現代ファンタジー編

第6話 コンビニに魔女がいた?!

 正直、別に今日はコンビニ行く必要はない。お小遣いだって使えば減るんだし、出来るだけ温存しておくのが賢い人間と言うものだ。浪費癖が身についてしまったら、いざと言う時に苦労するハメになる。分かってる。分かってるんだ、常識的には。

 だけど、気が付いたら俺はコンビニの店内にいた。不思議だ。俺の理性はどこに行ってしまったんだ。あのコンビニのマークに何か暗示がかかっているに違いない。そう、俺は悲しい被害者なんだ。


「えーっと……」


 コンビニには必要なものが一通り揃っている。けれど、俺の興味は雑誌か新作スイーツかお菓子か……それくらいしかない。今日は雑誌の発売日でもないので、本棚はスルーする。足の向かう先はスイーツの棚。新作のチェックをしなければ……。

 と、ここで俺の目は店内にいる1人のお客さんに釘付けになった。


 そこにいたのは、全身黒尽くめのどこからどう見ても魔女にしか見えない服装の女性。ご丁寧に定番の魔女っぽい三角帽子もかぶっている。不思議な雰囲気のメガネをかけていて、でもそれがよく似合っていた。更には、長くて美しい黒髪は腰の辺りにまで届いている。

 彼女の姿を目にした俺は、顔を左右に振って思わず周囲を確認した。あまりにピンポイントなファッションだったので、こう言う服装で何人かが集まっているのかも知れないと思ったのだ。


 けれど、店内にいるお客さんは2人だけ。そう、俺とそのおねーさんのみだった。


「今日ってハロウィンだっけ?」


 俺は思わず日付を確認する。当然ながら10月31日ではなかった。店員さんを除けば、特殊な服装の女性と2人きり。この状況を前にして、俺は変に緊張してしまう。



 気にせずに買い物をする

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649065689454

 ちょっと気になるな

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649066798933

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