ラブコメ編
第4話 ベタベタな出会い
「猫ちゃ~ん」
俺は猫を追いかけて視線を路面に固定する。それはつまり、正面を全く見ていないと言う事だ。地元の通い慣れた道だから、この辺りの大体の様子は把握している。今の時間帯は人通りがほとんどない。だから、周りをあまり気にせずに猫を追いかける事に特化出来ていた。
猫はその自由さと素早さで俺を翻弄する。人が思いつかないルートだって平気で走るからこそ、目が離せなかった。逃げ切られるまで追いかけようと、俺は更に集中する。
だから、角から出てきた人影に全く気が付かなかったんだ――。
「きゃあっ!」
その人物と俺は派手に衝突する。その隙に黒猫はどこかに逃げてしまった。人にぶつかってしまったので、もう猫どころじゃなかったけど。
ぶつかった感覚から言って、俺は女性と衝突してしまったようだ。すぐに現状を把握しようと相手の方に視線を向ける。そこで倒れていたのは俺と年齢が変わらないくらいの見た目の女子だった。
彼女はスカートを履いていて、ちょうど俺の位置から下着がバッチリ見えてしまっている。うーん、これはどうしたものか……。
衝突した直後だったのもあって、女子は俺の視線に気付いていないっぽいぞ。
見ていないふり~
https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330648992416761
凝視するぜ
https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330648992740719
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