第63節 準備の大切さ

「うちの監督は結果を出せって言う。だけど、メンタルコーチは結果より準備って言う。何が正しいの?」


こんにちは、柑那かんなです。


メンタルコーチは確かに結果より準備とか、そういう言い方をするね。結果を出したければそれなりの準備(コンディション、練習、メンタルすべてにおいての)をしておかないといけないよ、準備なしにいい結果は出ないよ、っていう意味だと思う。


そしてメンタルコーチはかならずしも結果が出るとはかぎらないことを知っている。スポーツは勝ち負けだから。自分より上回うわまわってくる人がいれば、当然負ける可能性もある。だから、結果が「全て」だとは思っていないんじゃないかな。


結果はコントロールできないけど、準備は自分次第でどうにでもできる。だから、準備を大切に。って言うのかもしれないね。


練習をするときには頭を使おう。パス練習をするよって言われてただ相手のところにる、自分のところに来たのを止める、その練習ももちろん最初は大切。だけど、それができるようになっても同じ練習を続けたら成長しない。止める、るができるようになったら、どこにるか、どのようにるかを考えてる。自分が思ったところにボールが行くか、思ったところよりズレたか。ズレたなら、どのり方をすれば思ったところにボールに行くようになるか、試してみる。

パスを受ける練習もそう。ただ受ける、止める、だけじゃない。その後、どういうプレーに続けることを意識しているのか。次にりたいところに、りやすいところにボールを止めることができたか。


一つひとつの練習に、何のための練習なのか、を考えるくせをつけよう。試合の中のどういうシチュエーションでこの練習がやくに立つのか、他の場面でも応用おうようできるか……なんてことを考えながらやっていると、いつもの練習が2倍、3倍の意味を持ち始める。当然、上手くなるスピードも上がる。試合中に、自分で判断できるようになる。プレーの選択肢せんたくしが増える。より適切なプレーを選べるようになる。大事なのは、いわれたことだけをやるのではなくて、自分なりに付加価値ふかかちをつけていくこと。


そしてつねに試合のつもりで練習すること。試合の時にはもっと真剣しんけんにやるよ、とか、練習だからって手をくとかは、もってのほか。本番はちゃんとできるから大丈夫、なんてこと、絶対にないから。1回くらいはたまたま偶然ぐうぜんあったとしても、2回はないから。練習で手をいていたら、試合の時もそのリズムで体が動く。試合のテンポについていけない。


本編ほんぺんの中で界登かいとくんが1年生の練習に声をかけるシーンがあったんだけど、まさにそれが「試合を想定そうていした練習」ってこと。試合でありえないシチュエーションでばかり練習していると、本番のプレッシャーがかかった状態でおなじようにできる??ってことね。そうでなくても、練習より本番の方がパフォーマンスは下がるもの。練習からプレッシャーのかかる場面を想定そうていして練習することで、試合のプレッシャーをより楽にすることができる、それが、効率こうりつのよい練習ってことね。


界登かいとくんのお話はこちらから読んでくださいね。

<練習は、量より質>

https://kakuyomu.jp/works/16817330649112470710/episodes/16817330650446725525


じつはこの界登かいとくんが言っていたこと、元日本代表の選手が同じことを言っていたの。さすが界登かいとくん、って思ったわ。だって界登かいとくんまだ高校生だもん。4年後、プロになって、いずれは海外へ……なんて、そんな夢も広がるよね。

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