第2話「目覚めた敵」
コウモリの怪人が出現し、ドライガーとなった勇一が戦った。
しかし、コウモリの怪人は逃走した。
ドライガーも去って行く。
勇一がバイクで自宅に戻ると……。
「こんな時間にどこ行ってたの?」
話し掛けてきたのは香織だった。
香織は自分の部屋のベランダから見ていた。
「別に……ちょっとコンビニ行ってただけだよ」
勇一はそう返す。
「ふ〜ん。でも夜中に食べたりしたら太るよ」
と香織が言うと……。
「ハッハッ、大丈夫だよ、香織じゃあるまいし」
「うっさい!」
香織は怒って部屋に入ってしまった。
しかし、これは普段の2人のやり取り。
いつもこの事だった。
そして、翌日……。
朝、香織が慌てて家を出てきた。
鳥居の前を箒で掃いていた正信と、バイクの手入れをしてる勇一に会う。
「おはようございまーす」
「香織ちゃんおはよう、どうしたんだい?慌てて」
と正信が尋ねると……。
「遅刻しそうなんです〜。勇一お願い、バイクで駅まで送ってくれない?」
香織が手を合わせて勇一に頼む。
「しゃーねぇーな」
なんだかんだ言って勇一は香織を乗せてバイクで駅まで送る。
−警視庁−
葛城警視と火村淳は上層部への報告を行っていた。
「昨夜、我々が遭遇した怪人はコウモリのような翼と牙を持った人型の怪人でした」
そう葛城が証言する。
「しかし……ゲシェードは既に滅んだ。君達が遭遇したと言う怪人は何者なんだ?」
そう尋ねるのは岩永本部長。
「ゲシェードならGTN-1で対処出来ました。しかし、それが全く通用しませんでした」
そう葛城は告げる。
「正体不明の怪人……仮にクリーチャーとでもするか」
「クリーチャーですか?」
謎の怪人は岩永本部長によってクリーチャーと名付けられた。
報告の後、火村と葛城は別れた。
その頃、勇一は駅に香織を送り終え帰ってる途中だった。
そこで勇一は道で泣いてる男の子を見つけた。
どうやら迷子らしい。
勇一が男の子に話し掛ける。
「おい、どうした?」
「ママが居ないー」
母親とはぐれ泣いていた。
勇一は男の子を近くの交番に送った。
交番に着くと、交番勤務の一人の警察官と火村が居た。
「あの〜すみません、この子迷子みたいなんですけど……」
警察官が勇一の方を見て敬礼。
「はっ、ありがとうございます。坊や、お名前は?」
警察官が男の子に話を聞き始める。
その間火村が勇一に話し掛ける。
「ありがとうございました。あっ、自分も警察官です」
と言って警察手帳を見せた。
「あっ、いえいえ……」
更に火村は……。
「この辺にお住まいの方ですか?」
「ええ、まぁ」
「では今ある事件の聞き込みをしているのですが、ご協力頂けませんか?」
「事件?」
火村が聞き込みをしていたのは昨夜のコウモリ怪人の事件だった。
勿論コウモリの怪人が出たとは言わないが、殺人事件が起きたとだけ伝えた。
火村が質問すると。
「あっ、いや〜、確かにその時間だとちょっとコンビニに行ってましたけど……方向違うし、ちょっとわかんないですねぇ」
と返す。
「そうですか……まだこの辺りに潜伏してる可能性がありますので気を付けて下さい」
そう言って勇一は帰された。
(う〜ん……やっぱバレない方がいいよな〜)
そう思いながら帰って行く。
火村のスマホに電話が入る。
小田からだった。
「火村、また殺人事件が起きた。昨日の現場に近い、同一犯かも知れない。ちょっと調べて来てくれ」
「了解」
火村は現場に向かった。
現場は朝の通勤ラッシュで賑わう駅の近く。
火村が現場に到着すると、そこには捜査一課の警部、牧田警部(55歳)とその部下の北川刑事(25歳)が居た。
「牧田さん」
火村が牧田に声を帰る。
「おう、火村か。久しぶりだな。葛城の下で頑張ってるみたいじゃないか。おっと、今は葛城警視殿だったな」
「はい。そうか、葛城警視は牧田さんの部下だったんですよね」
