第39話 信念
12月26日の朝。僕達4名は、黄金の鏡に集合し、情報交換を行った。
崩落までの経緯や僕の名字と腕輪について。僕とヴィームの恩人が囚われていて、今は黄金の鏡で療養&王国の目から隠れて住んでいること。間者が革命軍内にいること。盗賊団と王国の上層部が繋がっていたということ。スリキルキャッシュの正体のこと。
そして、ニゥイルさんの過去のことも……。
「私は、フェルンのご両親に拾われてからというもの、神書について、その一切を忘れ去っていました。しかし、数か月が経ったころ。新聞で、この大陸の西にあるオムリコ大陸のカリガルム人が独立戦争を勃発させたことを知った時、これが神書に書かれていたことだというのを思い出しました。同時に、神書の内容についても、すべて思い出しました。その後、神書に書かれてあった内容がことごとく現実に起こっていきました。それを受けて、予言書だというのに半信半疑だった私は、神書は予言書だと確信しました。そして……」
するとニゥイルさんは、かしこまった背筋になると、僕の方を向いた。
「神書のとあるページの端っこには、国を滅亡させる者の名も書かれてありました。その者の名は、”カルターナ・ログマルク”。そう、あなたです」
「!!!」
え? え? え? どういうことだ? 国を滅亡させるのが僕? 一体どういうことなんだ。嘘の言葉だとゆうことも……いや、それはない。なんてったってニゥイルさんだ。ともに死線を潜り抜けた彼女が嘘をつくはずがない。
でも、まさか……本当に……。
「あなたが店に来店し、私の前に来た時、私は運命を感じました。あの予言は本当なんだって。この人が国を革えてくれる人なんだって。この人が……”革命の燈”なんだって……」
「……わかりました。その事実、受け止めます。あなたは、自分の辛い過去を包み隠さず教えてくれた。そんなあなたの言葉を、僕は信用します」
「!! ……カルターナさん……」
「それに、初めてここで占ってもらった時、フェルンに”あなたは国を革える存在だ”なんて言葉を言われていますしね」
「ありがとうございます……信じてくれて……今まで誰もが信じてくれなかった予言を……信じてくれて……本当にありがとうございます……」
ニゥイルさんは、頭を深く下げながら、泣きそうな声でそう言った。
僕はこの時、覚悟を決めた。
そのためには準備が必要だ。自分を鍛えることが必要だ。そのためには時間と手間がいる。協力してくれる仲間も必要だ。
やることが山積みだ。でも、僕はやる。どれだけの月日が消費されても、必ず成し遂げる。強い信念を持って行動すれば、常識を革えることができるんだ!!!
造ってやる……みんなが安心して暮らせる世の中を……成してやる……全世界が羨望する国を……起こしてやる……革命の陽を!!!
この日から、僕の周囲を取り囲む時間の流れが、再び加速し始めた。
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