反抗期
大秋
反抗期
少し考えが深まったので、反抗期というものにもう一度触れてみる。
内容に触れていく前に単純に思ったのは、第一に字面が悪いという点。反抗期なんてのは誰を対象にするかにもよるが、積もり積もったイメージからも負の要素が強すぎる。第一印象が最悪となれば、深く考えるのも少しばかり億劫になるものだ。
──そもそも反抗とはなんなのか。
子供が親に対して反抗する。言う事を聞かない。駄々をこねる。
確かにそうなのだろうが、改めて見ても主体が親目線すぎではないかと感じてしまう。殆どの人は気にならない事なのだろうか。私は私自身の考えしか分からないから、未だにピンときていないというのが正直な所だ。
実際、親の立場として子供の反抗期を経験すれば、さらに見えてくるものもあるのかもしれない。だけれどその視点は未だ得られていないので自分本位な視点で話を進めて行きたいと思う。たんなる垂れ流しであるので、トイレに流してもらって構わない。
──なぜ反抗するのか。
幼いながらにも、そこには価値観の相違が存在するのだと思う。どちらが正しくて間違っているのかは、この際は論点としてズレが発生するので省かせてもらう。
──イヤイヤは無意味に起こるものなのか。
意味はあるのだろう。思い通りにならないことに対して、単純にそれを押し通す為の経験が足りないだけなのだろう。幼いがゆえに物事を組み立てて実現するためのプロセスを知らないのだ。であるからこそ、世界に対してノーを突きつけるというアクションの必然性が生まれてくる。単純かつ明快なフローチャート構築だ。
それに、何がノーか分からなければ、イエスは言えないだろう。
紐解いてゆけばゆくほどに、反抗期がとても素晴らしいもののように見えてくる。
幼さは世界と相対したときに、とても強力な武器となる。それをどう活かすのか。
──再び、反抗期について。
なぜ自分以外のものに対して反抗するのか。それは、そこまで集めた経験値を積み上げて、価値観を構築しているからなのではないか。正解不正解がなんであるかは置いておいて、積み上げては壊し、すり合わせていって納得出来た所で核となる自我が固まってゆく。そこに親の価値観が介在する余地はない。
別個の存在であるからこそ、両者の視点で葛藤が生まれやすいのかもしれない。そもそも個の精神とは成長の点においては平行線に進むもので、交わるものではないのだから思い通りにいかなくても気に病む必要はない。
──精神の自立。
反抗期とは、価値観をその都度再生成する時間であり、その主体を子供に変えると、反抗期は自立期に変わる。子供が自立するために頑張っているのだと思えば、見え方も少しばかり可愛くなるのではないだろうか。
自立期であるならば、親に出来る事は見守る事しかできない。主体は子供であり、親ではないのだから。子供が頑張るしかない。親はハンカチを握りしめ、血涙を流し見守るのみか。
親の干渉が出来ないものだと分かれば、思い通りに行かないことにも対処方法がチラホラと生まれてくるだろう。実際に親の立場で直面してみれば、難題が雨あられの如く押し寄せてきてはてんやわんやになるのだろう。しかし考えてみれば世界なんてのは思い通りに行くもののほうが少ないじゃないか。
頭がいっぱいになったら一息つくのがいい。
コーヒーでも飲みながら、こんな風に。
反抗期 大秋 @hatiko-817
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