現実世界に突然現れたダンジョンを舞台としたファンタジーですね。ダンジョンはいわゆる迷宮のようなものからとんでもないものまで、色々飛び出してきます。
この作品の魅力は文句なしに「ギャグ」でしょう。笑いたい時に読めば笑えますし、「今日こそ笑わないぞ」と心に決めていても笑えます。特に様々なモノの名前が毎回面白いですね。過去作を知っていると思わずニヤリとできる要素もあり、遊び心があふれています。
また、世界観や作品の構成もお見事です。
長編作品を読み続けるにあたって「読者の、主人公に対する好感度」はとても重要な要素となります。この物語の主人公はノリが良いだけではなく、初めてダンジョンへ入る前にはしっかりと準備を整え、非日常の世界へブチ込まれたあとも真っ先に日常生活の心配をしたりと、地に足がついた好人物です。それゆえに、個性的すぎる面々とのやりとりが面白く、私も読んでいて彼を応援したくなります。
いわゆるテンプレ系と呼ばれる要素を題材にした作品なのですが、それらに対するアンチ作品というよりも、上手くリスペクトしつつ笑いに昇華されています。そのあたりの心遣いもお見事ですね。
ギャグを主軸にしつつ、素晴らしい要素がたくさんある作品ですので、ぜひ多くの皆様にお読みいただきたいですね。オススメです。
ちょっと序盤のペースが速すぎてついていけない人もいると思いますので、まずはあらすじを読んで落ち着いた方がいいと思います。一言で言えば「ゲーム」を「現実世界」でするとこうなるよ!的なお話です。そして、自分のステータスを教えてくれる存在として、ヒロインがいるという物語です。
なら真面目な「冒険譚」か?と問われれば、違うんですよね。全体的に「コメディ色」が強めです。「ステータスピー」とか、そんな感じのジョークがちりばめられている「コメディ」なんです。
ということで、まぁ、なにも考えず「頭」を空っぽにして読む小説だと思いますが、「最初の3話」はチュートリアルなので、ある程度は真面目に読んだ方が物語を楽しめると思います!
巻き込まれ型の主人公が繰り広げるダンジョンコメディです!
導入から勢いがあるので、読んでいるとつい忘れがちになるのですが、登場人物の恰好が例外なく怪しいという素敵な設定になっています。
主人公も最初は正常な感覚を持っていたのですが、次々に出てくる個性溢れた姿をナチュラルに受け入れているあたりが個人的にとても好きでした!
つい、映像でその光景を見たくなりますねw
ステータスということで、RPG的なものを想像する方もいるとは思うのですが、この作品ほど細分化されていたら炎上間違いなしの分割具合は一度見ておくのがよいと思います!
ステータスはおろか剣という名の鞭も喋り出す始末なので、ダンジョンを歩き出しているだけでも賑やかで楽しませてくれるという強烈な強みを持つこの作品。みなさんも一度目を通して頂きたいです!