第5話 牢屋生活二日目

「うっ、寒い。」

そんな言葉をこぼしながら俺は目を覚ました。

おかしいな。これから夏になるはずなんだけど。雨でも降っているのか?

昨日は丁度良いくらいだった。部屋の温度でも下げたのだろうか?

 動けなくなるほど寒くはないので小百合のことを確認してみる。

何か異常があったら朝食や連絡を入れる人がいなくなって困るし。

相変わらず隣のベットが少し膨れ上がっているため、この部屋にいないわけではないだろう。後は病気にかかってなく、できるだけ早く起きてほしいんだけど。と、考えていると、

「うっ、寒い。」

と、俺と同じ感想を言いながら小百合も起き上がる。

「おはよ。」

「おはようございます。」

「随分前から起きてた?」

「さっき起きたところですよ。」

「早く起きたら起こしてもらっても構わないからね。トイレとかあるだろうし。」

「てかトイレって近くにあるんですか?」

「ここでてすぐだよ。気づかないで漏らされても困るから、耳のいい人とかたまに周っているけど、それでも防音もしてある部屋だからできるだけ早く言ってね。ていうか、行かなくてもいいの?昨日も行ってないんじゃないの?」

「まだ大丈夫ですよ。ご飯食べ終わった時にでも行けば間に合います。」

「そう?我慢しないでね。じゃあ今日の朝食を持ってくるね。」

と言って、小百合はベットから降りて部屋を出ていった。


 数分が過ぎ、小百合とご飯を食べ始めた。

「さっき確認したんだけど、これを食べ終わったらすぐ会いたいって言ってたんだけど、行けそう?」

「念の為トイレに行かせてくれればいいですよ。他にやることもないですし。」

「わかった。これを持ってった後に案内するね。」

「他に何か今日することとかあるんですか?どれだけ話しをするとか。」

「他には無いかな。暇なら何かリーダーに頼んでみたら。仕事でも暇つぶしでも。でもまぁ仕事はくれないかもだけど。危ない仕事だしもしも逃げ出されたらと考えるとね。うーん、勉強でも頼んでみれば?」

小百合は途中からこの部屋の壁を見ながら話している。それはここに居るからとゆうことだろうか。

「そうですね。何もしないより勉強でもして方がいいですしね。」

「まぁ別に勉強なんてしなくてもいいと思うけどね。まぁでも、時間は無駄にしない方が良いよ。何日間も何時間もここに居るかわからないからなををさらね。時間は有限だし、何日も無駄にするなんてもったいないからね。何かしら自分で考えて何か自分で頼んでみな。」

と言うと、小百合は立ち上がって更に話しを続けた。

「食べ終わった?終わったなら持っていくけど…。」

「あっ、はい。食べ終わりました。お願いします。」

「わかった。じゃあ持っていくね。」

と言って、小百合は部屋を出て行った。

 ご飯を食べ終わってからも感じるのだが、そこまでトイレに行きたいと感じないのだけれども、薬でも投与されているのだろうか。というか、トイレって言って良いのだろうか?オブラートに包んだ方が良いのだろうか。あまり言葉を知らないからあまり知らないけれども。てゆうか、小百合が最初にトイレって言っていたから別にいいだろうか。とゆうか薬が投与されてないかの方が問題だ。もしたら体に異常が起きないかの方が問題だし、それに本当に投与されているのであれば気持ち悪い。ただ、もしかしての話しだから、投与されてない可能性もある。できれば気のせいでほしいけど。

 他にも何か影響が無いか考えていると、部屋の扉が開いた。

「準備出来た?」

「あっ、はい。出来ました。」

「じゃあ今開けるね。」

と言うと、小百合は扉の近くの壁にカードのような物をあてた。すると鉄格子がだんだんと下がっていった。鉄格子のあった上の場所は少しへこんでおり、下は鉄格子と床の間に少しだけ空いている。

これなら事故にあいそうもないけど、一部屋分の長さがあった鉄格子がそのまましたにいったということは、この下にそうゆう機械があるのだろうか?いや、壁にカードをかざすだけでこんな事ができるということは、そこまでの技術があるから、この下に普通の部屋があってもおかしくはないか。

