未来予想による極めて合理的な告白

自堕落な優等生

未来予想による極めて理論的な告白

「君が好きだ付き合ってくれ」


歳の若い男は女に告白する。


 すると女はおもむろにカバンからスマホを取り出した。


「なら未来予想機に私たちの情報を入れてその中で私たちが幸せなら付き合いましょう。」

「あぁ。分かった。」


 男と女は自分に関する情報を未来予想機に入れ始める。



「これなら付き合っても良さそうね。」

「そうだな」


 画面には結婚式、出産、子離れを経て幸せな人生を終え安らかに永遠の眠りにつこうとする女と男が写っていた。


 こうして男と女は付き合い始めたした。



 やがて男と女は結婚し、男と女は結婚式を挙げた

 

 しかし、そこでの男の表情よりも未来予想機に示されたものの方が幸せそうだった。


 やがて男と女は子供を作り、出産を迎える。  


 しかし、そこでの男の表情よりも未来予想機に示されたものの方が感動していた。 


 やがて男と女の子供は成人し親から離れていく。


 しかし、そこでの男の表情よりも未来予想機に示されたものの方が寂しそうだった。


 そして今、寿命を迎えようとして男は少しばかりの不満を覚えた。 


 何故自分は未来予想機で見たのと同じ行動をしたのに同じくらい幸せにならないのかと。


 何故自分は未来予想機で見たような安らかな最期を迎えられないのかと。


 男はそんな不満を感じながら死んでいった。



「これは付き合うのはやめた方が良さそうね」


 モニター越しに男と女の決して幸せとは言い切れない人生を見て女は呟く。


 「あぁその方が良さそうだ」


 男も今の画面を見ながらそう言った。

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