親友
尾八原ジュージ
親友
ミサは何かあるとすぐ私の家に来て死ぬ死ぬって騒ぐ。酒を出して適当に話を聞いてやると「ありがと親友」って、べろべろに酔った頃ようやくお礼を言う。私はミサの鼾を聞きながら彼女の吐瀉物を片付ける。
ある日私は車に轢かれ、気がつくと幽霊になっていた。道端から住み慣れた家へと戻り、ドアをすり抜けて中に入る。と、どこからか侵入したらしいミサがうちの鴨居で首を吊ってぶらぶら揺れている。驚いた私は室内を彷徨き、そのうち何となくミサの周りをぐるぐる回り始める。
それから死体が発見されて撤去されて知らない人が引っ越してきていなくなって、色んなことがあったけど私は幽霊なので、その間何年も何十年も同じところを回っている。
親友 尾八原ジュージ @zi-yon
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