白紙の地図にペンを走らせて

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 羽の帽子の旅人は、世界中を旅してる。


 それは、赤い海や青い森、虹色の大地など、普通に生きていては見れないようなものをたくさんみ見るためだ。


 その日も羽の帽子の旅人は、銀色の砂漠を見に行きたいと思った。


 あちこちで人の話を聞いて、情報を集めて、地図を買ったりもした。


 けれど、肝心の地図は白紙だった。


 だまされた。


 そう気が付いた羽の帽子の旅人は、けらけらと笑いながら、白紙の地図にペンを走らせた。


 銀色の砂漠には、きっとこんな生き物がいるに違いない。


 想像しながら


 大きな岩があって、二足歩行で地上を走る鳥もいるかもしれない。


 動く花があったり、時々黒い砂嵐が吹いたりする。


 ペンを走らせたら、すぐに地図はうまった。


 羽の帽子の旅人は、満足にうなずいて、丁寧に地図を折りたたんだ。


 だまされてつかんだハズレの地図だったけれど、そこにはたくさんの夢が詰まっていた。


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白紙の地図にペンを走らせて 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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