第6話 女の子の悲鳴

 俺はしばらく考えて、寄るのはやめる事にする。雑誌の立ち読みにしても、入ったら必ず何か買う事にしているからだ。今月は既に結構お金を使っていて、月末まで持たそうとすればどこかで帳尻を合わせないといけない。

 そもそも、今日は雑誌の発売日でもないし。用事がないなら、寄る必要もないだろう。


「やめとくかあ……」


 俺はため息を吐き付出しながら、コンビニの前を素通りする。正直言うと、新作スイーツが出ているかどうかのチェックはしたかった。でもそれは雑誌の発売日にすればいい。今すぐにコンビニに行かなければいけない理由はどこにもなかった。

 だから、多少の葛藤くらいであっさり決断する事が出来たのだった。


 コンビニをスルーした俺は、そのまま自分の家へと向かう。ここまで来たら後少し、時間にして10分も歩けば辿り着くだろう。そろそろ自宅が見えてくる頃だ。

 何となく色々な何かを無視してここまで辿り着いた気がした俺は、謎の達成感を覚えていた。


「さて、後もうちょっ……」

「助けてえええ!」


 その声は背後から聞こえてきた。若い女性の声。もしかしたら同級生くらいかも知れない。平和な地元で助けを呼ぶ声が聞こえて来るなんて、そんな事は初めての経験だった。

 もしかしたら、すごい事件が発生しているのかも知れない。だとしたら、俺がどうにか出来る問題ではないだろう。ただ、一体どう言う事になっているのかの確認はした方がいいような気もする。ヤバいようなら通報した方がいいだろうし。それに、さっきから俺の好奇心は振り向けと叫んでいた。


 ああ、一体どうしたらいいんだ……。



 振り向く

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649068856685

 怖いんで逃げる

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649105854620

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る