第8話 変化を望まない者たち

「俺と琉生さんの違い、知ってます? 」

「え? なんだろう? 」

「俺はで、琉生さんはなんですよ。可愛いから好き、なんてバカバカしい理由じゃないでしょ? 」

「え? よくわからないけどうん、キレイだけど独特な雰囲気が好きだな」

「それ、チビん時から変わりませんよ。だからきっと、アイツはずっとなんだと思います」


俺らは留まろうとした。

だけど、進む決心をしたんだ───。


「あーー!! 琉生くん! なんでたっくんといるのー! 」

「一々うるせぇぞ、ゆり。琉生さんは俺らとおなじ変人だったぞ」

「た、拓馬くん酷い……」


ゆりが駆けてくる。


「琉生くん優し過ぎるし、たっくん直球人間だからぁ」

「琉生さんはおまえよりオトナなんだよ」

「私もオトナですぅ」

「おまえはまだまだ子どもなんだよ、甘口」

「ちょ! 甘口悪くない! 」


俺たちは初めて周りを気にせず笑った。

区分や醜聞なんかどうだっていい。

居心地のいい場所を見つけた気がしたから。


恋愛だろうがそうじゃなかろうが人は意見をぶつけ合ってこそ信頼関係が生まれる。

これからは三人でいたり、二人でいたりしよう。

人がウソで着飾ってるかそうじゃないかくらいはわかる。


『ゆりが俺を離さないからなんてただの言い訳だった。俺がアイツから離れたくなかっただけだ。ゆりほど俺を理解してくれるヤツなんて現れないと思い込んでいたから。きっとお互いそう思っていたと思う。ゆりは無意識に同胞を探して、見つけたんだ。』


オトナの入口で俺らはミライをまっすぐ見据える。

自分らしく生きる為に───。


fin

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共依存と恋愛の境目、それと幼馴染 姫宮未調 @idumi34

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