誰かの独り言
今まで、のめり込むように読んでいた小説や漫画。
その幻想的な世界を一から創り出すという事は、並大抵のことでは無い。
たった数時間だけの事なのに、もうそれを目の当たりにしてしまった。
初めて“創る”という事を意識して、書き出した文章は拙く、何も分からず、意味も通らない。
あの感覚を現実にするなど、遠い道のりなのだと、実感してしまった。
しかしそれが、始まりなんだと。
幼い頃の自分が感じた、正体不明の感覚。
それが、やっと、分かったのだ。
逃したくない、逃してなるものか。
やり続けることに意味があると、思ってしまった。
どんなに無謀なのだろう。
どんなに非現実的なのだろう。
だが、大事に温めていた感覚。
育てるしか、眼中に無くなってしまった。
作家になりたいなど、学校側からすれば“進路”などでは無い。
もっと現実を見ろと、就職なり進学なり、しっかり考えろと諭されるのは分かりきっている。
だからこそ、進路希望調査表にはカッコ書きで、“進学案・志望者 調査中”と書いた。
そして、どうしてもというなら、第2希望を薦められるだろう。
作家と編集は、傍から見れば似ているようで、全く違う技術なのであろう事は、容易に想像できた。
どちらの道も、とても厳しい道。
道を決め、腹を括らなくてはならない。
まだまだ世の中を理解していない、高校生の私だ。
生意気だと言われるに違いない。
しかし、まだ、高校生。
なんにでもなれる。今からなんだ。
いや、いくつになっても、追いかけてやる。
希望だけでは無い。
失望、挫折、頓挫、落胆。
これから、様々な場面や感情と向き合うのだ。
それでも、乗り越える。
これから、実現しようと。
あの蒼い鱗の尻尾を、現実に書き出そうと。
幼き日の尻尾 哉子 @YAKO0919
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます