さわぐ!

 するする、きゅるきゅる。

「真穂君、アニメ観る?」

「え、みる!」

「じゃ、おいでー」

 朔斗君の、綺麗に片付いた部屋に走り込――

「靴を脱げ」

「あ!」

 床に乗せかけた足を急いで引っ込めて、靴を脱ぐ。

「脱いだ!」

「靴を脱いだ足で、ベランダを踏むんじゃない」

「分かった!」

「そんな、気にしなくてもいいんだよ」

「掃除が大変になる」

「うーん、でも、二人とも綺麗だもん……」

「律君! まだぁ?」

「今、行くよ」

「律君、ここ! ここ来て!」

「はいはい……」

 後から入ってきた律君の膝に座って、わくわくする世界を待つ。

「朔斗君は? また宿題?」

「うん」

「だから、あまり騒ぐなよ」

「気にしないでいいよ。二人の楽しそうな声を聞きながらだと、宿題が捗る」

「だって! じゃあ騒ぐ!」

「敢えて騒ぐな」

 分厚い本に囲まれた朔斗君は、楽しそうに笑うと、大きなノートにさらさらとペンを走らせ始める。

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