第5話溺愛御曹司の事情

 俺は学校の生徒会副会長を務めているくらいには成績優秀なわけだ。

 成績は学年1位から5位までを常にキープ。

 もちろん、分野によってばらつきがある。

 片手で足りる順位にはいたと思う。

 

 金には困っていないが、

 成績優秀者で奨学金の対象者としてリストに入っているそうだ。


(将来は、会社を継ぐんだろうな)

 将来は決まっている。


 なるべくレベルの高い大学へ行くこと。

 そして大企業に就職すること。

 社会人としてのルールを学ぶためだ。

 その決まった将来に向かって

 

 あとはどれだけ勉学に時間を割くかという問題だけだ。


(大学院までは無理かもしれないが)

 

 やはり男社会だから、一度社会からはじかれると戻るもが難しい。


 わかっているから、実力はあってほしいと願う。

 さて、居候している彼女のことだ。

 

 彼女を嫁にするのもいいかもしれない。

 血縁の問題をどうするのか。

 

 あの親族が正常な社会生活を送れているかどうか怪しい。

 娘にあそこまで厳しく当たる親も珍しいだろう。

 

 彼女を無事に迎え入れるために、

 実家を継いで安泰にしておくのが今の責務だ。

 

 海外に力を入れるのもいいが、

 自分の本質をみうしなわないようにしないといけない。


「母さんも父さんも持病は抱えているからな」

 人生、いつどうなるのかわからない。


 彼は国立の大学に奨学金ありの進学を予定している。

 校内の学力でも負けるわけない。そんな自信はあった。

 

 やることがたくさんあって、卒業式もあっという間に終わっていた。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不幸体質の私は幸せを手放しがち 朝香るか @kouhi-sairin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