第33話

翌朝香織さんと早めに起きて買い出しに行った。エミリアは起きてこないので置いて行く事にした。ティア日くそれなりに遠いから必要なものは多めに買っておいた方がいいとのこと。


「ペシュラの街で結構食料とかを買った気がするんだが...」

「エミリアさんがほとんど食べてしまったんですから仕方ないですよ」

「あいつトレドに向かってる途中とか宿の部屋でずっと食ってたからな!もうエミリア用と俺たち用で分けて買う事にする!」

「そうですね。それがいいかもしれませんね」


それからひと通り必要そうな物買って恭介達に見つからないうちに帰ってきた。


「買い出し行くなら私も行きたかったんですけど?」

「起きないのが悪いだる」

「もっと命を懸けて起こして」

「嫌だよ!ってそんなことよりいつでもここを出られるように準備をしとかないと」


って言ってももうほぼ準備終わってるからいつでも出るんだけどな。


「私お腹すいたんだけど?」

「そろそろ昼だからなギルドで飯食えるらしいからそこでいいか。ティアさんもいるし」

「そうですね。ここのギルドのご飯食べたことないのでいいですね!」

「じゃあでっぱーつ」


なんでエミリアそんな言葉知ってるんだ?考えるだけで無駄か。よく分からん王女様だからな。



○○○○○○○○○○



「あの侵入者に魔力印は付けたのか?」

「この槍で付けといたからいつでも追えるぞ。あそこで始末しといた方がよかったんじゃねーのか」

「いやあいつをアジトに帰らせて一打尽にする。そっちの方が早く終わる」

「俺が追跡する。別にいいだろ俺が付けたんだからよ」

「ちょうどいい訓練の代わりにもなる。しかしなヴォルカニックからお前は注意しろと言われているから彼女も一緒に行かせる」

「河野か....」

「そうだ。あと兵士も数人連れて行くように」「チッ、わかったよ」

「早速明るくなったら出発して何かあったらすぐ戻るように」


文官からの話が終わったので返事せずにそそくさと部屋に戻り準備始める。せっかくこの城から出られるんだ。このチャンスを逃すわけにはいかない。それにあの侵入者は空上だった。鑑定をして名前だけ確認することはできたのだが、それ以外のステータスはレベル差がありすぎて失敗した。あいつはレベル1なのにだ。わけがわからない。それに空上が生きているってことは香織も一緒に生きているはずだ。あいつが香織を見捨てるはずがないしな。なんにせよあいつを捕まえないことには何もわからない。

そして翌朝数人兵士と河野を連れてトレドに向かった。トレドについてからも魔力印が残した痕跡を辿ったが途中で魔力印が解除されていた。

それから次の日


「これからどっすかな〜」

「とりあえず手分けして探しましょう。一応兵士も連れてきて良かった。あんたも探しなさいよ」


そう言って河野は兵士を引連れてどこかに行ってしまった。俺は当てずっぽうに探さずに空上を見つければいいからな。あいつらが稼いでいくには冒険者になるしかないとなると...あそこしかないな。


「ここがギルドか」


そう言って扉を開けて入る。


「結構広いな。それに飯も食えるみたいだし今日はここで空上が来るまで待つか」


空いてる席に座り適当に注文する。そして周りを見わたしてみるとやけに列が長い受付のところがあった。隣のやつにでもきいてみるか。


「おい、なんであそこだけ列が長いんだ?」

「あ?なんでも最近新しい受付嬢が入ったらしくてな。そいつが美人さんなんだと」

「そうなのか。どうも」


一度見てみたいがあいつがいつ来るか分からないからさすがにあそこに並ぶのやめておくか。

それに時間が経てば人も少なくなって見れるようになるだろ。


数時間後...


もう昼だぞ!あいつはいつ来るんだ?それか今日は来ないのか?いやでも毎日何かしら依頼を受けないと暮らしていけないとは聞いたことあるしさすがにくるはずだと思うが。

朝に依頼を受けて行くから昼にはほとんど人がいなくなったおかげで気になってた受付嬢が見えるようになった。それにしてもあの受付嬢、噂どうりに美人だな。そういえば専属受付嬢みたいな制度あったような。

するとギルドのドアが開いた


「やっと来たか空上」


やはり冒険者になっていたか。俺がここにいることもバレていないみたいだな。それにちゃんと香織もいるしあと王女様もいるじゃねーか!今すぐ連れて帰りたいがここで騒ぎを起こすのは人が少ないとはいえまずい。そもそもトレド自体がそういう騒ぎをよしとしてないからやるとしてもここを出たタイミグだな。


「ここはトレドだから色々な食べ物がありそうだな」

「楽しみです!あとティアさんも呼びましょう」

「そうだな。エミリア呼んでこい」

「なんで私が...」


会話を聞く限り飯を食いに来たらしいな。この街をいつ出るかわからないからこいつらの宿を把握しておきたい。どうせ飯食い終わったら宿に戻るだろうし尾行するか。



○○○○○○○○○○



「なんで私も一緒に食べるのよ...」

「みんなで食べた方が美味しいですから!」

「まあそういうことだな。それに話したいこともあるし」


みんなそれぞれ注文していた。エミリアが結構頼んでいた気がするが全部食べ切れるのか?まあ大丈夫か。


「ティアさん明日朝一でここを出ることにしようとしたけど、」

「けど?どうしたのよ?」

「あとなんか視線を感じるんだよね」

「ほんと?」

「さっきギルドに入ってからずっとだな」


このまま宿に戻るのは危険だしさてどうするか。


「一応いつでも出れるように宿には荷物はストレージに入れておいたけど」

「このままトレドを脱出してもいいわね。そこの2人はどう?」


そういうと二人とも頷いた。


「とりあえずここ出たらティアさんが馬車をウィズダム王国方面に持ってきてください」

「わかったわ」

「俺たちは何とか追っ手を巻いて合流しますってエミリー聞いてるか?」


俺達が話してる間ずっと食ってるんだが...


「え?ああ聞いてるわ」

「....」


まあこいつならなんとかなるか。


「とりあえずここ出たら行動開始だ」

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異世界と現実世界の同期〜異世界召喚されたら現実世界のゲームのステータスと異世界のステータスが同期したんだが〜 准音希咲 @haruharu8

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