森の小動物たち
るる
第1話
とある森の奥に世界一弱虫で臆病者の大男が住んでいました。
ある日、大男の住む森に、森のみんなを怖がらせる、ロボット猿たちがやってきました。そのロボット猿たちは、動物たちを殺して食べてしまう、とても怖い奴らでした。
その、ロボット猿たちが大男を殺そうと、襲いかかりました。すると、大男は、泣いてしまいました。
大男の目から溢れた涙が、ロボット猿たちの上に落ちたとき、ロボット猿たちは、違う生き物に変身したのです!
それは可愛い小さな小動物たちでした。
うさぎや、リス、小鳥などです。
その小動物たちは、どこからか、小さなキッチンを持ってきました。
大男は、いま起きた出来事にとても驚き、目を丸くして見ていました。
すると、うさぎが大男に「僕たちと一緒に料理を作らないか?」と話しかけました。
大男は「僕は何もできないから、みんなのことを見てるよ」と言いました。
うさぎは「そうか、それなら、僕たちの作る料理を食べてほしい。それと、料理を作る姿にも注目してほしい。」と言いました。
大男はこくりとうなずきました。
小動物たちは料理を始めました。
いろんな食材を手分けして洗って切って調理していきます。その手早さは見ていてとても気持ちがいいものでした。しばらくして料理が出来上がりました。
うさぎが「料理が出来たよ。ぜひ食べてくれ。」と大男に言いました。
大男はコクリとうなずき、料理を食べました。
すると、大男は涙を流して、「こんなに美味しい料理を食べたのは初めてだよ。本当にありがとう。」とお礼を言いました。
うさぎは「それは良かった。また作りにこの森へ来るよ。それでは、またね。」といい、
大男は寂しそうに小動物たちを見送りました。
小動物たちが去って何年か月日が流れました。
ある日、森に小さな女の子が、やってきました。
女の子は、泣いていました。大男は女の子に「どうして泣いているの?」と話かけました。女の子は「私の大事なオモチャが壊れてしまったの。なおしてくれる人を探しているんだけど、なかなか見つからなくて…」と言いました。
大男はひらめきました。ずっと前、来てくれた小動物たちに頼んだらオモチャをなおしてくれるかもしれないと。
そして大男は小動物たちを呼びました。
うさぎは「やあ、久しぶりだな。どうしたんだい?僕たちを呼ぶなんて、珍しいな。」と言いました。
大男は訳を説明しました。すると、女の子が、「わあ、可愛い動物さんたちだ。」と珍しそうに小動物たちを見つめていました。
うさぎが「どのオモチャだい?なおしてあげるよ。」と女の子に言いました。
「これよ。」と、うさぎにオモチャを渡しました。それは、とても小さな小さなお人形でした。小動物たちは手分けして、道具や材料を準備して、オモチャをなおしました。
女の子は、とても喜びました。
女の子は、小動物たちに「ありがとう。またオモチャが壊れたらなおしてね。また会いに来るね。」と言って、去っていきました。
うさぎが「もう、お困りごとはないかい?」と大男に聞くと「ないよ」と答えました。
大男は「また何かあったら来てくれる?」とうさぎに聞くと、うさぎは「もちろんさ。それじゃあ、またね。」と言い、去っていきました。
森から悪い猿ロボットがいなくなってから、森に平和が訪れ、大男も安心して毎日過ごすことができています。この森が、いつまでも平和でみんなが過ごせることができますようにと大男は毎日お祈りするのでした。
森の小動物たち るる @yuimiki
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