第3話「宝玉の秘密」

「龍神ドライガー?本当にそう名乗ったのか?」

小田が火村に尋ねる。

「はい。間違いありません」

火村達の拠点【特殊犯罪対策室】で火村が小田に報告した。

「あの……、龍神で思い出したんですけど……ウチの地元の近所に龍神を祀ってる神社があるんです。何か関係があるんですかね?」

そう言い出したのは川島だった。

「龍神?それは迷信だろ。それかそれを真似た奴の仕業だよ」

小田は関係を否定した。


しかし、龍神の話が気になった火村は川島にその神社を教えて貰い行ってみる事にした。


その頃、勇一はさっきの戦いの出来事を父に話していた。

「う〜ん……そうか、龍神様の力が発動しだしたか。ちょっと待ってろ……」

そう言って正信は蔵に向かった。


それからしばらくして、正信は蔵からホコリを被った大量の書物を持ってきた。

「ゲホッゲホッ……なんだよこれ……?」

勇一は咽ながら父に聞いた。

「これは龍神様に関する書物だ。これがあれば龍神様の力で戦い方がわかるだろう」

そう言ってしばらく書物を読み漁り……。

ある一文を見つけた。

《龍神、その拳に炎纏いし時、炎拳の拳にて邪悪を消し去らん》

この一文は龍神の必殺技を表しているようだ。

「へぇ〜じゃあこれがドラゴニックボンバーか」

勇一が関心していると……。

「お前……本当に横文字にするの好きだな……」

正信は少々呆れた様子だった。

「だってその方がカッコいいじゃん!」

更にまた別の書物で……。

《龍の眼(まなこ)邪悪なる者の姿とらえけり》

「これがドラゴニックアイだな!」

「はぁ……もういいや……ツッコむの辞めた……。お前の好きにしろ」

正信は諦めた。

「おっ、コレは……」

正信はまた別の一文を見つけた。

《龍神の力、地、水、炎、風ありけり、宝玉によって導かれん》

「コレって……炎以外にも属性があるって事か?」

勇一が尋ねると。

「ああ、伝説ではそうらしいが……ウチの神社には他の宝玉なんて無いぞ?まぁ、恐らく昔の戦いで何処かに行ってしまったんだろうな……」

「ふーん……」


そこに火村が車で【龍宝神社】に到着。

「うわーっ、懐かしい!」

「って、何で付いて来てんだよ!」

川島も付いて来た。

「いいでしょ別に。道案内してあげたんだから」

「まぁ、いいけど……」

そう、ここは川島にとって地元、近所のこの神社も子どもの頃の遊び場だった。


火村はまずお参りをする。

「律儀だねぇ、私よく遊んでたけど、お参りした事ないよ?」

「こういうのは大事なの!で、なんのご利益があるんだ?」

「確かぁ……」

「厄除けですよ。」

正信が気付いて出て来た。

「あっ、お邪魔してます。神主さんですか?」

火村が尋ねる。

「ええ、ここは昔、邪神と戦ったと言われている龍神様を祀ってますから、厄除けのご利益があります」

正信の後ろから勇一も出て来る。

「そちらの方は?」

火村が尋ねると……。

「ああ、息子です。」

「どうも……」

勇一が挨拶をすると……。

「あっ、あなたはさっきの!」

「ああ!今朝の刑事さん!」

勇一も火村もお互いに思い出した。


火村と川島は中に入れてもらい話を聞く事に。


正信は火村と川島に龍神伝説について語る。


その頃、また殺人事件が起きた。

状況から見てクリーチャーの仕業だろうと推測され、小田から火村に電話が入る。

「はい、火村です」

「火村、また殺人事件が起きた。恐らくクリーチャーの仕業だ。現場に向かってくれ」

「了解しました」

「それと……川島も居ないんだが、知らないか?」

「あっ!私ここに居まーす!」

川島が火村のスマホに向かって叫ぶ。

「川島!?なんでお前まで……。まぁ、いい。現場で合流しよう」

そう言って小田は電話を切った。

「すみません、仕事が入りましたので失礼します」

火村と川島が現場に向う。


今回の現場も、今朝の現場の近く。

火村達が到着する。

「おう、来たか」

声を掛けたのは牧田。

「牧田さん、どうですか?現場の状況は?」

