ふらりと立ち寄った桜の古木。
情景描写が見事で、雨もまた風流と思わせてくれ、その中にある主人公の様子がなんとも格好良いなあと。
そんな時、桜の古木の怪しげな雰囲気に相応しい事件が。
どっしりと構えた余裕の清十郎、そして力を振るうべくところは振るうみたいな、ここでも男ぶりを見せてくれるという。
長編のプロローグにもなりうる存在感のある短編で、とにかくこの男ぶりに惚れるというか、この主人公いいねえ! と思わずうなる。読後の後味もさっぱりとしており爽快感あり!
和風の世界観に、芯の通った男のカッコよさが好きなら一読の価値ありかと。