最終話 幸せへと続く日々
玄関脇の待機室へと戻ると、僕はその足でソファへと倒れ込んだ。
なんか、想像以上に疲れてしまった。
何もしたくないし、早く家に帰りたい。
菜穂に会いたいし、祥子さんと琴子さんの笑顔が見たい。
詩さんの本当かどうか分からないボケも聞きたいし、凪さんの圧も感じたい。
とにかく……もう、家に帰りたくてしょうがないよ。
だけど、まだまだ帰れないよな。
あれだけ場を荒らしてしまったんだ、何かしらの責任を取らないとかも。
解放された訳じゃないのに、なんだか気が抜けてしまった。
横になっていると、段々と瞼が重くなっていくのが分かる。
多分、なにかあったら起こしてくれるよね。
少しだけ寝よう、少しだけ……。
★
「失礼します」
「はい! え、あ、寝坊しました⁉ すいませ――」
慌てて飛び起きて、我に返る。
仕事じゃないよ、古河家の待合室じゃん。
黒服さんもなんか笑い堪えているし、恥ずかしいなぁ、もう。
「海縁様がお呼びになっております、もう一度ご足労頂けますでしょうか?」
「……あ、はい、かしこまりました」
立ち上がって大きく背伸びをして、ボキボキと骨を鳴らす。
ふぅ、すっかり寝ちゃってたな、お陰で頭の中がスッキリだ。
時間は……午後一時か、おお、二時間ぐらい経過してる。
案内された場所は、先程とはまた違う場所だった。
和室ではなく洋間、もふもふの絨毯に意匠の施されたテーブルと椅子。
なにより違うのはテーブル上のご馳走の山だ。
甚兵衛姿のままの海縁さんに、和服からTシャツとスパッツに着替えた
なんか、服装が違うだけでぐっと若く見えるな、髪型も崩して今はふわっとした七三だ。
「よく眠れたかな?」
「え、あ、あの、すいません、すっかり眠ってしまいました」
「いやなに、こちらこそ醜態を晒してしまい、すまなかった」
海縁さんは椅子にかけたまま、深く頭を下げる。
恥ずかしいのか、富木菟さんはちょっとだけ下げていた。
「せっかく高野崎君に足を運んでもらったのに、昼の一つも馳走しないのでは古河家に傷がついてしまうと富木菟がうるさくてな」
「そういう言い方は無いんじゃないんですか? ……でも、本当にごめんなさい。突然泣き叫ぶなんて、古河家の正妻失格ですよね」
口に手を当て微笑む富木菟さん。
なんだか、最初見た時とは随分と雰囲気が違うな。
相槌を打ちながら席に着くと、さっそく僕の前に湯気立つ鰻重が運ばれてきた。
え、食べていいのかな? マナー的には上座から食さないとだけど。
「遠慮せずに食べなさい。私達はもうお腹いっぱいなんだ」
「あ、そう、ですか。では、遠慮せず……いただきます」
ん、なんだこの鰻重、食べたことないぐらいにほわっほわだぞ。
骨もないし、それなのに皮がぱりっぱりしてる。
タレが信じられないぐらいに美味しい。
やばいぞこれ、皆にも食べさせたい。
「さすがお若いわね、もう食べちゃったの?」
「あ、すいません、本当に美味しくって」
「代わりを用意させようか? 他にも手の届く所にあるものは、自由に食べて構わないからな」
手の届く所にあるもの……ハムとかマカロンとか、見た事もないケーキとか。
菜穂が見たら「なほー! しあわせなのー!」って叫びそうな程にあるぞ。
「食べながらで構わないのだが、高野崎君」
うん? なんだろう、改まって。
「実はな、先程、家内が茜乃に連絡を取ったんだ」
