第3話 黒猫とダルマさんが転んだ

 俺はそうっとそうっと黒猫に近付いた。警戒させないように優しい雰囲気オーラを放出したつもりだ。今までこの方法で成功したパターンはないけど、今日こそはそのダメパターンを終わりにするんだ。

 俺が近付いているのに気付いた猫は、ゆっくりと距離を取る。いきなり走り去らない分、まだ希望はありそうだ。


「よーしよしよし……。怖くない。コワクナイヨ……」


 ぎこちない笑顔を張り付かせてゆっくりと距離を詰めていく。まるで『ダルマさんが転んだ』だな。癖になってんだ……この緊張感。

 黒猫は俺をじいっと観察している。おお、いい感じっぽい。今日は何となく行ける気がするー!


「君とは仲良くなれそ……」


 もう少しで触れる所まで近付いたところで、猫は一気に逃げ出した。やはり無理か。今回もやっぱり駄目かッ!

 けど、いつもより近付けていたので、オレの心はハイになってしまっていた。



 走って追いかけたろ

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330648992247495

 もうええか

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330649028908924

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