第4話
俺は武蔵野ミュージアムにアカネの日記を納める様に茜を説得する事にした。
--------------------------
僕が明人を蘇らせてあげる。
明人を蘇らせる方法なんだけど・・・
武蔵野ミュージアムに幻想的な本棚が在るんだ。
そしてそこは本の妖精の巣になっている。
ソコにアカネの日記を納めてそして明人の復活を祈ってほしい。
そうすれば明人を蘇らせる事が出来る。
--------------------------
茜は疑いの目で俺を見てきた。
「私の日記をそんな所に持って行くの? そんなの恥ずかしくてヤダ! 大体アナタ、本当に本の妖精なの? 本当は悪魔で私の身体を乗っ取るつもりなんでしょ! 」
---------------------------
君は明人に会いたくないの?
僕は君の願いを叶える方法を言ってるだけだ。
信じてもらえないなら、これからも毎日泣き過ごせばいいだろう?
恥ずかしいなら、僕が全てのページを消してあげる。
さぁ、君はどうするの?
ぐずぐずしてると武蔵野ミュージアムが閉館になっちゃうよ?
---------------------------
「分かったわ! 武蔵野ミュージアムの本棚に置いてくるわよ。それから・・・ この日記には明人との思い出が詰まっているの。だから消さないで! 」
---------------------------
明人はきっと帰ってくるよ。
その時はもっと素直に接してあげてね。
さぁ明人に会いに行こう。
---------------------------
茜は自転車の籠に俺を載せて武蔵野ミュージアムへと向かった。
武蔵野ミュージアムの中へ入るとプロジェクトマッピングによる幻想的な世界が広がっていた。
「あれが本棚ね? あの隙間にこの本を置けばいいのかしら? 」
茜は俺、いや日記に別れを告げる様にキスしてその隙間に本を置いた。
「明人、帰ってきて。もう一度アナタに会いたい。」
その瞬間に俺は闇に包まれ辺りは真っ暗な世界になった。
###
気が付かくと俺は白い天井、白い壁の味気ない部屋でベッドに横たわっていた。
どうやらココは病院らしい。
全ては夢だったのか?
「気がついた、明人? 茜さんが校舎の屋上で倒れてるアナタを見つけて、救急車呼んでくれて・・・ そして明人にずっと付き添ってくれてたのよ。」
母さんは俺が目を覚ましてホッとした様だ。
茜は俺を見てニッコリ微笑んだ。
だか、茜の顔は瞼が腫れてうっすら涙の跡がついていた。
さっきまでの事はきっと夢だったんだよな。
きっと茜は『死ねばいいのに』なんて言ったのを悔やんでるだけなんだ。
「ゴメンね明人。私これからは自分の心に素直になるから。だからもう私のそばから居なくならないで! 明人、私の彼氏になってください。」
俺は茜の言葉にビックリして、また夢を見ているのかと思ってしまった。
「茜は俺の事を嫌いだったんじゃ・・・」
「ゴメンね、素直になれなくて。明人にかまってほしかったんだ。ねぇいいでしょ?」
「コレは夢じゃないよな? 」
「ふふふっ、じゃ〜 おもいっきり抓ってあげようか? 」
その時はドキッとするくらい茜が可愛く思えた。
「ハハハ、やっぱり痛いのは勘弁してほしい。」
「ねぇ、体力が回復したらデートに行こうよ。そうね、武蔵野ミュージアムでプロジェクトマッピングやってるから見に行こうよ。」
「うん、茜ありがとう。」
転生したら本でした アオヤ @aoyashou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます