族が保管を続けている。

明日勇一はその一族の末裔を探しに行く事に。


一方火村は病院で手当てを受け終わり、右腕には包帯が巻かれていた。

小田が待合室で待っていた。

「火村……大丈夫か?」

「ええ……大した事はありません。それより僕のアクセラーは?」

GTN-1に変身する為のアイテム『グレイアクセラーG』は葛城が藤波博士の元へ持って行ってた。


−藤波研究室−

葛城が藤波博士に相談していた。

「博士、GTN-1は今のままではクリーチャーに勝てません」

「そうだな……少し改良を加えてみよう」

こうしてGTN-1は早くも改良が加えられる事になった。


−翌日−


勇一は朝から他の『龍の宝玉』を保管している一族の元へ向う準備をする。

「勇一、コレを持って行け」

正信は勇一にメモ帳を渡した。

「これは?」

「龍神様に関する書物からヒントになりそうな部分を書き出しといた。役に立つと思う」

勇一はメモ帳を受け取る。

「ありがとう、じゃあ行ってくる」

勇一は出発。


勇一は一人、まずは、『水の宝玉』を求めて海の方を目指す。

『水の宝玉』は海に近い場所で保管されている様だ。


−東京都·有明−


勇一はこの近くで『水の宝玉』を管理する一族を探す。

その一族の名は平田(ひらだ)家と言うらしく、その名字の家を探す。

しかし、数千年前の手掛かりで見つかるはずもなく、勇一は途方に暮れていた。


探し疲れた勇一は公園で一休みする。


そこは大きな公園で海が見える。

すると、釣りをしている老人を見つけた。

昔から住んでる人なら何か知ってるかも知れないと思い、勇一はその老人の方へ向う。

「あの〜すみません。この辺に住んでる方ですか?」

勇一が話し掛けると老人は勇一の方を向き……。

「ええ、そうですが……」

勇一は更に続ける。

「この辺に平田さんと言う方はいますか?」

老人は少し考えて答える。

「う〜ん……平田……平田……。あっ、私の同級生に平田が居ます。家もすぐそこです」

そう言うと老人は立ち上がって道案内をしてくれた。


その公園から少し歩くと、『平田』と表札に書いてある大きな家に着いた。

「ここです」

そう言うと老人はその家のチャイムを押した。

中から女性の声が聞こえた。

「こんにちわ、松田ですが、寛治(かんじ)おりますかな?」

するとまた女性の声が。

「あら、松田さん。ええ、おりますよ」

「お客さんを連れて来たんですが」

そう言うと女性は門の鍵を開けて中へ入れてくれた。

勇一が女性に挨拶をする。

中に通されると…。

家の中には老人が一人。

恐らくこの人が平田寛治(ひらだ かんじ)だろう。

「こんなお若い方が来るなんて珍しい。何かご用意かな?」

老人が勇一にそう聞くと、勇一は出発前に父に言われた事を思い出した。

「龍の宝玉を見せればすぐにわかるだろう」と……。

そこで勇一は『龍の宝玉』を取り出し老人に見せた。

老人は直ぐに察したようで、自己紹介をした。

やはりこの老人が平田寛治(83歳)

一族代々『水の宝玉』を管理してきたらしい。

寛治は息子を呼び、『水の宝玉』を持って来させる。

部屋に入って来たのは寛治の息子、平田光吉(ひらだ みつよし)(57歳)

光吉は布に丁寧に包まれた『水の宝玉』を勇一に見せた。

そして、寛治が勇一を見て言う。

「あなたが、龍神様の力を受け継いだのですね。私達一族はずっとこの時を待っていました。皮肉にも、邪神が復活しようとしている今、私達一族も龍神様にこの宝玉をお返しする事で永きに渡った宿命からようやく解放されます。お持ち下さい。これからあなた様には大いなる試練が待ち受けているでしょうが、この宝玉が必ずあなたを守ってくれるはずです」

勇一は『水の宝玉』を受け取った。

勇一はこの一族が何代にも渡って守ってきた歴史の重みを感じとった。


その頃、火村はシャーククリーチャーの行方を探していた。

そこに小田から無線に連絡が入る。

「火村、またやられた。今度は新橋で30代男性のサラリーマンが殺害された。」

「了解。現場に向かいます。アクセラーの方はどうですか?」

「ダメだ。まだ、調整が終わってないらしい」

「そうですか……とにかく行ってみます」

火村は新橋の現場に向かった。


その頃、シャーククリーチャーの気配を感じた勇一もバイクで新橋に向かっていた。


しかし、何故被害者が30代の男性ばかりなのか。

火村はそれが引っ掛かっていた。


火村が現場に着くと、既に新橋署の刑事達が現場検証をしていた。

「本庁の者です。すみません、現場を見せて貰えませんか?」

「ええ、いいですが……酷い有り様ですよ……」

一人の中年の刑事が火村を入れてくれた。

やはり男性の遺体は食いちぎられて酷い状態だった。

火村はまだ近くに居ると思い警戒する。


火村が予想した通りシャーククリーチャーはまだ近くで次のターゲットを狙っていた。


シャーククリーチャーが次のターゲットの男性に襲い掛かった。

そこへ勇一が到着し、シャーククリーチャーから男性を助けた。

男性は驚いてあ然としていたが……。

「早く逃げて!!」

勇一が声を掛け、ふと我に帰り、男性は逃げて行く。

周りの人達も騒動に気付き逃げて行く。


勇一は『変身』。

龍神ドライガー登場。

ドライガーがシャーククリーチャーと戦う。


騒ぎを聞きつけ火村もやって来た。

「!ドライガー……」


シャーククリーチャーは地面に潜り姿を消した。

シャーククリーチャーは死角からの攻撃のチャンスを狙っていた。

ドライガーは『水の宝玉』の力を解放。

すると、ドライガーは精神世界に入り込んだ。

「ここは……!?」

すると、目の前に水の龍が現れた。

「うぉっ!?」

驚くドライガー。

「貴様が今度の龍神か……。我の力で汝(なんじ)は何を望む?」

水の龍が問いかけて来た。

「何をって……。俺は、邪神から世界を守りたい!その為にお前の力が必要なんだ!」

そうドライガーは答えた。

「そうか……今度の龍神も強き心を持った龍の者らしいな……。良かろう、我が力存分に使うが良い」

そう言って水の龍はドライガーの体の中に入って行った。

すると、ドライガーの体は火の赤から水の青に変化した。

「おっ……青になった。……水の力だから……ウォータードラゴンって所か」

命名『ドライガー·ウォータードラゴン』


そして現実世界、水柱の中からドライガーが『ウォータードラゴン』となって登場。


「変わった……」

火村は呆気に取られていた。


そして、ドライガーは専用の武器『水龍の槍』を手に持つ。

「う〜ん……槍……水龍の槍……ドラゴニックランスだな!」

命名『ドラゴニックランス』となった。


ドライガーは『ドラゴニックランス』を構える。

『ドラゴニックアイ』でシャーククリーチャーの気配を感じ取る。

シャーククリーチャーが襲い掛かった。

「そこだ!」

ドライガーが『ドラゴニックランス』でシャーククリーチャーを貫く。

シャーククリーチャーは爆発し倒された。


「凄い……」

火村は呆気に取られたまま……。

ドライガーは去って行く。


戦いの後、家に戻った勇一は……。

父、正信に報告。

無事『水の宝玉』を手に入れた事、そしてドライガーに新しい姿が宿った事を報告した。


その頃……。

謎の男が街を眺めながら立っていた。

「ドライガーか……今度の龍神も手強そうだ……」


続く……。

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