口の中に頬張っていたご馳走を水と共に流し込み、話に集中する事に。
瞳を細くして、どこか嬉しそうに富木菟さんが語り始める。
「二十年ぶりに聞いた茜乃の声だったけど……あの子、何も変わってなかった。どうして連絡を寄こさなかったのって、怒られちゃったのよ。こんな事なら、もっと早く連絡を取れば良かった。凪が生まれてからだから、二十八年よ? それなのに、僅か一分も会話しないで以前と同じ様に接してくれるの……心の底から茜乃に会いたくなっちゃってね」
「それで、俺たちも高野崎君を見習い、一緒に住まう事に決めたんだ」
海縁さん、しっかと富木菟さんの肩を掴み、破顔しているけど。
「一緒に住まうって……茜乃さんとですか?」
「ええ、最初からこうしていれば良かったって、今なら思える。何もかも貴方のおかげよ、高野崎さん」
「向こうも了承してくれてな、さっそく迎えを出した所なんだ」
「……そうですか、それは良かった」
茜乃さんの涙、大好きな人と過ごせない涙は、きっと枯れることがない。
それは海縁さんも同じことだったのだろう。
まったく、みんな正直じゃないよな。
離れたくないなら離れなければいいんだ。
「それで何だがな、高野崎君」
「はい、なんでしょうか?」
「本当なら、君に家業をついで欲しいと思うのだが、多分君は首を縦に振らないだろう。頑固な男だと言うのは百も理解した。だが、首輪をかけておきたいと思うのだよ」
「首輪、ですか?」
物理的な首輪は勘弁願いたいなと、自分の首を思わず触る。
「ああ、心変わりした場合や、凪に良い人が現れなかった時の保険として、君を抑えておきたい。本来なら婚約という形が一番なのだが、それは難しい。この二時間悩んでいたのだがな、ふと、琴子から連絡があったのを思い出したんだよ」
「琴子さんからの連絡……?」
「家が欲しい、とな」
あ、そういえば琴子さん、そんなこと言ってたっけ。
父親に相談するって言ってたけど、あれ、本当にしたんだ。
「最初聞いた時は、何を馬鹿げた事をと思っていたのだが。いやいや、むしろ君を抑えられるのなら安いものだ」
「……え、本気ですか?」
「ああ、本気だとも。それにな、俺の第六感がビンビン伝えてくるんだよ。凪は、君に惚れているとな」
思い当たる節しかないけど、それをお義父様の口から言われると、ちょっと重いな。
「その場合、結果としてウチの後継者は君ということになる」
「いや、ならないですよ」
「なぜだ?」
「だって、僕は凪さんとは結婚しませんし」
あ、ハム美味しい。
もぐもぐしていると、お義父さんはお義母さんへと視線を移す。
「なぁ富木菟、古河家の姉妹両方を持って行って家業を継がないというのは、どうなんだ?」
「そうですね、万死に値するかと。多分、茜乃も許さないと思いますね」
「そうだな、闇に葬るしかないか」
もぐもぐもぐもぐ………………。
え、闇に葬る? この人たちが言うと、詩さん並に冗談に聞こえないんだけど。
そういえばこの前、凪さんも言ってたよな。
本気になったら、明日の今頃僕は太平洋の真ん中で放り出されるって。
「……分かりました、その代わり、凪さんが良い人を見つけなかったらの話ですからね」
僕の返事を聞いて、二人してハイタッチまでしちゃって。
全然若いじゃないか、後を継ぐって言ったって、向こう三十年後ぐらいの話なんじゃない?
