第32話

頭が無くなった巨大蜘蛛は青白い光を放ち魔石を残して消えてしまった。


「なんかこの魔石大きくないですか?」

「まああんだけ強かったらな」

「そんなこと言って結構あっさり倒してたような気がするんだけど?」

「いやいや聖属性魔法がなかったら倒せなかったからな。エミリーが居なかったらどうなっていたことやら」


あとでステータスも確認しないとな。今はそんなことより


「このでかい魔石どうするか。運ぶのは俺のストレージでいいんだけど」

「一応私が受けてる依頼だからってこと?」

「まあそういうことだ。俺が倒しちゃったからな」

「ばれないとは思うけどまあ処理してくれるのはティアだしなんとかなるでしょ」

「そうだな!何とかなるか!」

「それで大丈夫なんですか…」

「よしじゃあエミリーが倒したってことにして帰るか!」



○○○○○○○○○○



「ちょっと蜘蛛の駆除だけなのに遅くない?」


ギルドに帰って来て開口一番にティアさんに文句を言われた。まあ確かに依頼内容からするとあの巨大蜘蛛は出てくるとは書いていなかったからな。そういえばあの巨大蜘蛛の名前は恨毒の蜘蛛ヴェノンスパイダーらしい。他のことに必死で鑑定するの忘れてたんだよな…。魔石を鑑定したら名前が出てきてくれたけど恨毒の蜘蛛ヴェノンスパイダーの持っていたスキルは分からなかった。


「まさか恨毒の蜘蛛ヴェノンスパイダーがいるとは思わないでしょ」

「え⁉︎ほ、ほんとに香織ちゃん?」

「本当です。結構大きな蜘蛛でした」

「ここに魔石もあるしな」


そう言ってストレージから魔石を取り出す。


「本当のようね…それで討伐者は誰?まさか空上くんがやったわけではないでしょうね?」

「ソ、ソンナワケナイジャナイデスカー」

「はぁ…わかったわ。討伐者はエミリーなのね」

「いやー話が早くて助かるなー」


なんかティアさんに睨まれたけどまあ大丈夫だろう。一応結構な大物を倒したからCまでとは言わないがランクは上がるといいんだけど。


「多分結構かかると思うから先にこの依頼分の報酬は渡して置くから宿に戻っていてもいいわよ。それと空上くんと香織ちゃんのギルドカード渡して貰える?」

「ギルドカードですか?」

「そうよ。ランクを上げる手続きをするのを忘れていたから」

「そういうことか」


ギルドカードを取り出しティアさんに渡して報酬受けとる。

なんか今日結構疲れたな。っていうか強めの魔物とよく出会う気がするんだけど気のせいだよね?巻き込まれ体質とかじゃないよね?まあ異世界に召喚されてる時点で結構な巻き込まれ体質な気がするが…。そんなことよりさっさと宿に戻ろう。

3人揃ってギルドを出て宿に向かっていると知っている声が聞こえた。


「魔力印がここで途切れてる?ここで気づかれたか」

「もっとしっかり付けないからよ」

「うるせーな!だったらお前が付けろよ!それか解除された可能性もあるだろ」

「はぁ...途切れたのはいつなの?」

「昨日だな」

「なら近くに居そうね」


声のする方向見てみるとそこには河野さんと恭介が居た。

おいおい嘘だろ...なんであいつらがここにいるんだよ!魔力印とかいってたけどなんか付けられてたのか。


「どうしたんですか?翔くん?」

「い、いやなんでもない!早く戻ろう!」

「ちょ、ちょっと何!?」


2人の背中を押して急いで宿に戻った。


「空上くん?別になんでもないわけないでしょう?」


宿に戻って早々エミリアに問い詰められていた。


「はい仰る通りです…」

「え?何かあったんですか!」

「何でわからないのよ…ってそんな事より早く何があったか教えなさい」

「えーと勇者がいました。魔力印を付けられていてここまでそれを辿ってきたみたいです」

「魔力印?そういえばこの街に来てすぐの時にあなたに何か付いてたから魔法で落としておいたんだけどそれが魔力印だったのかも」

「なんで言わなかったんだよ」

「まさか魔力印を使って居場所を特定するなんて普通じゃできないのよ。勇者だから特定できたんじゃない?」


そもそも魔力印が何かわからないが...多分魔力をつけられてその魔力で特定したのだろう。知らない単語が出てきてもラノベとかアニメを見ていたおかげでなんとなく予想がつくな。ラノベやアニメを見ていた時間は無駄じゃなかったわけだ。やったね!

って今はそういこと考えるじゃなくて...


「あの~私はよくわからないのですがとりあえずつけられて勇者が来たってことでしょうか?」

「まあそう言う事だな」

「それでどうするの空上この街を離れる?」


この街を離れるか...。近々離れるつもりだけど今すぐには無理だしな。


「なんにせよティアが帰ってきてからだな」

「そうですね。ティアさんの意見を聞くのが一番いい気がします」


すると部屋の扉が開いてティアさんが入ってきた。


「ちょうどいいところに来たな」

「みんな集まって何をしてるのよ」

「えーと...」

エミリアがさっき話していた事をティア説明してくれた。

「そ、それは本当!?」

「要は空上がやらかしたってことね」

「うっ...。でも城の侵入者とは多分バレないとは思うけど...そもそも俺と会うのが良くないのか?」

「追放されただけだし会っても大丈夫じゃない?まあお父様が見つけたら殺せって命令してなければね」


流石に出てないことを願いたいけど、侵入者の方には出てそうだな。あれ?実質俺に出てることになるくね?


「ここに勇者がいることで空上くん達が困るのよね?」

「そもそもここに来た勇者が二人とは限らないしな」

「そうね。だったら早めにここを出てウィズダム王国に行った方がいいわね」

「国境を越えてしまえば勇者は来れないから勇者の心配はしなくて済む」

「エミリアさんどうして国境を越えたら勇者は来れないんですか?」

「ほら、勇者ってミラレス王国が召喚したでしょ?だから勇者はミラレス王国の武力な訳でそれを別の国に入れるのは色々な意味でよくないのよ」


さすが王女様外交に関してはちゃんとわかってるな。まあじゃないと国の運営なんてやっていけないからな


「とりあえず早めに発つことができるように明日から準備をしないとね。私も一応ギルドの方でも情報を集めておくから」

「明日から準備しないと。エミリアのランクを少しでも上げておこうと思ったんだけどまあ仕方ない」



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「あれ遅くないですか?准音希咲さん?しかも遅い割に文字数少ないじゃないですか?これじゃあ全然話が進まないじゃん」って言われそうですね。すいません...

次の話は早めに文字数多めで行きたい(願望)...

あと1万pv達成しました!!

おかげで目標のひとつを達成することが出来ました。あまり投稿できていない中読んでくれて皆さんありがとうございます!

pv増えるだけで嬉しいので呼んでくれると嬉しいです。
















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