竹取物語や源氏物語の初心者向け現代語訳を思わせる文体から各章が始まり、複雑な用語は使われておらず読みやすい、平仮名と漢字だけで書かれカタカナが存在しない文章が、読者を平安時代へいざないます。肌を重ねる場面や口づけの描写はいやらしさがなく上品なのにどきどきします。ガールズラブというくくりに囚われず、平安時代がお好きな方にもお勧めしたい作品でございます。
平安時代でガールズラブを読んだことがありますか?ガールズラブというジャンル的な言葉だけでは言い得てないかもしれません。それは時代にきっとあったに違いない恋の一幕。この読みやすくも古語的な言い回しや振る舞いは、抗えない枠と抗おうとする悲恋を予感させます。ジャンルに捉われずおすすめしたいです。