第54話 【名門!カクヨム学園】その1~祭りのあと~
俺の名前は月本招(つきもとまねき)。
もちろん偽名だ。
最近本ばかり読んでいる。
2日に1冊以上のペースで読めているので、たぶん人生で一番本を読んでいる日々を過ごしているのではないだろうか、と思ったりする。
それでも、部屋に積みあがった本はなかなか減ってくれないので、楽しみは続いていくのだ。
……もちろん、執筆もしないといけないんだけどさ(;・∀・)
てなワケで、今回はいつもと趣向を変えて書いてみようと思う。
内容自体は今までも取り上げてきたテーマだけど、見せ方を変えてみたら見え方も変わるかもしれないなぁと思ったり。
まぁ、俺自身が色々試したみたい性格なので、よければお付き合いいただきたい。
では、早速イメージしてもらおう。
―――――――
ここは「カクヨム学園」。
国内でも屈指の人気を誇る名門校である。
「おいおい、月本よォ。突然どうした? ついにココ(頭を指差して)がイカれたのか?」
えぇい! そこ、静かにしろぉ( ゚Д゚)!
最近本やエッセイを読んでいて、俺が面白いと感じたのは例えが上手い作品だと思ったから、物は試しとばかりにやってみてるんだよっ!
はぁはぁ……。
んじゃ、続けるぜ。
―――――――
カクヨム学園には信じられないくらいの生徒がいて、運営しかその数を正しく把握できていないらしい。噂によると、籍を置いている人数で言えば、すでに100万人を超えているなんてことも聞いた。
生徒は多種多様で、年齢も様々。
ここには、普通科は存在せず、あるのは〈執筆科〉と〈読専科〉の2つのみである。
執筆科の生徒は各々のペースで物を書く。
異世界ファンタジーやSF、ラブコメにエッセイ。自分が書きたい話を書いては学園に提出する。
自分の作品は校内に展示されるけど、毎日膨大な数が提出されるために、普通に提出するだけではすぐに埋もれてしまう。
俺、月本もそんな中の一人だ。
鼻息荒く、カクヨム学園の門を叩いたまでは良かったが、その後は目立った成績を残せないまま、入学してから5カ月が過ぎていた。
「おーい、月本!」
学園の中央廊下に設置された巨大デジタルサイネージに次々と更新されていく生徒の作品をぼんやりと眺めていると、背中から声を掛けられた。同時期にカクヨム学園に入学したヒカリだった。
ヒカリはTwitterの創作用アカウントのフォロワー数が2000人を超えていて、読書家で速筆。見た目(プロフィール)も華があって、創作界隈にも顔が広い女子である。
「あぁ、ヒカリか。何?」
「いや、昨日でカクヨムコンが終わったでしょ? アンタどうだった?」
カクヨムコンとは、カクヨム学園で毎年開催される学内最大級のお祭りイベントと称されるコンテストのことだ。ここで目立った活躍をして上位に入賞すれば、特待生として出版の道が拓けたり賞金がもらえるとあって、生徒はこの時期、目の色を変えて執筆に励む。
「俺は結局、短編2本しか出せなかったわ。入学当初から投稿している長編もとりあえず応募はしたけど、全然読んでもらえなかったからな。まぁ、今年は様子見って感じ」
俺が言うと、ヒカリはそれまでの嬉々とした表情から一変、急に冷めた目に変わっていく。
「アンタねぇ、そんなんじゃいつまで経ってもこの学校を卒業できないよ。上位をよく見てみなよ。アタシたちよりも後から入った中にだって普通にランキングの上位に名を連ねていたりするランカーがいるじゃない」
ヒカリに言われ、ハッとする。
そうだ。俺だって入学当初は勢い勇んでやる気に満ち溢れていたのに、現実を突きつけられて、いつの間にか読まれない言い訳を探すようになっていたことに気づく。それでも、俺なりに努力はしてきたつもりだ。何もしていないようには言われたくない。でも……
「そりゃまぁ確かにそうなんだけど、俺とアイツらとじゃ元々持っている才能が違うって言うか」
「こんのぉ……月本のバカーッ!」
ヒカリの手が伸びてきて、俺は頬に強い衝撃を受けた。あまりのショックに身体を支えられず、思わず尻もちをついてしまう。
「ああああ……ヒカリ……お前なんてことしやがる! 星剥がしなんて最低じゃねぇか! しかも★3つ全部。せっかく100あった★が2桁になっちまったよ……」
星剥がしとは、元々作品につけていた星レビューを後からその名の通り剥がす(減らす)ことである。
常習犯は運営にバレると退学になることもある。
「うっさいわね! そんなもん、アンタがまた面白い作品を書いたら、またいくらだってくれてやる! でも、才能だなんだって言っているうちは永遠に変わり映えしないだろうけどね」
「てか、随分上からモノを言ってくれるが、そう言うお前のメイン作品は★1桁……」
「だーっ! それを言うんじゃない! いいかい? 今の上位ランカーの中にだって、手持ちの中の1作品だけがランキング入りしていて、他の作品は鳴かず飛ばずの評価って人も意外といるんだよ」
「ほんとかよ?」
俺は分かりやすく目を細めて疑いの目をヒカリに向けた。ヒカリはやれやれと言った表情で肩をすくめる。
「これだから勢い任せで書いているヤツは……。あのねぇ、このままだとアンタ、確実にカクヨム学園で埋もれるよ。って訳でしょうがないから、これからアンタに作品を読んでもらう、つまりPVを上げる方法について、今すぐにできることを教えてあげる」
「……でもお前、この間、1日のPVが初めて2桁に行ったとか言って大喜びしてたじゃん。それじゃ説得力がなぁ」
「いちいちうるさいっての! これはアタシが【創作部】の先輩に教えてもらったとっておきなんだよ。だから、アタシもまだ実践前なんだって」
そういうことなら少しは安心だ。何だかんだで友達を気にかけてくれるいいヤツなんだよな、ヒカリって。
「んじゃまずは基本的なところからおさらいしていくよ」
人通りの絶えない中央廊下の片隅で、ヒカリの講義が始まった。
→→次回へ続く
―――――
★月本のひとり言
いつもと趣向を変えて、今回は物語調に書いてみようかなと(エッセイに飽きた訳じゃないよ)。
たまにはこういうのもいいじゃんってことで、生温かい目で見守ってやってくださいー(*^-^*)
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ここまでお読みいただきありがとうございます(≧▽≦)
もし、月本にこんなことを書いて欲しいなどのリクエストがありましたら気軽にコメントください。
ご質問・ご感想もお待ちしています!
↓が月本のメイン作品です。よかったら読んでみてください(,,>᎑<,,)
ファンタスティックアベンジャー~呪われた人生に復讐するために、時空を超えて集う者~
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