第23話
「我の話はどうであったか?」
「まあ、あれだ。色々と勉強になったよ。流石だな」
もちろん諸々残念な意味で。
「そうか、そうであろう!我は七大厄災なのであるからな!!フフンッ!」
急にどうした。やはり子供なのか。褒めたら嬉しそうな顔して。可愛いな幼女は。
「あー、俺の名前はカズトだ。異世界転生者だ」
「そうそう、お前を生け贄にした女がそう言っておったな。異世界転生者とはな。転生者と会うのは初めて……ではないが。ち◯ち◯がない者は初めてだ。『性剣・エクスカリバー』伝説と同じく異世界転生者であるのも興味がそそるな」
「エクスカリバーの話も気になるんだけど、その前にあの村のことで確認というか、お願いがあるんだ」
「ほう、なんだ。言ってみるがいい」
「もう村にいかないでほしい、ってか贄を取ろうとしないでほしいんだ。金輪際」
「……」
「その代わり、俺の寿命が尽きるまでずっとお前の側で話し相手になってやる。いつなんどき、俺がくたばるまで。まあ、80年ちょっとだけど。どうだ!正直俺の差し出せるものは俺の時間しかねえんだ」
魚の姿のカズトはパープルの目をみて離さない。そして真剣な表情で懸命に頭を下げた。
「……」
「この通りだ。頼む」
「まあ、そのなんだ。さっきも言ったが、我は話し相手がいれば後はなんでも良い。あの村にはもう行かぬ。これで良いか」
「ああ、最高だ。ありがとうなパープル。お前っていいやつだあな!!」
「魚に言われても嬉しくないわい」
そう言ったドラゴンの幼女は、カズトからそっぽ向いてしまった。振り向く寸前にみた表情がどこか嬉しそうだった。
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