「よし。それじゃあ行こうか。」

「はい。」

と言って俺は初めて廊下に出た。


 長かった。ここまで来るのに何分たったんだろう。いや、何十分かもしれない。確かにトイレは近かった方だけど、三、四分もかかった。結局トイレで何か手がかりになるような物は見つけられなかった。ここの時点で少しでも思えばよかったのかもしれないが、リーダーの居る部屋はさっきの五、六倍ほど長かった。それほど長い道のりだったけど、壁には窓もなく、絵などの目印になるような物もない薄らとした場所だったのに、道に迷わずに案内出来た小百合を凄いと思ったし、ここに居る時間が長いのかな?という疑問が浮かんだ。それと、ここまで来る間、誰とも合わなかったのは、仕事の時間だからだろうか?それともそこまでの人材がないだけだろうか。それについても探ったほうがいいな。

「それじゃあ入るよ。」

と言って小百合は扉を叩いた。その扉は他の扉と同じような見た目で、いかにもボスが居るって感じではなかった。

「春斗を連れてきました。」

「わかった。入って良いよ。」

 中から女性のような声が聞こえてきた。小百合はゆっくりと扉を開け、お辞儀をした後速攻で帰ってしまった。部屋には男性の人しか居なく、女性のような人は居なかった。

「久しぶりだね。春斗君。」

 そんな風に声をかけられたが、見覚えの無い人に久しぶりと言われたのと、見た目は男性なのに女性のような声でビックリした。

「久しぶりって会ったことあるんですか?」

「あぁごめん。前世の記憶だったね。」

 この人も前世の記憶って言った。この話も葵が言っていた秘想石が関わっているのだろうか?いやまぁ、関わってない方がおかしいか。

「そんな事より、なんで君は葵とつるんでいるんだ?少なくとも葵と一緒にいるのはおかしいと思うのだけど?」

「なんでって勝手に葵が付きまとうだけですよ。別に僕から関わろとは思ってません」

「そうか。葵からなのか。二人が関わるのも必然だったのかもね。」

「僕と葵の関係ってどんなのだったんですか?」

「………それは答えられないかな。君が秘想石を手に入れても尚思い出せないなら教えるけど。」

「そもそも秘想石って何ですか?」

「葵から聞いてないのか?今までの人生の記憶を込めた物。命と共鳴してどの世界でも現れて、触れるだけで思い出せる。まぁそれでも段々と取り戻す事もあるらしいけど。後は重要な役割を持っているが、危険物くらいかな。」