「すいません」
「なんだ? もう君は息子同然だからな、好きにしてくれたまえ」
「あの、菜穂がハム好きなので、ここら辺包んで貰ってもいいですか?」
★
結局、ハムだけで良かったのに、随分と大荷物になっちゃったな。
高級車にあるまじき状態だよ、後ろのトランクが閉まらなくて紐で縛るとか。
「しかし、まさかでしたね。本当におめでとうございます」
「重さん……僕だけじゃありませんよ。重さんの、皆さんの協力あってこその今です」
「そういって貰えると、ハンドルを握った甲斐があるというものです。これで高野崎様は名実ともに、古河家の一員ですからね。私のことは足として、自由にお使いください」
別れ際に言われたけど、重さんは僕の専属付き人になるらしい。
付き人っていうか、見張りかな。これ以上恋人が増えない様に、とか。
増える訳ないじゃんって思ったけど、詩さんと凪さんの名前出されて、なんとなく沈黙。
「そうだ重さん、重さんも今度は一緒に温泉入りませんか?」
「え、子宝の湯ですか?」
「いやいや、普通の、草津あたりでどうです?」
「ははは、ならば謹んでお受けしたいと思います。……そろそろ到着しますよ。奥方様も首を長くして待っていることでしょうね」
「奥方様じゃないよ……でも、世界一大事な人達だ」
出た時はあんなに暑かったのに、夕暮れになると丁度いい感じになってくれて。
嘘みたいな笑顔で皆迎えてくれるんだろうな。
お土産も沢山だし、菜穂、喜んでくれるかな。
それに祥子さんと琴子さんも……いっぱい心配してくれたからな。
今日ぐらい、目一杯甘やかしてあげないと。
重さんと共に階段を上り、玄関の前に到着する。
夏の空気を胸に吸い込んで、僕は大きな声で伝えるんだ。
「ただいまー!」
――
完
――
エピローグ【幸せ過ぎる結婚式】
「おかえりなさい! 俊介さん、新しい環境で大変なのに、毎日お疲れ様です!」
「あはは、思っていた以上に水産の幅が広くって、覚える事が沢山で参ってるよ」
大きくて広い玄関に、可愛い恋人の祥子さんが出迎えてくれる家とか、幸せしかない。
それにしても、船に乗り魚を覚えるところからスタートなんだもんな。
更に言えば漁業取締の組合とかにも行かないとだから、以前よりも断然疲れる。
「そうだろう? 私の髪が完全に干上がってしまった程だからな」
「凪さんは女性なのに、よく耐えてましたね」
「あの頃はがむしゃらだったからな、今はお陰様でのんびりさせてもらってるよ」
すっかり女性になってしまった凪さん、今は太ももくらいが隠れる程度のサマーセーター一枚であちこち行っているのだとか。あちこちって言うのは、婚活。でも、良い人がいないんだってぼやきながら帰ってきては、僕にこうして管を巻いている日々。
でもね、詩さんに調べて貰ったから知ってるんだ。
凪さん、婚活全然まともに活動してないって。
パーティに参加こそすれど、誰とも会話も名刺交換もせずに帰って来るのだとか。
そんなに塩対応だと最終的に呆れられちゃうんじゃないの? って思ったんだけど。
『どうやら謎の美女って事で、逆に人気があるみたいです。運営側も凪さんが参加すると男性比が上がるらしくって、ぜひ参加して欲しいとか言ってましたよ?』
詩さんの探偵スキル重宝してます。
っていうかそんなのでイイのかよ、結局は金か。
「ただいまー! あ、俊介さんの方が先でしたねー!」
「ほら詩さん、帰ったら靴揃えないとダメですよ」
僕の後に帰ってきたのは、あれからずっと住み着いている詩さんと、最愛の人である琴子さんだ。詩さんは僕が退職したオプレンティアに入社し、今では琴子さんの下について目下勉強中だ。元々会話の素質は抜群だった詩さん、既に何件かの顧客にお気に入りにされたらしく、営業職としての腕前が僕以上なのは間違いない。
琴子さんは楓原営業所の課長へと昇進し、係長になった遠越君と共に営業所を盛り上げてくれている。
『本当は俊介さんと一緒に仕事したかったです。でも、家の事もありますし、俊介さんが選んだ道なら、それが一番正しいと信じてますから』
