動画:引継ぎありハードモード part1
「よし!」
陽歌は顔を叩いて気合を入れる。今回の動画では、以前クリアしたゲームをアイテムなどの引継ぎをしつつ二周目、難易度も一つ上げてハードでプレイする。アクションなので義手の性能も見せられてちょうどいい企画だ。
「はい、どうもこんばんは。トライキマイラの浅野陽歌です。今回は以前クリアしたこちらのゲーム、ハードモードでやっていきます」
「お前メトロイドヴァニア好きだなホント」
隣にはいつもの様にショウゴがいる。そして、配信環境も整ったのでユウヤも一緒に動画に映っていた。
「あれ? このゲームのタイトルってブラッドなんとかじゃ……」
「ゲームジャンルのことだよ。こういう探索してキャラを育成するアクションをメトロイドヴァニアっていうんだ」
「へぇ……」
余談はそこまでにして、と陽歌が重要なお知らせを視聴者にも伝える。
「他のSNSでも言ったけど、あの殺害予告はもう警察が動いていて犯人捕まったんだって」
「どうせ数年で出てくるんだろ?」
「あんだけ老いぼれてたら数年でも獄中死だね!」
ショウゴの懸念も他所に、陽歌はにこやかに物騒なことを言う。
「ま、まぁ執行猶予付いたらどうしようか……」
ユウヤは実刑判決にならないことを危惧した。脅迫の初犯は確かに執行猶予が付くことも多い。
「別に執行猶予がついても前科がないわけじゃないでしょ。却って長めにぶち込むチャンスじゃないかな?」
「そ、そうだね。保護観察中の犯罪は普通より刑が重くなるね」
あの一件以来、むしろはっちゃけた様子の陽歌であった。しかし、実の親を探すという目的を失った今、彼は何のために活動しているのか。
「そういえば新しい目標、見つかった?」
「まだかな。とりあえず、義手の宣伝っていうもう一つの目的を果たしたいかな」
ユウヤが聞くと、陽歌は最初の掲げたもう一つの目的を果たそうとしていた。世界に義手を求める声がある限り、teamトライキマイラの活動はまだまだ続くのであろう。その先に別々の景色が広がっていたとしても。
ストリーマーの三匹:teamトライキマイラ 級長 @kyuutyou00
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます