第15話 私の覚悟

…………見返すためにはどうしたらいいだろうか。タイミングが掴めないし、そもそも「見返す」ってどうやれば…??


うーん…。何かいい話とかあればいいのに。

その「いい話」が来るとは知らずに自分は黙々と考えていた。


◇ ◇


ある日の部活。顧問の先生から「いい話」が


「新しくやる2曲の楽譜を配布するので、パートごとで担当を決めてパートリーダーは楽譜を貰いに来てください。」

そう声をかけられ、着々と担当が決まっていった。そして、

「奏はスネアでいい?任せたい。」

「うん。いいよ。」

正直打数はどのくらいかは知らないが、任せられたならやるしかない。


そして楽譜が2枚配られた。

おっとこれは…今までに見た曲の中で一番打数が多い…というか、多すぎる…。

ハイテンポかつこの打数。感覚が掴みずらいリズムばっかりだった。

正直言って中学レベルの難易度だ。こりゃあ本番までにどうにかしないと…。と、思っていた。私はあることに気づいた。


…見返すのにいい曲では?

これ叩けたら認めてもらえるし、差を見せれると私は思った。

そう来たら必死に努力して見返してやる。


そう、本当の地獄はここからなんです。


◇ ◇


早速練習開始。だが大きな壁があることに気づいてしまった。それは「他のパートの音を聞かないと理解できない」ことだった。

指揮が全てではない。「合わせる」のもすごく大切なことだ。なので他のパートの音を全く聞いていない今の状態は最悪だ。


「どうしようもない」と言うべきだろうか。

でも諦めたくはなかった。

自分でテンポを取りながらこうかな?と思ったリズムを叩いていく。

それしかなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「人生」という遺書 みー。 @miwadayo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