教室の窓辺に一番近い木

Chan茶菓

教室の窓辺に一番近い木





教室の窓辺に一番近い木

春にはこずえに花が咲く


黄緑色の新芽の中に

真っ赤で小さな粒の花


遠くの山から風に乗り

ピンクの花弁が舞っている


私の胸にも花がある




教室の窓辺に一番近い木

夏は木の葉が日光浴


青みがかった黄緑に

ところどころが赤くなり

衣を変える準備をしてる


遠くの山は深緑ふかみどり


もったりとした湿風しっぷう

汗ばむ私の肌を撫でる




教室の窓辺に一番近い木

秋の窓は真紅に染まる


少し涼しい秋風に

揺られて木の葉を散らしてく


どこにあるのかわからない

だいだい色の花木かぼくの香り

風に乗せて窓へと届く


遠くの山も大きく揺れて

ところどころ地が見えた


私は上着を手に取った




教室の窓辺に一番近い木


白無垢しろむくを着る木の枝は

重みを感じて項垂れる


葉は霜焼けをして赤黒く

一つ、一つと散っていく


静かに積もる粉雪は

枯れ木をくぐり地に落ちる


遠くの山も一面を

白く覆って化粧する


私が発する言葉も音も

雪に吸われて溶けていく




一周回って春が来た


窓辺の近くにあった木は

少し遠くに行ってしまった


花を飾った別の誰かが

次はあの木を見てるだろう


新たな窓辺に近い木は

少し小ぶりな大きさだ


葉がまだつかないその木には

桃色の玉が付いていた














あとがき



高2の頃に選択授業で詩を書くことがありました。

匿名での投稿ですので安心してね!と言われ、「じゃあ全力で書いてやろうじゃねぇか!!書いたことないけど!!」と本気出して書いた作品です。

うろ覚えなので一割ほど加筆してますがほぼその頃書いてたものと大差ないと…笑


まあ後に匿名だからって全員の前で先生に読み上げられるとは思いもしませんでしたが。

ソッコーバレましたね!別にそのころ小説なんて書いたこともなかったんですけどね、授業中に絵なんか描いてたからだ馬鹿野郎!!


我ながらクサいこと書いてんな…と、少し思いつつも何となく気に入ってます。

っていうかこれが初めて書いた作品ってことはいわゆる処女作になるんですかね?

まあ何となく自分だけで留めておくのも勿体無い気がしてしまうので供養します。


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