バレストラ魔法大会1回戦
「さて、今年はどんな野郎が出てくるんだ?」
観客席から見ている一人の女性。
彼女の名はエレナ・ヴァタール
彼女は本来魔法学園にいないといけない時間だ。
何故か、それは彼女が魔法学園の教師であるからだ。
今回、自分が受け持っているクラスから魔法大会出場者がいるからという理由で学園から抜け出してきたらしい。
「えっとーグランの試合はいつだっけ?」
彼女は入場する時にもらったトーナメント表をポケットから出し、開いた。
「なるほど、結構先だな」
「さて、第一回戦の相手は騎士団所属、カスティーナ・フロンvs個人参加の住人レルカ・アークの対戦です!」
「へぇ、魔法騎士団と住人の対決か」
「住人がボコボコに負ける所見るか」
こいつ性格終わってるな
「正々堂々戦おう」
その言葉はレルカには届かなかった。
(あ?あいつ何言ってるんだ?)
「僕には魔法騎士団の誇りがある」
「だから君を殺してしまうかもしれない」
(なんか、アホらしいこと言ってそう。まぁいいとりあえず『遮断魔法』は切るか)
「さて皆さん!第一回戦を開始いたします!」
[Début des combats!(戦闘、開始!)]
「いくよ!」
足に魔力を込め地面を蹴り、俺の目の前まで来た。
「遅すぎるな」
「…は?」
『魔力解放』
俺は魔力の1%くらいを出した。
そこにはみんなが驚いたような顔をしていた。
「何故だ?何故ただ魔力を解放させただけなのに」
「魔法騎士団所属の奴が吹っ飛ばされるのだ!?」
「は?」
エレナも流石にびっくりしたようだ。
(あり得ない、魔力をただ解放させただけだ。だけど何故相手は吹き飛んだ?)
「おいおい、これ先の威嚇で平伏すなよ〜?」
「てめぇ、正々堂々戦おうと僕が言ったじゃないか」
「あーお前そんな事言ってたの?ごめん聞こえんかったわw」
『は?』
俺は相手の血が逆流している事を感じた。
「おいおい、そんな事でキレるなよ?」
「うるさい、俺は人の話を聞かない奴は殺したくなるくらい怒りが溜まるんだ」
「だから…」
「お前をコロス!!」
よだれを垂らしながらこっちに向かって走ってくる。
キモすぎる。
『豪火魔法』
「あ、あれはAランク魔法の『豪火魔法』まともに受けたら体の形すら保てないぞ!」
「はぁ…呆れたぞ」
火が俺の前まできたが俺には当たらない。
「な、何故当たらない!?」
「何故かって?それは魔力で弾いているのだ」
「ま、魔力で!?」
そう、俺はさっき『魔力解放』という事を別に任意で発動しなくてもできる事をわざわざ任意で発動した。
その『魔力解放』は自分を守る事にだって使える。
だから俺が魔力を解放した瞬間、俺には絶対に攻撃は当たらない。
「さて、次は俺だ」
わざわざ任意で発動しなくてもいいんだけどな。
まぁいいや。
俺は頭の中にある魔法を想像し、『具現魔法』で実体化させた。実体化させたのはある魔法。
「な、なんだこれは…」
「何って、『砲剣魔法』を隙間なく展開しているのだが?」
『砲剣魔法』
これは魔法陣から剣を放出するという魔法。
しかも、これは悪魔の魔剣であるためどれだけ逃げようとしても絶対に命中する。どんなに強い結界を張ったとしてもな。
「やだ…死にたくない…」
「しねぇぇぇぇ!!!!!」
天空にある魔法陣から魔剣が光以上の速さで奴の胸や目に刺さった。
「あ、、、、あ」
「う、嘘だろ…一回戦目から人が死んだ…」
「は?何を言っている、死んだなら蘇生すればいい」
俺は手に魔法陣を展開させ。
『蘇生魔法』
を出し、奴を復活させた。
「あ、あれ?俺は何を?」
「お前はさっき死んだのだぞ?1万を超える魔剣を体中の至る所に刺されてな」
「そ、そうだ俺は…」
どうやら思い出したようだな。
「どうした、立ち上がれ。まだ勝負を続けるぞ。」
「棄権させていただきます」
は?
「カスティーナ選手の棄権が確認されました。よってレルカ選手の勝利です!」
「うぉぉぉぉぉ!!!!!!」
観客からすごい声がした。
「そしてレルカ選手の2回戦なのですが相手の方がリタイアしたので、3回戦に出場決定!」
これが何回も続き…
「レルカ選手決勝進出!!」
嘘だろ…
50世紀ぶりの大魔王 涼波 @Jaemin0127
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