第9話 まさかの事態!?
桜視点
一人で帰っている私は颯太について考えていた。
「はあ…………」
最近モヤモヤする。その理由はあいつ、颯太だ。私は颯太の事がずっと昔から好き。けど、恥ずかしくなっていつも、ひどい言葉を放ってしまう。だからこの気持ちを昔から伝えることができていない。多分颯太は私のことなんか眼中にもないと思うし。
「うっ……」
改めてそのことを認識すると胸が痛くなる。最近は四姫の人たちと仲良くしてるみたいだし。正直嫉妬してしまう。そして彼女たちと話している様子を見ると、気持ちが溢れ、抑えられず、怒ったようになってしまう。そんなことをしたら、颯太が嫌な気持ちになるのはわかってるのに。私の嫉妬心を抑えるために、颯太との距離を私は置くべきなのかもしれない。でもそれは無理。こんなに大好きなのに、距離を置くなんて無理だ。だから私は素直になって、颯太に好かれる女になる。それと颯太が四姫たちと颯話していても、嫉妬するのは心の中だけにとどめよう。どれくらい時間がかかるかわからないけれど……。
「颯太、私頑張るよ」
――――
颯太視点
「そういえば、颯太さんと桜さんっていつごろに知り合ったんですか?」
「えーっと、確か小学1年のころじゃないかな」
「そんなに前なんですか! 私は小学生の頃の知り合いはもうしばらく連絡を取ってないですね……」
「連絡も何も小学校から高校までほとんど同じクラスだからな。違ったのは中1だけかな?」
「それってすごい奇跡ですね」
そうかもしれないな。小学校で6年間一緒の人が一人もいない人もいるみたいだし。毎年クラス替え発表の時はドキドキしたものだ。
「桜にとってはそこまで嬉しいものかはわからないけど、少なくとも俺は結構嬉しかったよ」
「桜さんも内心は喜んでたと思いますよ。多分中1で初めて離れたとき、凄く悲しかったんじゃないですか?」
「どうだろうなぁ。俺が考えるにはそれは無い気がするけど、少しは可能性があるかな?」
「全然あると思います! 仲の良い友達とずっと話せるとっても嬉しいことじゃないですか!」
「……そうだな」
仲の良い友達か…………。改めて考えると俺と桜はどういう関係なのだろうか。友達、なのか……? でも桜から俺に対してはそんなこと思ってないように感じるし。
「どうしたんですか?」
「いや……別になんでもないよ」
「そうですか? なら良いんですけど」
こんな話を桃華に話すのは流石にな……。
「あ、家だ」
「もう、着いちゃったんですか……」
「また明日話せばいいじゃないか」
「むぅ」
そんな顔されてもなぁ。どうしようもなくないか?
「あ、いいこと思いつきました!」
「絶対ろくでもないことだろ」
「まずは颯太さんの両親の連絡先を教えて下さい!」
「え、なんで」
「たいしたことではないです」
「う、うーん」
とりあえず母さんに連絡先のことを言うと「全然いいよ!」と速攻で返された。ということで桃華に連絡先を教えたら……。
「あの――――ですか」
「本当――か。――ございます!」
なんかすっごい母さんと話してるんだけど。なんか共通の話題でもあったのか……?
「颯太さん!」
「どうしたの?」
「今日私、颯太さんの家に泊まることになったので、一旦私家に帰って用意してきます」
「…………え?」
「ではいってきます!」
「…………え、ええええ」
桃華さんの圧倒的行動力。というかなんで泊まることになったんだよ! 別に嫌ではないけど、桃華さんの考えがよくわからないなぁ。桃華さん家に来るのか……。…………うん? なんか忘れてるような気が……。
――――
数十分後たち、家のインターホンがなった。そしてドアを開ける。
「お、お邪魔します」
「ど、どうぞ中に入って」
「は、はい」
互いに言葉に動揺が見られた。俺は今までの人生で女子を家に挙げたことがないのだから、当然である。
そんなやり取りがあってすぐ、ドタドタと足音が聞こえる。あ、この音は。
「お兄ちゃん、その人は……?」
そんな言葉を一言我が妹が申す。その表情からは見極めるぞという気持ちと、彼女の気配がして嬉しいという気持ちと兄に彼女ができそうで少し複雑な気持ちが混ざっているようなすごいオーラを感じた。
「えっと、俺の「彼女です!」」
「えっ……?」
「いや違うよ? 桃華、何言ってるんだよ」
「桃華?」
「はい、私たちは下の名前で呼び合う恋び――」
「ストップストップ!」
桃華なんでそんなに暴走しているんだ。爆弾発言ばっかになってるよ?
「桃華、嘘はやめよう! 仮に嘘が愛だとしても!」
「そうですね。今は嘘ですね」
「うん?」
どういうことだ? 俺は理解力が欠如しているのか?
「で、結局お兄ちゃんとの関係は何なんですか?」
「普通の友人だ」
「そうなんだ。嬉しいような、悲しいような……。ていうか、え、その桃華さんは今夜うちに泊まるの?」
「ああ、そうみたいだ。俺もいまいち把握できていないが」
「お世話になります!」
―———
ラノベの中の兄妹や姉弟は現実とかけ離れてますよね。それが面白いんですけどね。実際にヤンデレ妹・姉などを持つ方は少数でしょう。ちなみに私の姉はヤンデレではありません。
ところで、この作品を読んでくださるみなさん、読んでて思ったことがありませんか。そう「白凪佳子どこいった」と。すみません、もうしばらくおまちください。桃華回が終わったら登場させます(数話挟むかもしれません)
ツンデレ幼馴染と学校の四姫がなぜか争ってるんですが? りくま @yorikuma
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