「重要であり、危険物ですか。」

「そう。葵から聞いた事無いか?『この世界は普通という固定概念と暇潰しという偽りでできている、か。』と。」

「聞いたこと無いですね。どういう意味何ですか?」

「君にはまだ早かったかもね。忘れてくれ。」

「そうですか。秘想石ってどうやって作るんですか?」

「とある石に想いを込めるだけだ。その石が何の石かはわからないが。」

「想いを秘める石だから秘想石と。そういえば葵って生きているんですか?」

「気になるのか。葵は生きてるよ。今はこっちサイドでやってるけどね。」

 生きているけど、敵になったということ?それとも脅されて。どっちにしても助けてくれないと言うことか。

「今度はこっちから質問させてくれ。君は今までどうやって生きていたんだ?」

「親の中が悪い普通の生活ですよ。それ以外に特徴なんてありません」

「そう、か。わかった。とりあえず場所を移してもいいかな?」

「全然いいですよ」

 目の前の人は立って僕を先導してくれた。


「なんでここなんですか?」

 先導されて来たのは、この場所の食堂のような場所だった。

 連れてこられている間はずっと鼻歌歌ってたし、意外と可愛い所あるんだな、と思っていた。通路は変わりなく窓とかなく、人もいなかった。けど距離としては結構近かった。

「なんでってお腹空いたからだよ。君も食べなよ」

 そう言って片方のうどんを渡してくる。

「うどん好きなんですか?」

「好きだよ。あっちの世界には無かったしね。そんなことより君はここにいたいと思うかい?」

 少しだけ楽しい感じるはだしていたが、真面目な感じで言われた。

「ここにいたいかって………。べつに僕は強くありませんし、あなた達の言っていることしか知らないんですよ?そんな僕に何を望むんですか?」

「べつにここで働けとは言ってないよ。ここにいたいかどうかだ。彼女の側にいてほしいってのはあるけど」

「彼女って葵のことですか?」

「彼女は大丈夫だよ。意外としっかりしてる。彼女ってのは、古百合の事だよ」

「古百合さん?」

「あぁ、もうあんなことをされるのは嫌なんだ」

「あんなことって言われても知らないですし、僕は普通に学校に行ってたいですよ」

「そう、か。それなら彼女の方に問いかけてもいいと思うが、きっと同じだろうな…」

 そう言うと、少し考えるのか箸を置いた。

「そういえばなんですけど、名前を聞いてなかったんで、教えてくれないですか?」

「名前ねぇ………」

 これについても悩んでいるのか、目を逸らした。

「まぁうどん食べちゃいなよ。その後で考えるからさ」

「…はい」

 納得してないけど、伸びるといけないしうどんを食べ始めた。


「ふぅ…。ということで戻ってきたわけだが、何か欲しいのとか無いか?」

「欲しいのもの、ですか」

 うどんを食べ終わった後、すぐに食堂から出て、戻ってきた。

「強いて言うのであれば暇を潰せる物が欲しいです。勉強でも何でもいいので」

「暇を潰せるもの、か」

 そういうと、椅子から立ち上がって棚を触りだした。

「これしか無いが、これでいいか?」

 そういって一つの崩れたルービックキューブを渡してくれた。

「ルービックキューブは得意じゃないんですけど…」

「それはこっちも一緒だ。だけど、いつかはそれを揃えたいと思ってね。暇なら変わりにやっといてくれないか?クリアする前に他のやつを用意するから、さ」

「わっ、かりました」

 自分で揃えなくて良いのかな?とは思ったが、決して言わなかった。

「…ってそれだけじゃあ一日も持たないから、もうちょっと話す時間でも増やしたほうがいい?」

「…いや、たまにで良いですよ。毎日話していてもネタが無くなってしまいますしね」

「そうか。まぁ古百合にはまだ居て貰おうと思うから、何かあったら言ってもらえばいいよ」

 僕が頷いたのを確認したのか、また椅子に座った。

「僕はもうそろそろ仕事をしないといけないだろうし、それを見計らっていたのか、迎えも来てるから、さよなら、だね」

「迎え?」

 誰かな?と思っていると、直ぐに扉が開いて、誰かわかった。

「………迎えに来ました」

 若干嫌な顔した古百合が入ってきた。

「あぁ、それを揃えてくれるのを期待しているよ」

 そういうと、直ぐに書類に目をやり始めた。

 僕の袖を少し引っ張ってくるので、僕は早く廊下へ出た。

「失礼します」

 そういうと、古百合は扉を閉めて静かに早く歩くので、それに追うように走った。が、直ぐに普通に歩き始めた。

「ねぇ、どんなこと言われたの?」

「えっ?前の記憶、葵さん、ここに居たいか、何か欲しいものがあるか…って感じですかね」

 流石に古百合の話題は言わないでおいた。

「そうなんだ。どう?何か仕事でもくれるって?」

「それがさっき貰ったこのルービックキューブを直してほしいってぐらいですよ。ルービックキューブなんて下手なくらいですけど」

「へーそれは大変だね」

 そういって片手に持ってるルービックキューブを少しの間見て、会話が無くなってしまった。


「って事でもう少し待っててね。仕事はまだあるから」

 古百合はそういって、鉄格子を上げて監禁状態にした後、部屋を出ていってしまった。僕はベッドさっきのルービックキューブを取ると、回し始めた。

 数分没頭したものの、結局一面を揃えられずに倒れこんだ。

 はぁ…。いつになったら帰れるんだろう?葵は助けてくれないし………。そういえば結月はどうしてるんだろう?普通に学校を楽しんでいるのかな?


/


「はっ、うぅぅぅう!」

 私はベッドの上でうつ伏せになりながら、背伸びをした。どうにもこっちの学校には慣れなくて、疲れが貯まってしまう。

 それにしても葵はどうしてるんだろう?数少ない知り合いだからもっと仲良くしたいんだけど。まぁ彼の事を好きと言っても良いほどベタベタしていたから、まだ彼を守ってるのかな?………彼は本当に好かれてるな~。私にはわからないや。っていっても三人くらいしかわからないか。



 春斗は後日、勉強道具が渡され、暇を少しでも減らす事が出来た。古百合との仲も良かったし、リーダー、と呼ばれている人とも良好だったが、名前は教えてくれなかった。そんな生活をして、数ヶ月経った。


………………………すいません!ここはネタ切れです!!!

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魔女の謎『姉編』 ダミー @dummy0831

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