僕が退職を決めた時の、琴子さんの言葉だ。
海縁さんの熱い推薦もあり、僕は結局古河水産へと入社する事になった。
凪さんがダメになった時には……なんて言ったのが運の尽きだったんだろうね。
どちらにせよ下積みしないと家業は継げない、修行という名のもと、強制的に入社する事に。
足もすっかり良くなったし、すっかり海の男になってしまった僕だけど。
今のところ、後悔の二文字は存在しないかな。
凪さんが菜穂のお迎えもしてくれているし、祥子さんだって家にいるのだから。
「そういえば俊介さん、日程が決まったってお義父さんから連絡がありましたよ」
「お義父さんって……海縁さんの方?」
「はい、海野ホテルを使わさせて頂けるみたいで、プランも全部抑えたとの事です」
「そっか、なるべく早めにしないとだよね」
「はい、そうじゃないと、ドレス着れなくなっちゃいますから」
実は、既にもう祥子さんのお腹の中には、僕との赤ちゃんがいる。
三人で夜を過ごすという約束通りにしていたのだけど、懐妊したのは祥子さんだけだった。
琴子さんが悔しがってたけど、それは心の底からの悔しさではないと思う。
『次、琴子さんが妊娠したら、私が色々としてあげますからね!』
なんて言いながら、二人笑顔で過ごしているのだから、本当に仲のいい事だ。
それにしても式場が決まったと言う事は、僕の方も準備しないとだな。
案内のハガキに、お返しにその他諸々、考えることは沢山だ。
「とりあえず、ご飯にしましょうか? 菜穂ちゃんも皆、お腹空かせて待ってますよ?」
「……あ、ごめん、お腹の子も、お腹空いちゃうよね」
「ふふっ、どうでしょ?」
妊娠十週目、まだまだこれから大きくなるのだろうけど、ウェディングドレスを着るとなると、急いだ方が良いに決まってる。もっと早く決めれば良かったのだろうけど、新居への引っ越しとか、色々とバタバタしちゃったからなぁ。
「ぱぱ! あかちゃんまってるよ!」
「あ、ごめん、菜穂もすっかりお姉さんだね」
「なほ、やさしいおねえさんだからね! あかちゃん、なほおねえたんがまってますからね!」
たまにまだ発声が崩れるんだよな。
でも、それもいつかは治るのだろう。
だって、こんなにも会話が尽きない家族なのだから。
★
――式当日。
――海野ホテル第一会場裏。
「……あれ、なんで、詩さんと凪さんまでドレス着てるの?」
来賓対応していると、通路を純白の花嫁が二人、とことことやってくるではないか。
しかしよく見ると、何故に詩さんと凪さん? 貴女達は違うでしょうに。
「え? えへへ、海縁さんがお前達も着ておけって言ってくれましてね」
「父上がな、どうせ凪は着る事ないんだから、ドレス姿ぐらいは見せろってうるさいんだ」
「それで、今からお義父さんの所に行くんだ」
「ああ、でもその前に、高野崎に見せておこうと思ってな」
「どうです? 詩の花嫁姿、可愛くありません?」
凪さんのドレスは、大きく胸元の開いたゆったりと波打つタイプのAライン型と呼ばれるドレスを着用していて。胸元の大き目のリボンがとても可愛くもアリ、綺麗でもあり。これで告白なんかされたらほとんどの男がOKしちゃうんだろうな。
詩さんの方はプリンセスライン……じゃないな、ミニ丈って呼ばれるタイプのドレスだ。ふわり広がるスカートは短くて、膝下くらいからは足が見えるタイプの、元気な詩さんにはお似合いな感じの若さ溢れるドレスだ。
「とっても似合っていると思います」
「……そうか、ありがとう」
「ほらー、高野崎さんなら絶対褒めてくれるって言ったじゃないですか!」
「あ、でも、式場には着替えてから来てくださいね。身内が新婦よりも派手とか」
「そ、そうか⁉ 新婦よりも可愛いか⁉」
可愛いなんて言ってないよ。
凪さんはそろそろ僕を諦めて欲しいのですが。
いきなりの登場に泡喰っちゃったけど、急がないとそろそろ。
「ああいたいた、ホテルの方から、そろそろ準備をして下さいとの事ですよ」
「重さん……最後まですみません」
「いやいや、最後なんて、まだまだですよ」
