レモン王国の革命
仲仁へび(旧:離久)
第1話
レモン王国の一人。
レモン伯爵は、人間界に旅立つレモンの少なさを嘆いていた。
バナナやトマト、スイカや白菜、ほうれん草、キャベツ。
ほかの果物や野菜の国の食べものは、よく人間に食されているというのに。
レモンは酸っぱいからといって、苦手意識を持たれている。
だから、レモン伯爵は革命を起こすことにした。
「レモンは酸っぱい食べ物である。これまでそうだったのだから、これを維持すべきである」
レモン王国の会議でそんなことを言い続ける議員たちに「我々は変わるべきだ」と告げる。
レモン伯爵は、レモン王国に甘さを取り入れるべきだと考えていった。
世間には甘辛いとか、あまじょっぱいとかそういう味もある、
だから、レモンたちはそちらの方面へ進化していくべきだと告げた。
「変わることが必要なのか。今まやってこれたのに」
「今はよくても、子供たちの世代はどうでしょう。破滅が定めづけられた運命などの、負の遺産を残してはいけないのです」
レモン伯爵の説得に応じた議員たち。
レモン王国はその日から、甘さを求めて進化していった。
苦労のかいあって、何年か後。
人間界の食卓には甘いレモンがよくのるようになった。
レモン王国の革命 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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