火村が尋ねる。

牧田が現場の状況を説明する。

不思議な事に今回の事件も今朝の現場に似ていた。

30代の男性がサメに食いちぎられたような殺され方をしていた。

それを聞いて驚く火村。

「そんな!?だって今朝クリーチャーはドライガーが……」

「ドライガー?」

牧田は首を傾げる。

「あっ、いや……しかし、今朝のクリーチャーは倒されたはずです、それでまた同じ手口なんて……」


そこへ小田も到着。

「牧田さん!」

小田が牧田に声を掛ける。

「おう、小田か。久しぶりだな」

牧田は小田にとっても先輩だった。

そして、小田にも状況を説明した。

「今朝と同じ手口なんて……。今朝の奴は確かに倒されたんだよな?」

小田が火村に聞く。

「ええ、確かにこの目で見ました」

火村はそう答えるが……。

「まさか……複数体動いてるのか?」

そう牧田が推測する。

確かにそうとしか考えられない。


いや、そうだった。

別の場所でもう一体のサメのクリーチャー。

ハンマーヘッドシャーククリーチャー(長いので以下シャーククリーチャーとします。)

が次のターゲットを狙っていた。


勇一はクリーチャーの気配に気付きバイクで現場に向う。


シャーククリーチャーはまた30代のサラリーマン風の男を狙っていた。


背後から忍びより距離を縮める。

そして、勢い良く襲い掛かった。

しかし、そこに勇一が駆け付け男性を助けた。

驚きを隠せない男性。

「早く逃げて!」

勇一は男性を逃がすが、周りの人達もパニックになる。

勇一は『変身』。

龍神ドライガー登場。

ドライガーがシャーククリーチャーと戦う。


そこへ、通報を受けた火村が到着。

一緒に小田と川島も来た。

「アレがクリーチャー、それにドライガーか?」

小田も本物を見て流石に納得したようだ。

火村も『変身』。

超戦士GTN-1登場。

GTN-1も戦いに参加するが、やはり攻撃が通用せず、シャーククリーチャーの攻撃を受ける。

「ぐぁっ……くっ……つ……強い……」

シャーククリーチャーはドライガーにも攻撃でダメージを与えた。

GTN-1が再びシャーククリーチャーに掴み掛かるが、シャーククリーチャーは払い退ける。

GTN-1はダメージを受け、動けなくなる。

シャーククリーチャーがGTN-1にトドメを刺そうと迫る。

ドライガーが止めるがドライガーも払い退けられる。

シャーククリーチャーはGTN-1に詰め寄り噛み付き攻撃。

GTN-1の右腕に噛み付く。

火村は激痛に襲われる。

GTN-1のスーツのお陰で幸い食いちぎられる事は無いがそれでも気を失う程の激痛だった。

GTN-1は気を失ってその場に倒れた。


ドライガーがシャーククリーチャーに掴み掛かり何とかGTN-1から引き離す。


『ドラゴニックボンバー』

ドライガーは必殺技を使うが、シャーククリーチャーが口から出した水流によって相殺された。

炎と水がぶつかった事で水蒸気が発生。

視界が奪われた。


視界が晴れるとそこにはシャーククリーチャーの姿は無かった。


ドライガーは倒れているGTN-1を小田と川島の元へ抱えて連れて行く。

そして、小田に引き渡した。

「あっ……ありがとう」

小田は驚いた様子だったが、GTN-1を受け取った。

小田はGTN-1の変身を解除させた。

すると、火村の右腕は大量に出血していた。

「火村!火村!しっかりしろ!川島、救急車だ!」

小田が川島に指示。

「はっ、はい!」

川島も急いで救急車を呼ぶ。


ドライガーは去って行く。

「君!部下を助けてくれてありがとう。だが、君は何者なんだ?」


しかし、ドライガーは何も言わず去って行く。


その数分後、救急車が到着し、火村は病院へ搬送された。


勇一は帰ってる途中、考え事をしていた。

(俺は……ドライガーの力をまだ、引き出せていない……どうしたらいいんだ……)


続く……。

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