「ああ、あっと言う間に追い抜かれちまったけどな……」
そんな話をしながら、牧田は現場の状況説明に入った。
被害者の身元は金元敬一36歳、都内の企業に務めるサラリーマン。
死因は左の脇腹から右肩にかけて人体が大きく削られたような人体欠損による出血死。
その遺体はまるでサメに食いちぎられたようになっていた。
「こんな、海どころか川も無い様な所でこんな殺され方をするなんてな……。酷いもんだ。人間業とは思えんな……」
そこで牧田は昨日の事件の事を思い出した。
「あっ、そういえば聞いたぞ、火村お前……怪人に遭遇したそうだな」
「ええ、未だに信じられませんが……」
牧田はゲシェードの事件にも関わっていた為、理解が早かった。
「世の中には信じられん事が起こるもんだ。昨日の怪人も逃走したんだろ?ソイツの仕業って事は無いか?」
牧田が火村に聞くが。
「いえ、昨日殺害された女性とは手口が全く違いますし……口の大きさからして違います」
「じゃあ、別個体の可能性がある訳か……」
そう、牧田の推測通り別の怪人が動いていた。
それはホオジロザメの能力を持ち水以外に地面にも潜れる怪人。
シャーククリーチャーが現れていた。
シャーククリーチャーが次のターゲットを狙う。
そして、地中に身を潜め背後から迫る……。
有名なサメ映画のBGMが聞こえてくるようだ……。
そして、勢い良く地上に飛び出しターゲットに襲い掛かった。
ターゲットにされたのは中年のサラリーマン。
即死だった。
周りでは悲鳴が上がり大パニックが起きる。
しかし、シャーククリーチャーは他の人々には襲いかからず姿をくらました。
通報を受けた火村はパトカーで現場に向かった。
更にクリーチャーの気配を感じた勇一もバイクで現場に急ぐ。
現場がさっきの現場と近かった為、火村は直ぐに到着した。
火村は拳銃を構え辺りを警戒する……。
まだ、近くにいるかも知れない……。
火村が警戒した通りシャーククリーチャーはまだ近くにいた。
シャーククリーチャーが地中から火村に襲い掛かる。
火村は持ち前の反射神経で何とかかわす。
「くっ……クリーチャー……」
火村は『変身』。
GTN-1出動。
『Gブラスター』を手にシャーククリーチャーと戦う。
しかし、動きが早く狙いが定まらない。
シャーククリーチャーの攻撃を受けるGTN-1。
地中から出たり入ったりを繰り返しGTN-1を翻弄するシャーククリーチャー。
そこに勇一が到着。
勇一は『龍の宝玉』を空に掲げた。『変身』。
龍神ドライガー登場。
ドライガーが戦いに加わる。
「お前は!?」
再び現れたドライガーに驚く火村。
しかし、ドライガーでも地中から攻撃してくるシャーククリーチャーは簡単には捉えられない。
そこで、ドライガーの頭部の緑色の目が発光する。
ドライガーの能力の1つ『龍眼』が発動した。
それは姿が見えない敵を察知する能力。
地中から攻撃してくるシャーククリーチャーを察知。
攻撃の瞬間にカウンターの攻撃を決めシャーククリーチャーにダメージを与える。
「凄い……」
呆気に取られる火村。
今度はドライガーの右手が炎に包まれる。
『龍の炎拳(えんけん)』ドライガーの必殺技がシャーククリーチャーを倒す。
「ん〜……炎のパンチだから……ドラゴニックボンバーだな!」
「あっ!それとさっきのサーチ能力はドラゴニックアイにしよう!」
勇一は必殺技を『ドラゴニックボンバー』サーチ能力を『ドラゴニックアイ』と命名。
勇一は横文字にするのが好きなようだ。
シャーククリーチャーを倒しドライガーは帰って行く。
「待ってくれ!お前は……何者なんだ?」
火村が問う。
「俺はドライガー。龍神ドライガーだ」
そう名乗ってドライガーは去って行く。
「龍神……ドライガー……」
続く……。
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