おれ、難波のたいやきっす 🐠

おれ、難波のたいやきっす 🐠

　ども～、おれ、たいやきっす。(´ω｀*)

　しっぽまであんこたっぷりの。( ^)o(^ )

　といっても、そんじょそこらのたいやきと、たいやきっぷりがちゃうねんで～。

　なにしろ、おれっちらをやいてくれるあねさんがメッチャ気風のいいお方でな。

　何事もケチケチすんのが大きらい、なんでも豪快に大盤振る舞いが大好きでな。

　で、地元産の小麦粉と北海道産の上物あずきで、天下一品の鯛をやくねんで～。

　　　　　　👘

　ほうか、なにやら曰くありげな……ってか～、さすが作家志望や、察しがええわ。

　あんな、ここだけの話、あねさんは戦前でいうところの華族のおひいさんやねん。

　畏れ多くもかしこくも（笑）その名も大炊御門（おおいのみかど）華子（はなこ）はんいわれるんやけど、どや、ご大層な文字を見ただけ聞いただけでも食い物商売に向きそうな名前でっしゃろ。

　その華族のおひいさんが、なんでこんな露店でたいやきを売ってるんや？　てか。

　あんな、戦後、華族が廃止になってから郊外のさる集落に隠棲しておられたんや。

　けど、言うところの居食（いぐ）いの暮らしも、ずうっとっちゅうわけにはいかんやろう。

　かといって、野良仕事にも商売にも無縁だったから、これという収入の道もない。

　で、元華族とは名ばかりの清貧洗うがごとき暮らしを見かねた孫娘のあねさんが、蝶よ花よと育てられた着物を脱ぎ棄て、一念発起して露店を出したっちゅうわけや。

　さっきも言うたとおり、当店の「みかどやき」はよその倍もあるうえ、しっぽまであんこが詰まっているのに値段は同じだから、人気の出えへんわけがないやろ。🌝

　　　　　　👨‍👩‍👦‍👦

　だから、ほれ、長い列がと言いたいところだけど、コロナ以来ちょっとアレでな。

　とくに海外からのインバウンドがゼロになったのが応えたんよ～。(´；ω；`)

　けど、そこはわれらがあねさんやで、持ち前の頭（ココ）と人脈にモノを言わせ、元華族のネットワークやSNSやアレやらコレやら（笑）使って閑古鳥を追い出しはったんや。

　その結果、ジャジャ～ン！！　いまどき平日でもお客さんが並ぶって、すごくね？

　電車で「おおいや」に通ってくれるお得意さんも少なくないんだぜ～、えっへん。

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　おおっといけね、あねさんがお呼びだ！　おいら、張りきって食べられて来るぜ。

　なあに、おいらの代わりはいくらでもいる、難波男子の気風をご覧（ろう）じろってんだ。

　あ、ことわっておくが、どこかのアイドルに似たような名前のグループがあるやに聞き及んでおるが、本家本元はおいらたちだからな。じゃあ、いい小説を書きなよ。