応援コメント

第6話 「……彼の王は、こわれている」」への応援コメント

  • クライノートの存在は、比翼の翼という言葉を思い起こされますね。片方の翼だけでは飛べない。だから、飛び立つためにはもう一つの翼を必要とする。神が、クライノートを時空の狭間に、迎えが来るまで眠らせた神話の通りなら、もう片方の翼は、リゼルなんだろうなと思います。クライノートは歪な型で産まれましたが、彼女が飛び立つことはあるのだろうかと夢想してしまいます。

    クライノートとは、ドイツ語で宝玉とか宝石って意味なんですね。今作は石が一つの象徴だと思いますが、睡蓮さんがどんな思いでクライノートと名付けたのか気になります。リゼルにとっての宝石なのか、あるいは呪いなのか。

    じっくり、味わうように読んでしまう。睡蓮さんの表現って、なんだか心に染み入ってくるようで、ああ好きだなあ。

    リゼルが壊れていると、ベルデモントが戦慄していましたが、壊れないとやっていけない立場ですよね。環境も、親と兄を同時に失ったことも、すべて過酷すぎて……。小さな箱庭という卵の殻を壊した先が地獄なら、狂うしかないよなあ。リゼル、とても好感が持てるキャラクターで好きです。

    ホムンクルスの寿命を早めるのは、兄の想いに反することだと思うのですが、どんな想いで、彼はこれを選択したのだろうか。

    色々、考えさせられます。

    作者からの返信

    感想をありがとうございます。浜風さんには本当に頭が上がりません。

    比翼の翼。的確で素敵な表現ですね。歪な存在であるクライノートとリゼルはふたりで欠けたものを埋めようとしていたり、互いに寄りかかって生きているので、言うなれば共依存しているわけです。だから、片方を欠いてしまえばきっと壊れてしまうのだと思います。それから、クライノートが飛ぶ日について。来ます、とだけ言っておきましょう。

    クライノートの意味を調べてくださったんですね!!!!嬉しいです。宝石はこの物語の象徴的なものであり、様々な意味を持ちます。例えば、命であったり……。ですから、ここはとりあえず黙っておくことにします。読了されてからまた考えてみると違う意味も見えてくるかもしれませんし。ちなみに、クライノートを英語で考えてみるとまた違う意味が見えてきますよ。

    ああああ、ありがとうございます、幸せです。感謝の言葉の語彙力が無いことが悔やまれます……。

    そうですね……。壊れないと務まらない……。リゼルはいい意味でマトモで素直でいい子なんですよね。そして、優しすぎる。だからこそ、致命的に王に向いていないんです。足掻いてもがいているリゼルが可哀想で可愛い……。

    リゼルにはもう、ただしくあることでしか己を保つことができないのです。そんなリゼルがどんな気持ちで玉座で言葉を発しているのか、想いを馳せてしまいますよね。