Chapter 3-4
朔羅となぎさ、水輝の三人は、招待状の案内に従い鷲澤邸を訪れた。豪奢な屋敷だった。
純和風の扇空寺の屋敷に対し、洋風の豪邸。よく見れば、ところどころに蛇の装飾が見て取れる。
「あなたは……!!」
「やあ、水輝か。久し振りだね」
門の前に佇んでいた人物に、水輝が目を見開いて反応する。
「それとようこそ、『魔法使い』のお嬢さんがた。俺は天苗双刃。そこの月島水輝とは幼馴染みでね。よろしく」
朔羅たちはそれぞれの獲物を構える。朔羅は処刑鎌を、なぎさは弓を、水輝は二丁拳銃を。
「通してくれるかしら。この先に私たちの友人がいるの」
「知ってるよ。神埼空は俺にとっても昔馴染みでね。ああ、あいつを攫ったのは俺だよ」
朔羅たちは目の色を変えて双刃を睨む。
「うん、いい目だ。充分そそられる。それじゃあ、仕合おうか」
双刃が取り出したのは、一本のナイフだった。それを逆手に持ち、腰を落として構える。
「まあ、どう考えてもそうなるわよね。……それなら」
「きょーこーとっぱ、させてもらうからねっ!」
朔羅は宣言した瞬間、双刃の懐に潜り込んでいた。そして柄の部分で容赦なく彼の腹部を突く。
が、確実に捉えたと思われた双刃の姿は次の瞬間、双刃の姿は消えていた。
「朔羅、後ろ!」
「鎌の上です!」
なぎさと水輝の声に、朔羅は肩越しに背後を振り返る。
するとそこには、鎌の刃部分に見事なバランスで立つ双刃の姿があった。
「遅い」
銃声。それは双刃がその凶刃を振るう寸前に放たれた。
変幻自在の軌道を描く二つの銃弾が、うねりを挙げながら双刃に迫る。
これを双刃は身を逸らして避け、力いっぱい振り回された鎌の上から飛び退く。
続いて双刃に襲いかかるのは、雷撃を帯びた矢だった。まだ空中にいる双刃を狙ったそれを、手にしたナイフで切り払う。
「ははは! いい連携だ! ぞくぞくするね!」
着地と同時に、双刃は地面を蹴る。
「まずは一人」
三人が、その姿を捉えることはできなかった。
次の瞬間には双刃の姿は水輝の眼前にあった。懐に入り込んだ彼は、さきほど朔羅にやられたことをやり返すかのように、ナイフの柄で水輝の鳩尾を穿った。
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