第73節 信じる気持ちが成長を促す

「スポーツをやっている高校生を持つ親です。要領ようりょうが悪く、もどかしい気持ちになってつい先回りして口を出してしまう。見守みまもる気持ちが大事とは思っているけれど、もっとこうしたらいいのにとか、だからうまくいかないんだなとか思ってしまってつい、小言を言ってしまうんです」


こんにちは、柑那かんなです。


もしかして、本人の前で「うちの子要領ようりょうが悪くて!」なんて、他の人に言ったりしてませんか? こどもって、そういうのしっかり聞いてるのよね。で、「ああ、私は要領ようりょうが悪いんだな」って思いこんじゃう。特に年齢が小さいと、それが自己評価じこひょうかみたいになってしまって、「自分は不器用ぶきようだからどうせできない」というような価値観になりやすいから、本当にやめてね。もちろん、「うちの子は勝負弱い」とか「次男は気が弱い」とか、子どもってそういうの聞いてるし、きずつくよ。

たとえ本当に要領ようりょうが悪いんじゃないかな? って心配だったとしても、本人には聞こえないように言ってほしいものよね。(先生にこっそり言ってるのも聞こえてる)


子どもって、親の思っていることを敏感びんかんに感じ取るよね。

たとえ言葉にしてなくても、思ってることが伝わってる事がある。それをよく表しているのがピグマリオン効果とか教師期待効果って言われるものなんだけど、教師がこの子は将来有望ゆうぼうだなとか、この子たちはできる子たちだなって思っていると、そういう生徒になっていきやすいって言われてる。逆も同じ。このクラスダメだって思っている先生が担任になると、成績が落ちたりするんだって。

たとえばこの子は問題児だなって思って見ていると些細ささいな行動が問題行動に見えて、「ほらやっぱり」って態度をとったり、問題があった時に「あいつがやったんじゃないか」ってうたがったりしてしまう。そうしたら、子どもは反発はんぱつして余計問題行動を起こすようになる。先生はやっぱり問題児だって思うし、子どもは余計反発して・・・ってどんどん悪いことをしてしまう。

これって先生と生徒だけじゃなくて、親と子でも同じようなことが起こるから、本当に気を付けてほしい。


それらをまえて最初の問題にもどるけど、子どもの先回りをして口を出してしまうっていうのは、子どもに対して「どうせできない」という気持ちがまさってしまっているから?

どうせできないだろうって思われてたら、きっとできないよね。

それか、失敗してほしくないっていう気持ちがあるから?

失敗することで成長できるってこともあるよね。


子どもに成長してほしいって思うなら、失敗してもいいから本人の力でやるまで待たないとよね。失敗してもし落ち込んでいるようなら、こうしなさいとかアドバイスするんじゃなくて、話を聞いてあげてほしいかな。子どもって頼りなく見えても自分でいろいろ考えてるし。聞いてみたら意外にしっかり自分のことわかってたりするかも。


人生経験が少ないし上手く行かないことも多いけど、自分の力を試したいって年齢でもあるわけで。最後の最後どうしようもなくなった時に助けてくれる人がいるんだっていう安心感があるから、子どもって思い切って冒険できるんじゃないかなーって。柑那かんなだったら両親にそんな風に見守ってもらいたいって思うかな!!


ピグマリオン効果について書いた本編はこちらです!

<似た者同士>

https://kakuyomu.jp/works/16817330649112470710/episodes/16817330650446667062

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