本当、忙しい……でも、心地いい忙しさだ。
結婚式か、まさか本当に挙げられるなんて思わなかったな。
★
「では、神父に続きまして、新郎様、ご入場をお願いします」
二度目だけど、緊張するのは変わらないな。
ゆっくりとバージンロード前まで行き、静粛な空気の中、礼をする。
お、遠越君に一ノ瀬君、江原さんまで来てるのか。
他にも営業先のお得意様とか、親族の数も凄いな。
祭壇前に到着して、小さく深呼吸。
「では、皆様後ろをご覧ください。両新婦のご入場です」
扉を開いた瞬間、僕の心臓が一気に、加速度的に早くなった。
二人のお義父さんと共に入場した新婦たち。
ベールダウンした二人、そのどちらもが僕の花嫁なんだ。
予め通達しておいたからだろう、会場に変化はなく、皆も受け入れてくれている。
婚約届けも何もだせていない、本当に形だけの結婚式。
でも、それでも、僕達は愛を誓いたいんだ。
「後は、宜しく頼むよ」
「俺からも、同じ意見だ」
こんな僕のわがままを聞いて下さり、本当にありがとうございます。
深くお辞儀をし、二人の新婦の手を、僕は取る。
「えへへ……どっちがどっちだか、分かりますか?」
「そんなの、分かるに決まってる。綺麗だよ、二人とも」
「まだベールアップもしてないんですから、早いですよ」
小声で会話しているだけで、頬が緩みっぱなしになってしまうよ。
振り返り、三段ほどの階段を上がり、神父の祝福の賛辞を耳にする。
「永遠の愛を誓いますか?」
神父の言葉に、僕は誓いますと答える。
普通はないであろう、三人での挙式。
神父の言葉もいつもの言葉ではなく、今回用にアレンジしてあるように聞こえた。
そして二人共、それぞれ口にするんだ。
「永遠の愛を、誓います」
「私も永遠の愛を、誓います」
ウェディングキスの順番も、既に決めてある。
『妊娠は先に私がしましたから、琴子さんからどうぞ』
なんとも律儀な事だ、でも、祥子さんらしくてそこがまた愛くるしい。
琴子さんのベールをふわり持ち上げると、そこには心の底から美しい人がいた。
天使かなって、本気で勘違いしてしまうほどに、綺麗だったんだ。
「……ほら、早く」
「あ、ごめん、綺麗すぎて」
「もう、新婦を待たせるとか、ダメですよ」
そっと重ねる唇、もう、既に何百回としてきたキスだけど、やっぱり今だけは特別だ。
振り返ると、そこにはもう一人の新婦が、今か今かとうずうずしている。
「ふふっ」
「え、なんで笑うんですか」
「ごめん、なんか、祥子さんっぽいなって思っちゃって」
「もう、早くめくって下さい」
もう待てないって感じが嫌でも伝わってくる。
ベールアップするとはち切れんばかりの笑みで、祥子さんは僕と唇を交わした。
軽いキスじゃなくて、それこそ食べられちゃいそうなキスだ。
「ちょっと、祥子さん」
「えへへ、だって、大好きなんだもん……じゃあ、琴子さん」
ん? なんだ? 二人で僕の前に来て、何をするんだ?
「俊介さん」
「うん」
「私達って、間違いなく俊介さんを愛しています」
「……うん」
「だから、これくらいは許して下さいね」
「うん?」
永遠の愛を誓うその場所で、琴子さんと祥子さんは、僕の目の前でキスをした。
それまでの静けさが一瞬で拍手喝采に変わり、僕としてはただただ笑みを浮かべるだけだ。
「愛してるんです、祥子さんの事も」
「私も、琴子さんの事を愛しています」
「あ、えっと、うん、そう、だよね」
「ですから、これからも三人、ずっと仲良くしていきましょうね!」
「離れるとか、絶対禁止ですよ?」
「……そうだね、約束する。神の前で誓います! 僕達三人は、永遠に不滅です!」
――
そうだ、日本国憲法を無視しよう。――離婚した僕と同棲を始める二人の女性、娘がママと呼ぶ二人と結婚するまでのお話――おわり
後書きは近況報告に長々と書きたいと思います。
良かったら見てやってください。
あと、★も頂けたら嬉しい限りです。
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