第17話 「カクヨム生命線」の恐るべき事実

◆2022.10.31朝時点のレポート:

 https://kakuyomu.jp/users/hyper_space_lab/news/16817330649030141164


 ◆◆◆


 始まりあるものには終わりがある。

 盛者必滅、会者定離。


 それがこの世の定めである。


 カクヨム作品とて、その運命さだめを免れることはできない。


「カクヨムSTATS」を探求していた時空研は、ある日とある事実を発見した。

 ランキング上位を快走している作品Aが人知れず作品生命の終わりに近づいていることを……。


 まず、次の「近況ノート」を参照願いたい。これは当初「サポーター限定ノート」ととして投稿したものである。


◆2022.10.22投稿近況ノート:「恐ろしい数式を発見してしまったかもしれない……。「カクヨム生命線」の仮説。」

 https://kakuyomu.jp/users/hyper_space_lab/news/16817330648699118453


 興奮のあまり余計なことも書き散らしているが、ご容赦願いたい。


 この曲線の正体は、作品Aの「第1話のPV数」推移である。横軸は観測日である。


 そして、この曲線は「二次関数で近似することができる」。すなわち放物線である。


 どういうことか?


 斜め上に向かってボールを投げたとする。ぐんぐんと勢いよく空に向かって昇って言ったボールは、やがて勢いを失い高さの頂点に達する。

 それからは地面に向かって落下していくのみだ。


 これと同じことが、第1話のPV数に起こるということだ。


 グラフに戻ろう。曲線の近似式が示されている。その「決定係数」R2乗は「0.9987」という数値を示している。

 これは近似式の説明力が極めて高いということを意味する。


 統計学の世界では0.8を超える決定係数を得られたら、その推論はかなりの確からしさを持っているとみなされるそうだ。

 普通0.9を超えるような相関性は日常社会にはありえないらしい。


 そういうデータを見たら、説明変数と目的変数の間に「疑似相関」を疑うべきだと言われている。実は両者に共通する「第3の因子」が別に存在するようなケースである。


 しかし本件は時間の経過とともに1話めのPVが頭打ちになるというだけの現象であり、単純に考えて良いはずだ。


 思うにこれは「カクヨム」という世界が「閉じた空間」であることに起因する。それも残念ながら比較的「小さい世界」であるためだ。


 総合ランキングTop10に載るような大ヒット作は、きわめて多くの読者を引き寄せる。それによりあるところまで拡大すると、それ以上新規読者を獲得できないという「成長限界」が存在するのだ。


 作品Aのケースでは「観測18日め」に成長限界を迎えるという予測が導き出された。


 第1話が読まれなくなるということは、新しい読者がその作品を読まないということである。すなわち作品全体のPVも限界を迎える。

 既存読者が最終話を読み切れば、もはや読むべきページも読んでくれる人もいない「死の静寂」が訪れる。


 もちろん連載を続ければ、PVは増え続ける。フォロワーをはじめとする既存の読者が最新話を読んでくれるだろう。しかし、最新の1話だけである。

 それでも良い、1話が10kPVを稼いでくれるなら十分だと言う考え方もある。


 だが、それはもはや「ヒット作」ではなくなる。


 Top10上位を謳歌していた作品Aは、10位圏外に陥落した。


◆2022.10.23投稿近況ノート:「「カクヨム生命線」の仮説検証②――やがて作品の成長は止まる。」

 https://kakuyomu.jp/users/hyper_space_lab/news/16817330648729023374


 2度目の投稿では、「第1話のPVと作品全体の累計PVの間には強い相関関係が存在する」ことを示した。

 先に述べたように、「第1話が読まれなくなる時、作品全体のPVが成長の限界を迎える」のだ。


 きわめてショッキングなデータであり、仮説であるが、安心しよう。われわれ泡沫作家の泡沫作品にとって「カクヨム界」は無限の宇宙にも等しい。

 世界の果てに行きつくのはほんの一握りの勇者たちだけなのだ。


 ポーネグリフに刻まれていそうな「世界の理」のお話である。


――――――――――

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